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ルフィってさ

世界で1番売れている漫画

私が世界で最も売れているそれに初めて触れたのは22歳の秋。
対象年齢から離れたある程度の大人だからこそ、見えた物があったのこの記事を書き始めました。

大人になってから見る少年漫画は、
伏線とかに細々気づけるし、登場人物たちの心情を自分の実体験に当てはめて感情移入もできる。
あの頃とは違う楽しみ方ができて、それはそれで、おもしろいですね。

でも、読んでいて少しだけ違和感があったんです。
『ルフィって結局どういう人なんだろ』
最初にそれを思ったのは、アラバスタ。
あの大名シーン、『人は死ぬぞ』のところ。

それまではお気楽に、"ルフィってめっちゃいいやつじゃーん"としか思ってなかったから、この発言には正直驚きました。

え、ルフィってやんちゃと任侠がかけ合わさった人なんじゃないの??
こんなに物事の本質を考えてるの???

びっくりしたと同時に、ルフィがどんどん不思議な人に思えてきました。

序盤とはいえ、もう数百話も読んでるのに、なんで主人公の人物像を全然理解できていなかったんだ?と。

なにより、
じゃあルフィが海賊王になりたいってのも、"かっこいい"とか"憧れ"じゃない、何か根っこの部分と繋がった理由があるのか?
と、思いました。

今思うと考えすぎですね汗

でも、考えすぎたおかげで、あることに気がつけたんです。

ルフィって、モノローグがないんです。

ルフィの内面が読者に語られたことって本当にない。
発言量が多く、独り言も言う。
思い立ったらすぐに行動してしまう。
そういう特徴の陰に隠れて、実は心の声を聞いたことがないってことに気がつけませんでした。

それに気づいてから、私のワンピースを読む裏テーマが『ルフィを知ろう』になりました。

でも、アラバスタ以降もやっぱりこの人は内面を語らない。
人格形成のヒントとなるような過去の話しも、頂上戦争の終わりまでない。し、それを見てもイマイチわからなかったという悲しい私の読解力。

そんなこんなで読み続けたある時、ようやく気がついたんです。

ルフィの本心は、会い対する敵の本心の真逆なんだと。

ワンピースの敵キャラってめちゃくちゃキャラが濃いんですよね。
何を求めて、なんでそういう思想になったのか、そこまでしっかり描かれる。
だから、敵キャラのことの方が理解できてる時が意外と多い。


で、その敵とルフィは戦う。

相手を倒さなければいけない理由があるから。
間違ってると思うから。

例えば、ドフラミンゴなんかは本当に真逆ですよね。
あとは天竜人、黒ひげ、そしてウタ。とか

それに気づいてから、
ようやくルフィの根っことなる部分、求めているもの、そして"夢の果て"とは何か、なんで"海賊王"になりたいのか。
なんとなくだけど、見えてきた気がしました。

そんなこんなで、
人の内面を知りたい時は
"その人と敵対関係にあるものを見るといい"
という、新たな発見をしました。

現実突きつけてきますよね、ワンピースって。

私が今年社会人になって思ったことは
"大人って何考えてるかわからん。本心どこ!!!"です。
大人になればなるほど、無防備に自分をさらけ出すことはしないし、モノローグも増えるんだなと感じました。

大抵の大人は、好き、普通、嫌いの中では、好きと普通の割合が大きくて、嫌いの範囲は狭い。
よっぽどの人でなければ、自分にとって無害なものにわざわざ嫌いとは言わない。

だからこそ、それでも"嫌い"って言うものにはその人の意志が強く反映されているんです。

それが、"嫌いな人"であれば尚更わかりやすい。
"嫌いな人"の価値観や思想が私が仲良くなりたいその人にとっては理解できないことなのだから、
その人の価値観は"嫌いな人"の真逆にあると考えればいい。


と、いうのが、23歳女が初めてワンピースを読んだ感想です。
、、、感想とは。

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