ほんとに「わかっている」?
年始に #つくってみた 仕事を通して、受け取った言葉語録
この言葉を受け取った時の思い出を書きます。
新卒で大手眼鏡店に勤めました。
一通りのマナーと知識を2週間ほど、大学生活の延長のように学び、後に店舗に配属されました。
店舗で働き始めて数ヶ月。
要領の悪い私は、凡ミス、勘違い、忘れ物のオンパレードでした。
お客様にご迷惑をかけてしまうことも多々ありました。
また眼鏡店という性質上、覚えなければならない専門知識も多かったです。
文系出身の私は、接客はなんとなくこなせても、専門知識の理解、応用がなかなか追いつきませんでした。
そしてあるとき、二つ上の先輩から言われたひとこと。
「わかってないのに『はい』って返事するのやめてくれる?」
私は言われている意味がわかりませんでした。
説明を聞いて、わかったと思ったから「はい」と返事をしていたはずでした。
「いいえ、わかってるつもりです。」と答えました。
それを聞いた先輩は「わかってないじゃん!」とだけ言い放ち、去ってしまいました。
(どういうことなんだろう。何がわかっていないんだろう。)
わからないまま数年が過ぎてしまいました。店舗も移動し、先輩とは会う機会がなくなってしまいました。
でもまた新しく助けてくれる上司や同僚に出会い、なんとか仕事を続けてこれました。
言葉はいつも心に残っていました。
「私は『わかって』いるのだろうか?」
そのうち、自己啓発本やWEBでも仕事の進め方を読み漁るようになりました。
自信を持つには?伝わる話し方とは?記憶に残すにはどうしたらいいのか?こんな本なんか読んでも、実践で身につけられなきゃ意味がない、と心のどこかで思いながら、でも読み終われば、できる人になれたような気になりました。
そのうちに、「会話する時は、理解している時も『○○ということですか?』と相手に聞き返すのが良い」と、本か何かで学びました。
仕事に慣れてくると、同僚にもお客様にも、段々自分の言葉で「こういうことですか?」と聞き返せるようになってきました。
万が一の勘違いや思い込みがあると、ここで修正ができることにやっと気がつきました。また、そういうコミュニケーションが取れるほうが、相手から、より信頼を得られるということもわかりました。
私は、わかったつもりになっていただけ、でした。
何がわからないか、ということがわからないまま、はいと言っていたのです。
言われた時は堪えましたが、あの言葉がなかったら、私は何がわからないか、今もわからないままだったでしょう。
この記事が参加している募集
家族に美味しいもの買ってあげたいと思います!世界平和をお祈りしに神社へ行きます!