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【デジタルデバイド】適切に怖がることは、かくも難しい。(ケーススタディ)


このnoteに出てくるデジタルデバイドな方

✅70代女性
✅夫が箸より重い物を持たない人なので、床の張り替えから、水道管の修理まで、ホームセンターで勉強してきて行っていました。もちろん、お手洗いやお風呂場のリホームなど、プロにお願いすることはお委ねします
✅壮年期の心身では無いから無理は出来ないが、高齢者医療に強い主治医から「鈴木さん(仮名)は、してあげる側ですよ」と、認知機能を含めて健康状態を評価されている
✅論理的思考能力。「その話は、出どころ不明で事実確認出来ないよね」と指摘すれば、事実確認や情報源の大切さを説明しなくても通じる
✅マルチやカルトや悪質な営業。手口を理解しており、うまい話は無いことを理解している
✅読書の量と質。10歳からカウントして60年以上、平均1日1冊(読めない時期と3冊読む日を均しています)で計算すると21900冊。「大学に返した」と本人は言いますが、文字の本を読む種族です。本を見れば、専門外でも、違和感を抱けます。ここは、情報源を見極めるのに使えます
✅デジタルデバイドはあって苦手意識は強いけど、言語生成AIのChatGPT Plus・Bing・Bardは、話が通じるから(※自然言語処理の恩恵です)、毎日使っています。言語生成AIに慣れている点は、とても有利なこと

私の作戦は、「心身は若い人と異なるけど、認知機能・能力は問題がない。人生経験や教養などで、冷静に観察するとおかしい事柄を見抜く勝負に持ち込めば、母が強みを発揮できる」というものです。

現時点の母の弱点

UIを読み取れない

操作を逐次、手順として記憶する必要があり、細かなUI変更があればやり直し。かつ、膨大なマニュアルが必要です。言い換えると、UIをマニュアルに翻訳し続けているのが、私です。
直感的に利用できる前提を共有していないことが原因。

リスクを大きく想定し過ぎる

杞憂と言います。空が落ちてくる確率より、交通事故の方が可能性は高いですよね。でも、情報技術がよく分からないから、全て等しく怖いわけです。それは疲れる。例えば、バールのようなものを持った強盗が僕の家に押し入る可能性は0では無いです。でも、たぶん、熱中症になる可能性の方が高いですよね。

ブラックボックスの安全な取り扱いが苦手

ここは、「Aとみなす」「Bとみなす」と、ブラックボックスを適切に扱うスキルやセンスのことです。iPhoneであれAndroidであれ、どこからアプリをインストールしたかは説明出来ても、そのアプリとOSがどのような役割分担をしてサービスを提供しているか説明出来る方は少ないはずです。この、複雑な道具をブラックボックスのまま安全に使うことは、デジタル情報や機器を扱うこととは別のセンスのはずです。

では、サポートの出番です。(訪問看護の所長さんは「ご実家に出勤ですね」「家にいてもLINE通話などでサポートしてます」「リモートワークですね」と見守ってくれています)

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