それを待つ人

サッカー日本代表がベルギー代表に2-3で逆転敗けを喫してから半日が経った。

美しい2本のシュートで掴みかけた夢が、一瞬のうちに手から消えていく。この手はもっと強く握れなかったのかと、代わりに得た無念を握りつぶそうとする。選手の悔しさは自分のそれとは比べられないほど大きいのだろう。

スポーツ選手になりたい。大人になってもそう思うことがある。その一瞬、その人間にしかできない身体の動き。その刹那性と唯一性への憧れが、自分の存在意義を考えれば考えるほどに大きくなっていく。

自分にしかできないこと、そんなものあるんだろうか。お前じゃなきゃだめなんだ、そう言って待ってくれる人はいるんだろうか。

そうした懐疑への反動がスポーツに対する憧れの根底にあるならば、この熱は永遠に冷めることはないのかもしれない。

つづく。

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