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「け」毛皮のマリーズとあの時の浪漫へ

 なんだかよくわかりませんが「き」の記事だけ異様な伸びを記録しており身バレの危機を感じております。まあ、もうバレてもいいやろの精神で猪突猛進で参ります。

ディスクユニオンが似合うバンド

 今回紹介する「け」は散々に迷ったが、やっぱりこのバンドを紹介しようということで毛皮のマリーズを紹介します。このバンドは、現ドレスコーズの志摩さんを中心に結成していたバンドで、売れ線を狙っていたとは言えない曲たちが目白押しだ。だが、そこには歌詞やタイトルに至るまでロックンロールへの愛情がこれでもかというくらいに詰め込まれている。

彼らとの出会いは中学二年生の地方都市にあるディスクユニオン。(現在は閉店。本当に残念でならない。)その頃のディスクユニオンと言えば、全国流通とは程遠いバンドを右も左も分からない私達に教えてくれる知り合いの兄ちゃん的な存在であった。暇さえあれば、ここに通い詰めて新しいロックを見つけることに腐心していた。そんな時に出会ったバンドの一つが毛皮マリーズ。ジャケットもいかつくこんな感じであった。

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この後、人でも埋めたんかという恐ろしいビジュアル。こんな悪そうな見た目のバンド、聴くしか無いでしょ?聴いてみてどうよ?

正直、試聴機で聴いた時、全く理解できなかった。こんな顔してましたよ。

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鳴り止まぬ轟音と独特なボーカルが終始、アルバムを彩っていた。唯一無二これしか彼らを表現する言葉はないだろう。

初めて、酒を飲んだ時と同じ感覚というのだろうか。背伸びをしたくて、やせ我慢でどうにか消化する。そんな感覚で私の毛皮マリーズ初体験は終わった。ニッチで受ける人には受けるだろう、いわゆる「ディスクユニオン系」の雄がこのバンドであった。

(こりゃ売れねえだろう、、、)そう思う少年の私であった。

そんなバンドが一、二年でメジャーデビューし、オリコン6位を獲得したというのだから、私の売れる売れない観はこの頃から全くと言っていいほど当てにならない。

ビューティフル浪漫主義

 そんな毛皮のマリーズの転機となり、私にとっての色褪せないロックアンセムになっている曲がある。「ビューティフル」という曲だ。

曲に6個くらいしかコードを使っておらず初心者の人でも奏でることができる。ストレートなロックナンバー。しかし、この曲の歌詞がそれに深みを増しているのだ。スパイスましましとばかりに、語りかけてくるのだ。

「誰かが私を待っている」・・・と、言いながら誰かを待ってました
昔のロックを聴きながら今週のジャンプに泣きながら
彼らは私にこう言った「ボウズ、最後は必ず正義が勝つ」
そして 開演のベルは鳴り ビリー・シアーズの登場です

十代のあの頃に語りかけて来るようにして、最後はビリーシアーズが登場だ。もう、ロックファンの皆さんの心も掴まれたことでしょう。

ビリーシアーズについてはこちらでご確認を。

そして、サビの登場だ

ビューティフルに ビューティフルに
生きて 死ぬ、ための僕らの人生 人生!

ボロボロな自分なんかはっきり言って格好いいとは程遠いだろう。そんな自分の底力を振り絞って美しく生きたいと叫ぶ歌。こんな美しい歌があるんだと本当に感動した。

そして、後半へと突き抜ける。

いつか来るこの日のために 私が大切にしてきたサムシング
まるで人生のような音楽、まるで音楽のような人生
そして 私は私より私と呼ぶべきガールと
恋に落ち なぜだか涙が止まらない
これが正義じゃなくて なんなのだ?

この後書いていく、Dにも繋がってくるのだが、どこか自分の人生にドラマチックなことを望んでしまう。そして、ドラマチックということはその後に困難が待っているからこそのドラマチックなのだ。そんな身の丈にあっていないことをするのだから毎回傷つくのだが、人間誰しも物語の主人公のように振る舞ってみたくなる時ってあるんじゃないだろうか。それの最高潮があの時だった。

切り売りパート わがままな、あの子編②

 Dとのこれまでの出会いを振り返っておくと、

①中1で遠距離で付き合う。そして、一回だけのデート。
②大学生になって謎の電話。その後実際に会うことはない。
③なんだかんだでずっとSNSは繋がっていた。

時期は進み、社会人二年目。色んな事はあったが仕事にも慣れ、この頃が色んな意味でイケイケであった。寒さも本格的に厳しくなるころに仲のいい先輩の結婚式があった。本当にこれがいい結婚式であった。心の底から祝福した結婚式であった。その帰り道に、インスタのストーリーでDがこんなことをあげていた。

明日、暇になった!ご飯行ける人いたら食べに行きませんか!

普段であればスルーするだろう。この時の私は変なロマンティシズムを発揮してしまったのだ。何故か、本当に今でも不可解だが、連絡を取ったのだ。

1時間ばかりだろうかあっちから音さたもなく、「ああ、こりゃ無いな」と思ったくらいのときであった。

D「久しぶりです!行きましょう!」

本日二度目の。

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そして話はスルスルと進んでいき、なんと次の日に本当に会うことになったのである。12年目に付き合って以来の彼女と会うのである。これをロマンチックと言わずして何を言うのか。

そして、運命の当日である。

嬉しいと吐きそうの間くらいで右往左往していた私は、駅の近くで焦点も定まらない様子でDを待っていた。そして、改札から彼女はやってきた。お互い、年も重ねたし体型的に丸くもなっているが、一瞬でわかった。「お久しぶりです」の声を聞いた時、懐かしささえ覚えた。たしかにDであった。目の前に人生で初めて付き合った彼女が12年ぶりに現れたのだ。

これが正義じゃなくて なんなのだ?

タイムマシンがあるなら言ってやろう。

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その後、何回か会った後に分かったことなのだが、このDさんメンヘラになられていたのだ。酔っ払っている時に、付き合ってもいない時に、泣きながら急に服を脱ぎだし、致そうと言われたりもした。もちろんお断りした。こちとら、何年セカンド童貞を過ごしてきたと思っているのだ!!!

その後、コンタクトの洗浄液がないだのなんだのだだをこねられたこともあった。当時の私は馬鹿だった。これを(可愛い、、、)と思ってしまったのだ。結局、自分がコンビニに買いに走っていた。ここで気がついた。「この子が私にとってのジョゼなのではないか」と。そして、程なくして私はDと紆余曲折を経て、付き合うことになる。

文章にして、改めてシェアハウスをしているA君と振り返っているが、こんな恋が報われる訳がないのである。

しかし、これは沼の入り口にしか過ぎなかったのである。

次回、Dとの別れ編

地獄のどん底へ落とされていこう!

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