「お」OASISと転がり続ける童貞編

　友人たちにこの企画を送っているのですが、音楽について読んだ後のプライベートの切り売りが小気味良いとのこと。これは、文章比重を変えるべきか。

UKベストバンドの煮こごりのようなバンド

　90年代、Nirvanaのカート・コバーンが逝去した後、イギリスのマンチェスターで労働者階級のあらくれた若者たちが限りなく過去のブリティッシュバンドへの愛情を持って、世界的な成功を得たバンド。それが、オアシスの私的な説明です。

写真に写っている二人が世界でも有数の兄弟喧嘩を繰り返してきたギャラガー兄弟です。（左がノエル・ギャラガーほとんどの作曲・作詞と悪口を担当。右がリアム・ギャラガー基本的なVoと悪口を担当）

洋楽ってものを初めて聴く時、皆さんはどんなアーティストを入り口としたでしょうか。ベタもベタベタかもしれませんが、私はこのオアシスのモーニング・グローリーだったんです。

今でも不思議なんですが、聴いていて最初から本当に聴き馴染みが良かった。

日本でオアシスが人気な理由の一つでもあると思うのですが、イントロからサビまで基本的に1st、2ndどちらを取ってみても終始メロディアスなんです。イギリス第二の国歌なんて呼ばれる、「Don't Look Back in Anger」も。

こんな形で、気持ちの良いコード、気持ち良くてたまらないメロディーがアルバムを通して、終始鳴り響くのである。

ブリティッシュ・ロックってどんなもんだい？と聞く人がいるとすれば「オアシスの1stと2ndを聞けば答えがある」と言ったっていい。その後、色んなバンドを聴いた後にオアシスに戻ってくるんだ。

そうしてみると、不思議。

「あれ、この曲のモチーフってもしや、、、あのバンドのあの曲じゃ、、、？」
これこそ、煮こごりの為せる技である。秀逸。

飴の中にガムが入ってる駄菓子宜しく、甘い甘いと思った先にもう一度驚きがあるのである。

そして、この飴玉にはもう一つとびきりの隠し玉がある。

ロックの神様に愛された声

　オアシスのボーカルのリアム・ギャラガーはロックの神様に愛されている。これだけは断言できる。

彼には誰にも勝てない武器があった。ボーカルにとっての命、「声」である。

オアシスデビュー当時のこのライブを聴いてほしい。

演奏面で言えば、デビュー仕立てのバンドとも言うべきか安定感みたいなものは薄く、バンド末期と比べると雲泥の差だ。しかし、それを差し引いたってあまりあるボーカルの魅力。溢れに溢れている。

こんな魅力的な声を持っているリアムだが、ドラッグだの歌い方だの、なんだのの影響で2000年代半ばに入ると本当にひどい声になる。ある意味、こういうところも含めてロックスターらしくて好きなのだが、まあ聴いてください。

45分くらいから同曲が始まります。オアシスファンの私でも笑ってしまいます。

今のロックシーンを見ると基本的に素行も音楽も健康的で良い子が多いんですよね。

どこかのコラムで読んだのだが、コンディションやマイクパフォーマンス含めて、ロックスターと言えるようなバンドはオアシスが最後だったと。そんなバンドの最後の数年間をリアルタイムで過ごせてよかったです。

今でもギャラガー兄弟の喧嘩はなんだかんだチェックしてしまいますね。

切り売りパート　メロコアとの出会い編

　これだけオアシスについての愛を深めたのは忘れもしない、中2の頃。

この頃の私は殊ロックについて、カミソリのように尖りに尖りきっていた。「ポルノグラフィティ？B'z？ミスチル？そんなバンド、オアシスの前では屁でも無いねえ！」みたいな。今ではどのバンドも大好きです。本当に思春期の食わず嫌いってのは恐ろしい。

いわゆる、洋楽至上主義的な音楽シーア派の私には音楽を通ずる友達は少なかった。

そんな中で、ある一人の女の子Bが私に話しかけてきた

B「Sum41って知ってる？」

洋楽を知ったつもりの、にわかもにわかの私にとって（雑誌で名前は聞いたことあるけど、、、）くらいの知識しかなかったが、口が裂けてもそんなことは言えない。

私「ああ、パンクのバンドだよね。ちょっと聴いたことあるんだけどCD借りてなくてさあ」
B「え！そうなんだ！うちの兄ちゃん持ってるから、貸すからちゃんと聴いてよ！！」

もう、自分のテリトリー（洋楽）についての会話を女の子とした時点でこの童貞の処理能力を超えていた。まずもって、「女子からCDを借りる」という行為自体で私は危うくなりそうだった。

そして、初めてちゃんと聴いたSum41。

（重い、、、、想像以上にサウンドが重い、、、、なんだこれは、、、、）

こちとら、オアシスが最高で、ここまでメタル寄りのサウンドを聴いたことなかったんです。涙目になりながらも聴き続けました。なぜって？ねえ？

気になる女の子とお近づきになりたい精神のためであったのは紛れもない事実です。思春期なんかみんなそうだろう！！

その後のことを端的に話しますと。その子とはお付き合いできたんですよ。ですがね、、

①半年くらい付き合うも手を繋ぐだけという快挙
②その後彼女は夏休みで海外へホームステイへ。そして、音信不通
③気がつけば自然消滅

という、中学生あるあるみたいな甘酸っぱい恋愛は終わっていきました。

その後も、中学の間はBからはたまーに連絡があって、

「今、ラジオ聴いてたらオアシスが流れてたからあなたを思い出した！」

みたいなこと来るんすよ。

こんな顔してましたよ。

そこから、十数年やられる相手は変われど、やられていることはあいも変わらず。

反省もせず、女性の手のひらで転がされ続ける人生であります。

では、また。