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9月14日。フリースクールの話とか。【プロ夏休みストの日常】

昨日は娘と、娘と同じフリースクールに通っている子ども達と一緒にいつもの川に遊びに行った。朝晩少し涼しくなったとはいえ、日中はぐったりするほど暑い。
ほぼエアコン無し生活でこの暴力的な夏を乗り切ったが、だからと言ってこの残暑の中涼しい顔で過ごせるかと言われれば、あたしゃもう無理はしたくないので、早々に音を上げて川へと逃げるのであった。

そのまま娘の友達宅で晩ご飯、お泊まりDAY。
フリースクールという場所がつないでくれた縁。熊本はフリースクールの数が全国一位なんだと。すごくね?オルタナティヴ教育最先端の熊本。誇らしいわー。
そうして全国からフリースクールを目掛けて移住してきた家族とこうして仲良くなり、子どもや社会について柔らかく優しい談義ができるのはとても嬉しい事だ。
…いや嬉しいどころではない。そんな綺麗にまとめんくていいでしょ私。普通に興奮する。そんな親や子ども達が集まってくる場所があるんよ。そんでみんな優しいの。やばくない?子育てや学校教育に悩んでる人みんな一回来てみたが良いよ熊本に。

用を足しに外へ出ると夜風があまりにも心地よく、ついつい道路に(田舎の農道につき夜間に車は滅多に通らない)寝転がる。ほろ酔い気分で星空を眺めながら、ああここで天体について多少の知識でもあればこの星空が一層深みと彩りを増すのかもしれないと思いながらも、天体に一ミリも興味を持てない自分も肯定しながら、まあよくわからんでも最高に綺麗だわーと浸ってみる。
2年前に南アフリカとナミビアの国境沿いで見た星空が、私のこれまでの人生で一番綺麗だった星空って事にしてるんだけど。ほんとはね、その時コンタクトしとらんかったんよ、だけんね、よう見えてないの。実際。はい懺悔。
面倒くさいが勝ってしまってねー。でもそんなに目が良くない僕の目にも明々と散らばる天体達はなんとなくだけど飛び込んできたし、一緒に見てた友人達の感動は一入だったから、きっと人生で一番綺麗な星空なのよ。よう見えてないけど。
と、夜風に吹かれてたらいつの間にか寝てしまっていた。街灯のない夜道に寝転がったまま!あっぶねー、そのまま農道を爆走する軽トラの下敷きになっていてもおかしくなかった。伝説未遂。
中々外から戻ってこない僕を探しにきた娘と友人家族に救われた。何事もなくて済んだからしれっとしてるけど、これ考えようによってはそこそこのお酒の失態よな。

翌日、朝から拾ってきたばかりの栗をいただく。朝から茹でた栗をいただく。包丁で真っ二つに割り、ひたすらスプーンでくり抜く。食べる。大人も子どもも、ひたすらくり抜く。栗を、くり抜く。食べる。
栗って一つとて同じ味のものは無いのかもという事に気づいた。一粒一粒全部味違うのよ。甘いやつ、パサってるけど風味強いやつ、瑞々しいけどなんか苦いやつ、痛みレベル1〜5くらいのやつ(レベル上がると発酵臭強い)。本当に色々ある。みんな表情違うなんてなんだか人間みたいじゃん。途端に愛情湧くわ。きゃわ。栗、きゃわ。

友人家族の末っ子ちゃん(2歳)がだいぶ喋れるようになってきてて、全ての言動が震えるほど可愛いマジカルなゾーンに入っていた。
肉感、フワさらな肌、あの幼児特有の歩き方。それに加えて喋れるようになってきた日本語達。もう全部許しちゃう。こちらもバブ語止まらんのは、あれか、絶対なんか魔法かけられてるよな。黒魔術というより白魔術か、現になんか回復してる気がするっていうか元気になるし。いやはや妖精極まれり。

ここで凄く重要な問いが生まれた。幼児というものはただ存在するだけでひたすら可愛がられ、沢山の愛情や、下手したら物品まで無限に与えられる。人をたらし込む事において最強な存在である。ニコッとしただけで、その、何かを与えずにはいられなくなるのだ。すごい。
そこでだよ、もし大人になってもこの可愛さをキープできたらさ、もう働かなくてもさ、生きていけるのではと思ったのだよ。全部与えてもらえるのではと。それが良いとか悪いとかそういう議論はさておき、どうやったら幼児の可愛さを保存できるのかと本気で考えて見た。
数分の熟考の末にはじき出された暫定的な答えは、「ずっとロンパースでいる」というものだった。
裸にロンパースで過ごすのだ。ずっと。そしてとにかくあの歩き方で、ペチペチと動き回りだな、大人の関節視野に潜り込みまくり、こちらに意識をむけてくれた人にニコッと微笑むのだ。可能であれば少しポテっとした体型を目指し、ちょいとばかり反り腰な体勢で、そうおへそで歩く感じで、おへそで風を切る感じで(ちょっとお腹冷やして風邪ひきそうな表現)たったったっと走り回れたら、こう、凄く可愛がられるのではないだろうか。凄く食べこぼしたりしてもというか、色んなものを素手で貪っても許されるのではないだろうか。
言葉というか喋り方もきっと重要だ。例えば欲しいベースがあったとして(あ、初めましての方はどうも。私ベースを弾いています。)、どのようにねだれば良いのだろうか。
「べんべん!きらきら(ちらちらと発音した方が愛されポイント高そう)!かあーっくいー!あれいいー!(あれが欲しいの意)」
みたいな感じで言えば買ってもらえたりしないだろうか。ロンパース姿で。

ともあれこれを実践するまで人生を思い切るところには至らず、それはなんだか多少の悔しさも孕むのだが、もし人生をある程度やり切っていて、失うものが無い人がいたならば是非とも試して欲しいと思いここに記しておく。

そんな妄想を膨らませながら、今日は子ども達を連れて山の上の友人宅にある天然水のプールに泳ぎに行ってきた。自宅にプール、ちょっと情報量多いがとにかく心地よい時間だった。夏休みは続くよどこまでも。

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