カミール⑥謝罪と友情再結成
さて金曜日の夜中にあんなことがあり、土日は怒りと少しのショックとで楽しくない週末を過ごした。カミールから謝罪のメールや、会いたいとのメールがわんさか来ていたが、もちろんスルーだ。謝罪するのであれば始めからしなければ良い。
そして迎えた月曜日。学校がある日だ。カミールに会いたくないから一瞬休むことも考えたが、カミールのせいで授業を受けられないなんて理不尽だと思い行くことにした。
学校に行くと、相変わらず私が一番乗りだった。まあ、これで教室に入りづらいということはない。できればカミールが入りづらくなって休んでくれたらいいんだけど…
期待に反して、カミールはやってきた。そして、何事もない感じで
「ハイ」
と挨拶をしてきたのだ。
その時点ではカミールとはもうこれっきり、口も聞きたくないと思っていたので、挨拶は返さず、目線を合わさず席を立った。
いささか子供じみているのはわかっていたが、何事もないように接せるほど私は大人じゃなかった。
その日は1日そんな感じで、学校が終わるといつもスタバに直行していたが、その日は行かずまっすぐ家に帰った。
カミールはドスドスと音を立てて帰る私を遠くから見ていた。その綺麗な瞳、クラブの後はギラギラとしていた瞳はハの字になっていて少し寂しそうだった。
そんな感じで何日か過ごしたと思う。クラスメイトも、ただならぬ雰囲気には気づいていたはずだが、誰もツッコんでこなかった。もしかしたら、カミールから何か説明はされていたのかもしれないが、おおよそ自分に都合いいように言ってるだろう。
何日か経ったあと、私は休憩時間にカミールに呼び出された。無視したかったが、クラスメイトのアフメッドから話をしてあげてと頼まれたのだ。アフメッドはいいやつだから突っぱねられなかった…
そして教室裏に呼び出される。まるで中学生に戻った気分だ。まあカミールはつい数年前まで中学生だったが…(私は10数年前…)
「何?」
私はそっけなく答える。
「いつまで無視するつもりなの?」
なかなか強気な発言である。しかしどう返せばいいかわからず黙ってしまう。
「メールで何回も言ったけど、もう絶対あんなことしない。次にあんなことになったらその時は無視してくれて構わない。この数日一緒にいられずにつまらなかった。君はつまらなくなかった?」
まくし立てられるように言われてしまった。確かに、この数日は家と学校だけの往復でつまらなかった。ショッピングモールに行きたくても、カミールに会ったらどうしようと躊躇していたのだ。
結局私にはカミールしか友達はいない。他の人はなぜか避けるし。反省しているのであればまぁもう変なことはされないだろう…。ザ・流されやすい日本代表の私は、結局許してしまったのだ。
こうして、カミールとの友情は再結成された。しかしこの再結成は、私の知らないところで別の形に再結成されていたようだ…
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