パズル 一人芝居 戯曲
データ↑
あらすじ↓
未練とズルの話
本文↓
パズル
机の上には完成間近のパズル
明転
佐野はパズルのピースを探している
「うん、そうだねわかるわかる。ソファの下かな？。ちゃんと考えているから。やっぱりないなー。あと一ピースで完成なのにな。ごめんね、プレゼントしてくれたのに。でも、ここまではやったんだよ。あ、カーペットって、ひっくり返したっけ？返したか。でも、一応かえしておこう。やっぱりないか。ホコリが立っちゃった。窓開けようか。わかったって、聞いてるから。今日の空はキレイだね。え、曇ってても、ほら、ほの暗くてよくない？ほら、こっち来て」
佐野は彼女を窓際に連れていく
「別れないよ」
間
「別れたくない」
間
「なんでって？俺は美穂のこと、まだ好きだし。美穂だって俺のことき嫌いになったわけじゃないんでしょ？だったらいいじゃん。別れなくてもさ。あ、もしかしたら、箱の中に取り残されていたりして。灯台下暗し的なさ。あー、やっぱりないか」
佐野は椅子に座る
「何それ。『じゃあ嫌いになった』て。納得できるわけないじゃん。美穂から告白したんだよね。笑顔が好きとか、前向きなのが好きとか、サバサバしているのが好きとか。それで別れるときは、理由が無いって。どうゆうこと？――寒くなってきたね」
佐野は窓を閉める
佐野は窓に映った自分の顔を見る
「美穂が言ってくれた俺の良さが失われてるよ、美穂のせいで。笑顔じゃないし。美穂と別れたらさ。もう二度とこんなに一緒にいたい人と出会えないんじゃないかなって思っているし。明日から憂鬱な日々が始まるかもって。今、俺、超後ろ向きでしょ。未練タラタラだよ、サバサバなんてできないよ」
美穂は帰ろうとする
「待って。まだ話し終わってないしさ、ほら、このパズル。このパズルが完成するまで待ってよ！せっかく、美穂がプレゼントしてくれたんだから、二人で完成品を見たくない？いや、俺は見たい。だからさ、最後のピース探すの手伝ってよ」
間
「は？何それ？俺がわざと無くしたんじゃないかって思っているの？そそんなわけないじゃん。美穂からのプレゼントだよ？本気で完成させたいって思っているよ？」
間
「俺のこと信じてくれないんだ。嘘をついてるって思っているんだ。た美穂からのプレゼントを無くすような人だと思ってるんだ」
間
佐野はパズルをぶちまける
「なんでわかってくれないんだよ！」
SE 扉の開閉音
間
佐野はパズルを拾い始める
佐野はパズルを拾いきる
佐野はパズルを机に置く
「なんでこうなっちゃったのかな」
暗転
明転
佐野はパズルを作っている
佐野はパズルを完成させる
「あれ、できた」
佐野はスマホで写真を撮り美穂に写真を送る
間
SE 着信音
「もしもし？うん、完成した。ううん、見つけたとかじゃなくて。できちゃった。ありがとう。あのさ。完成したパズル、見に来ない？」
暗転
END
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？