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ちょっとおもしろい子育てができるまち|地域共生型社会推進事業 実施レポートNo.7

こんにちは。
インパクトラボの中西です。

インパクトラボでは、一般財団法人滋賀県民間社会福祉事業職員共済会の地域共生型社会推進事業助成金採択団体としてコミュニティ・オーガナイザーの育成に取り組んでいます。

この事業に至る経緯や、テーマであるコミュニティ・オーガナイザーについては下記の記事からご覧いただけます。

今回は、滋賀県近江八幡市で子育て支援の活動を行われている Moms Fun 代表の秋村 加代子さんに活動の経緯や、コミュニティづくり・運営についてから、活動で感じるファシリテーションスキルの必要性についてお話を伺いました。

子育てを楽しく、おもしろいまちに

 2015年に、子育て支援のボランティア活動の交流を作ることを目的に、おうみはちまん親子応援プロジェクト「ぱぴぷぺぽ!」を始めました。活動団体の代表であるリーダーさんが集まって、近江八幡市の課題や子育ての大変さを話しているうちに「子育てが楽しくておもしろいまちになってほしい」という、みんなに共通する想いが活動を始めたきっかけ、そして活動のビジョンとなっています。

ぱぴぷぺぽ!に参加する団体を紹介しているパンフレット

 活動は、月に1回、子育て支援団体のリーダーが集まるリーダーミーティング(定例会議)を行っています。リーダーが抱える悩みや活動を情報交換しています。民間主導でやっていますが、自治体職員や市長も入っていただき、いろんな方向性からみんなで子育てを考えるという場を作っています。

 「子育て」をキーワードにして、地域の課題や問題点を考えることは、行政だけで考えたまちづくりではなく、市民の理想のまちづくりをしているということで、会議で出た意見を行政の取り組みにうまく取り入れていただいています。

何気ない会話が課題解決の種に

インタビュー中の様子(右:秋村さん)

 リーダーが抱える悩みは、資金や人集め、情報発信など運営に関するものがあります。リーダー会議を実施する目的の1つとしては、支援者のたくさんの悩みの声を受け入れているリーダーが1人で抱え込まないように、受け止めた声を繋げられるよう、話せる場・共感してもらえる場にすることがあります。

小さなことでも「みんなはどうしてるの?」と何気ない会話から気付くことはたくさんあると思います。私自身も人との繋がりの中で助けられていることを感じているので、人との出会いはとても大切にしています。

 実際にリーダーズミーティングで出た、「活動の拠点がない、会場を借りるお金がない」といった課題を行政にあげました。その声を拾っていただき、会場の使用料などを援助してくれる仕組みが作られました。

 子育てから見える地域の課題は、まちの日常につながっていくことがたくさんあります。地域の行政や企業など、子育て世代の方以外も入りやすいようにネットワークを広げていきたいと考えています。

学生とワークショップを行って感じたこと

 2023年3月4日(土)、18日(土)に行われた近江八幡市主催の「特色ある公園づくりワークショップ」は、リーダーズ会議の中で出てきた「こんな公園があったらいいな」という意見から、周辺地域の方や学生さんなど、みんなで理想の公園について考えるワークショップをする機会を作ってくださいました。

魅力ある公園づくりワークショップ

 このワークショップでは、滋賀県内の大学生3名がテーブルファシリテーターを担当し、進行しながらグループの意見をまとめました。様々な意見が出てくる中で。客観的でありながらも柔らかいトーンで話しかけてくださったので、和やかに進んでいきました。

 子育て世代のみなさんは、経験や想いをそれぞれ強く持っています。その想いは大切なまちの資源ではありますが、時には意見や価値観がぶつかったりすれ違ってしまうこともあります。学生や違う目線から見た声を投げかけてもらうことが、良い導きになっていると感じました。

ファシリテーションの重要性

 ぱぴぷぺぽ!では、リーダーズミーティングに加えて、支援者ミーティングを年1-2回行っており、リーダーズさんがファシリテーターを務めています。リーダーズさんたちの共通認識として、「対話」と「共感から納得するまで持っていくこと」を意識しています。そして、どんな話し合いをしていても「子育てを楽しいまちにしたい」という想いを忘れないように心がけています。

 ファシリテーターは、その場の雰囲気や、参加者にとっての1日のできごとを作り上げていく重要なポジジョンだと考えており、話し合いやワークショップの成果を生み出すには必要不可欠な存在であると感じています。

もっと活動の輪を広げていきたい

Mom Funs 代表の秋村 加代子さん

 活動するということは、必要な資金や人を集めなければいけない、とてもエネルギーがいることです。しかし、それ以上に「子育て世代の方に、子どもがいることの幸せや子育ての楽しさを感じてもらいたい」と強く想っています。そのために、もっと活動の輪を広げていきたいと考えています。地元に根ざしているような企業さんを巻き込み、今までよりも規模の大きなイベントをしてみたいなと考えているところです。

若い世代へのメッセージ

最後に、秋村さんから若い世代に向けてメッセージをいただきました。

「若い世代のエネルギーはすごいので、子育て世代もそのエネルギーに頼りたいところはたくさんありますし、若い方たちの柔軟な発想に期待しているので、ぜひ一緒に地域の課題について考えていきたいです。夢を持つこと、自分のなりたい像を持つことが大事です。小さくても大きくてもみんなで夢を持って頑張っていきましょう!」

おわりに

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 今回はインタビューに加えて、魅力ある公園づくりワークショップで秋村さんをはじめとする子育て世代の方とお話できる機会をいただきました。実際に子育てをしながら感じられている地域の課題は、みんなで考えるべきものだと感じ、様々な立場や世代の方が関わっていくことが大事であると感じました。

 インパクトラボの地域共生社会推進事業について興味を持っていただいた方は、ぜひ下記のマガジンから他の取り組みもご覧ください。


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