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第五弾「熱中できる環境を自分から見つける」| WEB特別インタビュー

本noteは、2024年4月18日発売の『地味にすごい探究学習のはじめかた / すすめかた』の出版を記念し、「第4章 探究の “キロク”」に誌面の都合上、どうしても入れきれなかった方々の、探究プロジェクト活動の記録を皆さんに公開します!

探究学習に挑んできた方々の体験談から、本書のイメージをつかんでもらえれば幸いです。

またこの度、本書はKindle版の出版、およびKindle unlimitedでも読んで頂けるようになりました!お手に取りやすい形になった本書を、是非とも皆様ご一読下さい。

元Sustainable Week 2017 SOCIETY グループリーダー
水瀬ゆず さん

──学生時代、どのようなことを行っていたかを教えて下さい。

私自身は、高大連携協定の枠組みで立命館大学 生命科学部に入学して勉学に励んでいました。私が生命科学部に進学しようと思った大きなきっかけは、プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)に出会ったことです。

PEPの模擬授業にて「自分の興味関心」について発表を行い、プレゼンを行ったことを今でも覚えています。私はこれまで、部活や高校生活の中で、「駄目なモノはダメ、与えられたモノで頑張る」といった指導の下、自分自身の研鑽を積んできました。しかし、模擬授業で自分のやりたい事を言い出せる環境や機会が大学にはあると知り、自分自身の考え方が成長したと思います。

その授業を受けた日から、詰め込み型教育で抑圧された状態から解放されて、いろんなことを頑張ってみようという気持ちになりました。

そんな気持ちで大学に通う中、SW2018代表の切田さん(書籍第4章掲載)にお会いし、SDGsと立命館大学で行われていたSustainable Weekを初めて知りました。当時はなんとなくの期待感や、単純に大きなことができそうな雰囲気だけで活動に参画しました。

すると、どんどん世間的にSDGsが認知されはじめ、VUCAの時代が訪れる中で、事業化やプロジェクトで皆を巻き込む重要性を知ることができました。さらに、様々な活動を行える機会を得たからこそ、自分の興味関心があることにどんどんチャレンジできるようになったとも感じています。例えば生命科学部以外にも、Bring Your Own Devices(BYOD)を根付かせるための取組を行う等が、学生当時の取組としては面白かったと感じています。

──学生時代の活動で自身の学びに通じたことを教えて下さい。

自分にとっての一番の学びは「自分で問いを立てて、仮説を立てて、実行して、レビューを行う、そして次に繋げる」つまり、PDCAサイクルの重要性を知ったことです。様々なビジネス書や経営学の教科書でも、PDCAサイクルの重要さは書いていますが、その速度感は実はあまり言及されていない場合が多いです。これを実際に体感できたことがよかったと感じています。

普通の学生団体ならば、このような活動を行う事は難しいです。しかし、私がこのような活動をできた理由は、お金、人的支援、実行環境、学び舎、仲間すべてがそろっていたからできたと考えています。

特に自分自身がありがたかったと感じることは、立命館で活動する中で、教員と職員が対等にいて下さり、サポートを得られ、学生が様々な活動ができたのが良かったと感じています。一部の大学では、教員と職員とでは士気が大きく異なる場合も多いため、この点において私は立命での「挑戦をもっと自由に」というスローガンの恩恵を一番受けていたと考えています。

その点においては、探究学習でも、自分だけでなく大人がともに一緒に考えてくれるような場所に行くことは良い学びに通じるのではないかと思います。

──では環境がなければ、探究学習でもより良い活動を行うことは難しいと考えていますか?もしもそのような環境にない人はどうやって挑めば良いと考えますか?

環境はマストだと思います。

ただ、リアルにこだわる必要はないと思います。例えばオンラインサロンとか、メタバースとか、DAOとか、今ではいろいろな場所があるので、そのような事を利用するべきだと思います。特にオンラインでは、上下の関係が少ない場合が多く、それぞれの思いややりたい事を純粋に受け止めてくれる場合が多いです。

そのため、自分に取っての学び舎、良い環境を見つける上で、待っているだけではどうしようもないです。自分から動きに行くことで自分が輝ける場所を見つけることが大切です。自分が発起人にならなくても、様々な場所にあなたを受け入れてくれる場所があるはずです。

しかし、その際はtaker(もらう人)になるだけでなく、謙虚にgiver(渡す人)にもなれるように考えると、自分にとっても相手にとっても、良い関係性が築けると私は思っています。

──現在、法人運営をしていらっしゃいますが、当時の活動が今に活かされていることなど有りますか?

努力することだけでなく、いかに楽しめるかを大切にしています。特に飽和したように見えるコンテンツがある中で、どのように自分がそのコンテンツに熱中し、自分がそれを拡張して、供給側に回る事ができるかを考えるようにしています。

とくに高校生や大学生と話していると、熱中することがない人も多いように感じます。しかし、それは本当に熱中することがないのではなく、自分自身が熱中できることに出会えていないだけかもしれません

特に学生の間はできる限り様々なことにまずは挑戦し、個人の偏愛や何か楽しい事を見つけることが大切です。そのときに仕事やタスクと混同せず「好き」を教養を使って拡張してほしいと思います。たくさんのことを知ると、自分の好きなことを拡張することに繋がるはずです。

そのためにはまずは一回やってみる。書籍でも紹介されている「Learning by doing」です。活動を停止して考えても良いですが、まず始めてから、立ち止まって考えても良いわけです。まず何もできてないことを打開するために、力を注いで欲しいと思っています。

──探究学習に挑む高校生に一言。

私から伝えたいことは3つです。

  • 継続的に活動をする

  • 環境を見つけに行く

  • まず自分から、第一歩を踏み出す

これを行う事ができれば、自分がやりたい事を実現することに繋げることができるはずです。皆さんの探究学習においても、様々な活動・環境を通じて、熱中できるようなことを見つけてください。

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そのほか、WEB特別企画に関する記事は以下のマガジンから、ご覧頂けます。

書籍紹介

書籍では、探究活動に挑んだ「探究の “キロク”」だけでなく、皆さんが探究学習を『はじめる・すすめる』ために必要なことをたくさん盛り込んだ内容になっています。

ありがちな「こんなすごいことやってる!」といった内容ではなく、学生達が「どんなことに悩んでいたのか、どうやって解決したのか」に焦点を当てた書籍となっています。

【目次】

【購入特典】
・探究学習のルーブリック見本
・探究学習のリフレクションシート
・探究学習に役立つオンライン学習シート

書籍詳細

出版社:紫洲書院
出版年月日:2024/4/18
ISBN:978-4-909896-14-8
判型:B6
ページ数:‎ 148ページ
書籍定価:1,870円(税込)
Kindle定価:1,250円(税込)

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