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ファシリテーション力養成講座|地域共生型社会推進事業交付金採択事業 実施レポートNo.5

こんにちは。インパクトラボの畠と藤枝です。

2023年2月18日、長浜市の長浜まちづくりセンターで開催された地域人養成のための「しがの熱源”発人”講座」のファシリテーション力養成講座に参加し、コミュニティ・オーガナイジングに必要なスキルを学んできました。

インパクトラボでは、一般財団法人滋賀県民間社会福祉事業職員共済会の地域共生型社会推進事業助成金採択団体としてコミュニティ・オーガナイザーの育成に取り組んでいます。
事業に取り組む経緯や、テーマであるコミュニティ・オーガナイザーについては下記の記事からご覧いただけます。

しがの熱源「発人」講座とは

地域づくりや市民活動をしている(してみたい)人が、この講座をきっかけに、これから志を同じくする仲間とともに語り、学び、知恵を結集し合い、切磋琢磨するなかで、市民活動・地域づくりへのさまざまなポテンシャルが高められることをめざして開講します。
この講座は、滋賀県において熱い志をもって、市民活動・地域づくりに熱心に取り組んでおられる“発人(ほっと)”な実践家と接し、その熱い夢や思いに触れるとともに、市民活動・地域づくりの多様なノウハウ、さまざまな分野における地域課題を知り、学ぶ場所です。

https://www.city.nagahama.lg.jp/0000011965.html

講座は11月から3月までの5ヶ月間で6回開催される予定で、今回は第5回目でした。

講師

講師は成安造形大学未来社会デザイン共創機構助教、滋賀県立大学非常勤講師、長浜市市民協働コーディネーターなどを勤めておられる田口真太郎さん。

成安造形大学未来社会デザイン共創機構助教、滋賀県立大学非常勤講師、長浜市市民協働コーディネーターなど
滋賀県立大学大学院環境科学研究科修了。2013年、近江八幡市地域おこし協力隊を経て、まちづくり会社株式会社まっせのマネージャーとして設立時より活動。大学や専門家と地域と連携し、伝統文化のリサーチからセミナーやワークショップを通じた人材育成など、コミュニケーションプログラムの設計から運営を幅広く行なっている。

講義

良い会議とは?

講義は「みなさんにとって良い会議とは何ですか?」という問いから始まり、田口さんのまちづくりに対する思いが語られました。

良い会議に必要なものは白熱することではなく、納得度を高めることです。
さまざまなフィールドでまちづくりを実践する田口さんは、会議への納得度を高め、一人ひとりがクリエイティブになることができるようなまちづくりの会議にはファシリテーターが必要不可欠だと話します。

ファシリテーションとは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすることです。
まちづくりにおいて、ミーティングの質はプロジェクトの質に直結します。つまりプロジェクトの質を変化させようと思ったら、ミーティングの質も変化させなければなりません。

高い質のミーティングをファシリテーションできる人材に必要な資質は、おおまかに分けると3つあります。
まずは仲間と連携したりコミュニケーションを取ったりするために必要な「ソーシャルスキル」。そして論理的思考力を用いて企画やプレゼンを行う「ビジネススキル」も必要になります。また、その人自身の性格や考え方である「キャラクター」も重要です。

事例紹介

田口さんは「良い会議」を実践した例として、2つの事例を紹介しました。

1つ目は「近江八幡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の作成に関わったことです。
この政策づくりは産官民連携であることが重要視されており、市民参加による政策立案が行われました。商工会議所や行政の課題として重要視されているテーマを7つに絞り、テーマごとに有識者や市民など合わせ総勢131名で策定を行いました。有識者からの話題提供から話し合いを始めるトップダウン型のファシリテーションを行うことで大勢でテーマについて話し合うことができました。

2つ目はボトムアップ型のファシリテーション実践例です。
2015年からスタートしたおうみはちまん親子応援プロジェクト「ぱぴぷぺぽ」では、話し合いをする機会が年に数回、また議題が上がっても話が前に進まないことが課題でした。
そこで、会議をハイブリッド型にし、オンライン参加を可能にすることで会議参加へのハードルを下げました。また議事録等でアーカイブを毎回残すことで、同じ議題が上がってしまうことを防ぎました。
また公式LINEとグループLINEを活用することで情報の交錯がなくなりました。

田口さんはこれらの事例に対し、「意見交換の場を整えるだけでも、お金をかけなくても、会議の質を上げることはできるんです」と話します。

まちづくりにおけるファシリテーションの3つの資質

さらに、まちづくりにおいて重要となってくるファシリテーションの資質は
①備えるチカラ、②聴くチカラ、③整えるチカラ、だという話が、実際に参加者がファシリテートしてみる対話の導入となりました。段取りが8割を決めるという考えのもと、アジェンダの設定が必要になってくることや、対話の理想的な姿から生まれる平和的な課題の解決、そしてワークショップの流れを理解し、実践することについてお話しいただきました。

ファシリテーション体験


そして、講義の後半には3グループに参加者が分かれ、実際にファシリテーターやタイムキーパーなどの役割分担をする「ミニミーティング」を体験しました。
これまでファシリテーションとは縁がなかったという参加者や、ファシリテーターの方に対話をリードしてもらった経験があるという参加者など、バックグラウンドが多様な中、「令和の子供たちの遊び場に必要なものは?」というテーマに取り組みました。
60分という時間設定には、初対面の人と自己紹介や役割分担(ファシリ、サブファシリ、タイムキーパー、デザイナー(エディター)、プレゼンター)が含められていました。

発表の様子


田口さんからは、実現可能か、という部分よりクリエイティブに、個人の意見を尊重した話し合いにしてほしいというお話があり、参加者はお互いに書く付箋を見ながら、対話を楽しんで取り組んでいる様子でした。
1つ意見が出ると、他の人の経験談から3つ付箋がつながったり新しい意見に発展したりと、話し合いが進んでいくうちにどんどん模造紙がカラフルになって行ったのが印象的でした。

さいごに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

私たちもファシリテーションの奥深さや意味を講義として聞くのは初めてで、とても新鮮でしたし、どのように多世代の方と対話していくとスムーズなのか、など新たな発見やヒントがもらえた時間となりました。

インパクトラボでは、地域共生型社会推進事業交付金採択事業としてインタビューやワークショップなどの活動を行っています。他の活動のレポートも是非ご覧ください。


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