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試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。

鳥肌が立った。

感動なのか興奮なのか自分の気持ちを言葉に落とし込むまでの時間も無いままに記録として残したいと思った。

女は感情の生き物だ。とはよく言ったものだ。


ここ最近はYouTubeばかり観ていて自分の集中力がすこぶる落ちていることに気がついた。

決してYouTubeが悪いわけではない。自分の問題なのだけど。

ひとりだと映画を観ても集中力が足りずにすぐ飽きる。好きなドラマですらも興味が他に行ってあっちやこっちや色んなことをしてしまう。

読書はもっと集中できない。活字を読みたくて本を開いても結局集中出来ずに飽きてスマホをいじる。

結局デジタルの世界に飽きて何となくという感覚でひさしぶりの本を手に取った。

あぁ、これ好きだったなって。


尾形真理子さんの

試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。


短編集で読みやすく、自分と重ね合わせるような気持ちで読み進められる本。

洋服を選ぶ楽しさ、ワクワク、これを着てここに行きたい、これを着てお出かけしたい。誰かを想いながら洋服を選ぶドキドキ感。

自分の語彙力の無さがもどかしい。

なぜ、こんなにも震える気持ちになったのか。

私も同じだった。

仕事用の無難なものではなく、自分の肌に合う、体型に合う、こんな洋服が着たい、こんな自分になりたい、と考えて考え抜いて選んだ洋服を最近買った。

きっかけは旅行の約束だった。

もちろんこのご時世で我慢は必要なのは充分理解しており、行く場所は車で1時間の近場にホテルステイするという内容。

それでも私はドキドキした。その先の予定にワクワクしてとびきりの洋服が欲しくなった。

おしゃれしてかわいくして、今日なんか違うねとか言われちゃうかなぁとかいろいろ想像して自分のイメージを自分で一新して新しいお洋服を買った。

誰かを想いながら洋服を選ぶというのはとても素敵なことだと実感していた。媚びるための洋服ではなく、自分に自信を持つための洋服。

この短編集を好きなものから読んでいって、最後に今まで読んでいなかったエピローグに気づいて読んだ。

この人も、恋をしているのだろう。

という一文があり、前回読んだ時とは違う感触を覚えた今回の読書で最後のエピローグ。

とても震えた。


誰かのために変わりたいと思って、自分が変わろうとする事は、とても素敵なときめきだと思った。