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知らないことから生じる恐怖

大江英樹さんの『お金の賢い減らし方』を読み終わった。
巷でNISA等を使ったお金の増やし方に関する話が溢れている中で、減らすことの重要性を説いたこの本は名著だと思う。
ただ、私の中で最も印象に残ったのは、本の主眼ではないが導入として書かれている、老後への不安に関する記述である。

老後は不安か。
多くの人はその問いかけにYESと答える。
老後もらえる年金が幾らか調べたことがあるか。
多くの人はその問いかけにNoと答える。

不安だけど知らない・調べない。
知らないままだからこそ、更に不安になる。

そんな私も、正直老後について分からないことが多い。
家族で高齢者にあたる祖母はずっと一人暮らしをしていて、どれくらいお金を貰って、どれくらいお金を持っていて、どれくらいお金を使っているか等は聞いたことがない。
年に一度、家族の集まりのときに豪勢な食事を振る舞ってくれ、お小遣いを孫に与える余裕があることはわかる。
でも、それだけしか知らない。
年金の額が毎年変わっていることすら、今の仕事に就くまで知らなかった。

言葉を入力すれば、色んなことをすぐに教えてくれる世の中なのに、自分の将来に関わる不安についてすら、人は調べない。
ターゲティング広告が進む中で、調べない人には、関連する情報は届かない。

知らないことからくる恐怖に社会が支配されないように、何ができるんだろう。

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