【しがのふるさと応援隊2022】DAY1|林業体験@甲賀市大原地域
こんにちは!インパクトラボの豊田です。
この記事では、9月11日に開催した「しがのふるさと応援隊2022」DAY1の様子についてお伝えします!
*「しがのふるさと応援隊」ってなに?と思われた方はぜひこちらの記事もご覧ください!
初めましてからスタート
「しがのふるさと応援隊2022」には、住んでいる場所も通っている大学・学部も異なる15名が関西圏から集まりました。
今回がキックオフということで、まずアイスブレイクからスタートしました。 アイスブレイクでは、”木”のつく漢字を付箋にたくさん書き出すゲームをグループ対抗で行いました。開始早々行きづまり、あーでもないこーでもないと言いながら考えていたグループもあれば、それぞれが黙々と付箋に書き出しているグループもあり面白かったです。1番のチームは40個の漢字を見つけていました。
アイスブレイクでグループの仲が深まったところで、全体で自己紹介を行いました。参加動機には、「これまで森林や農業に関わる機会がなかったから」「地域おこしに興味があるから」という方もいれば、「掲示板で見つけて面白そうだと思ったから」という方もいました。参加動機はさまざまでしたが、みんな楽しみたいという気持ちが共通していることがわかりました。
また、DAY1の林業体験に合わせて、私にとって森林とはという質問には、「琵琶湖を育む森林」「小さい頃遊んでいた身近な場所」「人間の存在を支えてくれるもの」などそれぞれのバックグラウンドがわかる回答でした。
大原地域ってどんなとこ?
オリエンテーションの後は、DAY1の舞台となる甲賀市・大原地域の取り組みについて、甲賀木の駅の大原久和さんにお話ししていただきました。滋賀県の山の現状と林業の現状から甲賀木の駅の取り組みまで教えていただいたのですが、ここでは特に印象的だった3点についてお伝えします。
①林業は長い眼で
林業とは、山林で経済的利用を目的として樹木を伐採し、木材を生産する産業と定義されています。林業は1次産業の中でも植えて伐採するまで何十年とかかり山全体で考えると百年もかかるといいます。今荒れている山も何年も人の手が入らなくなってできたものであり、大原さんたちが、手を加えている部分は何十年後にやっと変化が現れるのです。
②林業・福祉・商業
「甲賀木の駅」は平成26年に有志の皆さんで立ち上がりました。木を伐採し薪にして、キャンプ場に納品したり、一般家庭に販売したりされています。
薪を束にするなど作業の一部は近くの福祉作業所のメンバーさんと一緒に、お仕事として行っています。さらに、間伐で発生した木材などを買い取る地域通貨「モリ券」は、作業所のメンバーさんがデザインされたもので、地域の個人商店で利用できます。地域の特徴を活かした林業と福祉の連携、さらに地域経済活性化につなげようと活動されています。
③林業を軸にした理想の地域
甲賀木の駅の皆さんは、自分たちだけで林業を行うのではなく、地域のひとと山を繋ぎ、これからの山のありようを考えるとともに、地域の山を整備し、山が抱える課題を解決しようとされています。放っておいてもずっと未来に残る山。そんな山が子供たちにとって何の思い入れもなく厄介なものになってしまうのはもったいない。現在は、「木育」という活動を通して山で遊ぶ機会を地区の保育園の子どもたちに提供しています。
レクチャーを受けた学生は、林業についても大原地域の活動についても初めて知ることが多く、たくさんメモをとっていました。
今回お話してくださった大原さんは、小さい頃遊んでいた山の記憶が今の活動の原動力であるとおっしゃっていました。個人的には、甲賀木の駅の皆さんが後世に残しておられるのは、人の手で綺麗になった山ではなく、人が関わり続けられる山だということがとても印象的でした。
地域の方のあたたかさを感じるお昼ごはん
レクチャーのあとは、みんなが待ちに待ったお昼ごはんです。「甲賀木の駅」という、木の駅メンバーの皆さんが木材の加工場として使っておられる場所で、山を目の前にして丸太をテーブルに地元のお弁当をいただきました。
私たちが木の駅に到着するとBBQのいい香りが、と思ったらなんと木の駅のメンバーの方が仕留めたといういのししのお肉を焼いて振舞ってくださいました!いのししに感謝してありがたくいただいたお肉は、癖がなく柔らかくてとってもおいしかったです。
コーヒーあるよ!スイカもあるよ!とたくさんおもてなしをいただき、地元の皆さんのあたたかさに触れながら、これから作業をするのにいったんお昼寝したくなるくらいお腹いっぱいになりました(笑)。
林業のすごさを体験・体感
午後からは、林業を体験させていただきました。この日のため山を整地するなど準備してくださり、木の伐採を目の前で見せていただきました。
「とにかく安全第一」と大原さんがおっしゃっていた通り、オレンジのベストとヘルメットを装着したメンバーの皆さんが、根に木の倒れる方向を定め、チェーンソーで木に受け口を作っていきました。ピーっという笛で安全確認の合図を送るときやどんどん斜めになっていく木が倒れる瞬間は緊張感が走りました。
伐採の実演の後は、木の駅にて、①切った木を短くして、②丸太を薪にして、③販売するための束にする、3つの作業を体験させていただきました。グループに分かれてそれぞれメンバーの方から丁寧に指導していただきました。
私も薪を束にする作業を体験させていただきましたが、初心者には難しく最初は苦戦しました。しかし、「これはどうしたらいいですか?!」「ここが難しくて。。」というとすぐに木の駅のメンバーの方が助けに来てくださったおかげで、少しずつコツを掴むことができました。
今日1日を振り返る時間
1日を振り返って、最後にワークショップを行いました。学生からは、「2時間でできた薪がわずかで大変さを実感した」「木は50年!おじいちゃん世代が私たちに残してくれている」「安全第一で作業していた」という体験を通して感じた率直な意見やレクチャーを通して考えたことが出てきました。他にも「協働」「コミュニケーション」「安全第一」というキーワードも出ていました。
その後は、全体で共有しました。「本を読んで学ぶことも大切だけど、一番は今日のように実際に体験することだと思った」「自分たちにできることはなんだろう」「やりたい若者がいても自分一人ではできないからこそ、若者にとってハードルが上がっているのが課題だと感じた」「あまり力のない私でも楽しんで関わることができたけど、実際に仕事をしようと思うと経済面・安全面で課題がありそこをどう解決できるのか」と一人一人の視点から今日の学びやもやもやを言葉にしていました。
最後に
最後までお読みくださりありがとうございました!
大原地域の取り組みや林業について、少しでも知っていただけたでしょうか。
「林業は1年や2年で成果になる世界ではない、50年、100年という長い視点がなければ」と大原さんがおっしゃっていたように、今回の1日でできたことは限られています。ただ、ここでの学びや気づきを今後につなげていきたいと感じました。
インパクトラボのnoteでは、今後もしがのふるさと応援隊2022についての記事を上げていきますので、ぜひチェックしていただけますと幸いです!
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