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20年読み続けている愛読書。『プラネテス』

JBNの制作ユニットの朝礼は当番制で、毎月決められたテーマについての短い発表があります。今月のテーマは『わたしの愛用品』だったので、ぼくは愛読書の『プラネテス』を発表しました。


『プラネテス』

1999年からモーニングで連載された幸村誠の漫画。全4巻。
宇宙開発によって生まれたスペースデブリ(宇宙ごみ)の回収業者である主人公が自分の宇宙船を手に入れたいと夢見る物語。

SF漫画と称されますが、ぼくにとっては青年期の放浪を描いている漫画です。読後感としてはアーシュラ・K・ル=グウィン『ゲド戦記』の『影との戦い』と『こわれた腕環』に近い。まだ何者でもない若者が、何者かになろうとあがいている。

20代から読み始めて、いつも手元に置いてあります。手にとったら止められなくて最後まで一気読みして、毎回何かしらの発見と感動があって、でも言葉にできなくて。ということを20年繰り返しています。定期的に読み返す愛読書のひとつです。『ゲド戦記』も定期的に再読しています。

20代のときはまだ何者でもない主人公と、社会人になったばかりの自分を重ねて胸を痛くしていました。30代になるとまた手触りが違ってきて。歳を追うごとに新しい発見があります。40代で読み返したときは「負け戦に挑めることが若者の特権なんだ」と新しい発見がありました。「勝てるからやる」のではなくて。


創造的な仕事をなしとげる三つの条件

「創造的な仕事をなしとげる三つの条件」という宮崎駿の有名な言葉があります。

  • 若いこと

  • 無名であること

  • 貧乏であること

『プラネテス』を読むと、ぼくはいつもこれを思い出します。50代になってもまた読むと思います。ゲド戦記も。そんな愛読書です。


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