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SDGsキャラバン@県立守山高校

こんにちは。インパクトラボの上田です。

環びわ湖大学・地域コンソーシアム学生支援事業「SHIGA SDGs Studios」では、滋賀県内の大学生が滋賀県のSDGsの取り組みを取材し、記事を作成し取り組みを発信するプログラムです。10月に記事発表と成果発表会等を実施し、現在は、プログラムを受講した大学生が中高生に滋賀県のSDGsを発信する「SDGsキャラバン」を実施しています。


 11月26日、県立守山高校にて「SDGsと滋賀県の取り組み」をテーマに講演をさせて頂きました。講演の記録と高校生の感想をこちらに残しておきたいと思います。

 滋賀県立守山高校では、前回の授業で県立守山高校の卒業生の外交官の方からグローバル目線でSDGsについて講演を頂いたそうです。そこで、今回は「SDGsと滋賀県の取り組み」をテーマに、具体的な地域のSDGsの取り組み、ローカルなSDGsについて高校生の皆さんが考えるきっかけを提供しました。

50分間の授業のタイムスケジュールは、下記の通りです。

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講演 | SDGs レクチャー (上田 隼也)

 SDGsは、Sustainable Development Goalsの略称です。2016年から2030年までに解決されるべき社会課題のゴール・目標になります。

SDGsは、貧困をなくそう、飢餓をゼロに、....など17個のゴール、それに加えて、具体的に誰の貧困?飢餓をなくすの?というターゲットが169個、さらに解決すべき問題を定量的に測ることができる232の指標によって、達成度をモニタリングをしています。

 また、SDGsはスローガンとして「No one Will be left behind -誰一人取り残さない -」を掲げています。抽象的であるこの言葉が、ポジティブに言えば、思考・活動の幅を広げていると言えますが、いまいち具体性に欠けているようなイメージもあるとも言えます。

 今回は、具体的で身近なSDGsの取り組みとして「地方創生」についてお話しました。

地方創生とは、「東京の一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力をあげることを目的とした一連の政策のことです。

政府は、2014年から「まち・ひと・しごと創生」として長期ビジョンや総合戦略、基本方針を決めて様々な政策を進めています。

その中で、私たちの住む、滋賀県や湖南市もSDGs未来都市に選ばれています。SDGs未来都市とは、内閣府地方創生室が、SDGsの達成のロールモデルとなる取り組みを選定する制度において選ばれた都市のことです。

 滋賀県は、三方よし:売り手よし、買い手よし、世間よしを意識した近江商人の考えを受け継ぎ、さらには、過去に合成洗剤による琵琶湖の汚染を止めるために市民自ら環境保全を訴えた活動、「琵琶湖」があることでSDGsを自分ごとにしやすいと言えます。

また、今回のSDGsキャラバン事業では、2020年度 環びわ湖大学・地域コンソーシアム学生支援事業として「SHIGA SDGs Studios」を実施しました。

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本プログラムは、参加学生が滋賀県内のSDGs実践者をインタビュー、そこから記事作成、ポスター、冊子、動画等を使って発信するものになります。

SDGs Studiosの狙いをして、壮大なSDGsに対して何かしようというものより、自分の興味・関心を大切にしながら、社会課題への関心へと繋げ、解決するスタンスが大切になります。

組織のトップ・リーダーが決めたルールにみんなが従うような「トップダウン型」ではなく、個人のバラバラな意見を吸い上げながら全体をまとめる「ボトムアップ型」を意識しています。つまり、大学生が見える世界を集めることでSDGsの解決策を見つめることが目標なのです。

では、具体的にどのような行動ができるのか?

それは、フェアトレードなどの商品を購入する、もっと身近な話で言えば、公共交通機関の利用することが挙げられます。このような消費者としての消費のあり方をエシカル消費(ethical:倫理的な)です。


講演 | 滋賀県のSDGsの取り組み (嶋田 宏之 氏)


今回は、より具体的なSDGsの取り組み事例ということで滋賀県総合政策部企画調整課 副主幹 嶋田 宏之 氏から「滋賀県とSDGs」について紹介をして頂きました。簡単に概要をお伝えしたいと思います。

最初に、

今の生活は持続可能か?誰かを犠牲にしていないか?

との投げかけがありました。

それは人口減少、さらには気候変動の問題など無視できない状況にきています。2000年に比べて、2100年の地球の平均気温は4.8℃上昇すると言われています。

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 滋賀県にはSDGsに通じる、思想や歴史・文化が根付いていることや強みを意識した行動ができるのではないでしょうか?

例えば、

ボランティア活動行動者率が1位、公立図書館1人あたりの図書館貸出冊数が東京都についで全国で2位など全国的に見ても滋賀県の強みを発揮できるところはあると言えます。

これらを踏まえて、滋賀県ではSDGsの取り組みを進めています。

特に、地域ぐるみで子どもを守り育てる子ども食堂は、設置数が全国で1位であることや琵琶湖を中心とした国や県、大学、民間の研究センターが集積していることも挙げられます。

 嶋田さんのお話の中で出できた、アメリカ地質調査所の調査結果では、

地球上には、水が多くあるが、そのほとんどが塩水で、その中でも実際に飲むことができる淡水はごく少量しかない。

とのことでした。

そういう意味でも、水に恵まれた琵琶湖を有する滋賀県は、人と自然にやさしい持続可能な農林水産業として、琵琶湖で生まれたシステムなどは、これからも守っていくべきものとして、日本農業遺産に認定されています。

 滋賀県では、多様なステークホルダーが集うことが必要だということで、SDGsの達成に繋がる担い手育成の場を提供しています。12月より、「アイデアと思いをみんなでカタチに!SDGsプロジェクト創出ワークショップ」を行っています。


実践事例紹介 |SDGsスタジオ受講生

 最後に、Shiga SDGs Studios 2020を受講した学生からのビデオメッセージでは、以下の学生2名による、取材したSDGsの取り組みやプログラムでの学びについてお話いただきました。

・久木 絢香 (滋賀県立大学人間文化学部2回生)
・池田 怜央 (滋賀大学データサイエンス学部1回生)

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発表の様子(YouTube)

SDGsキャラバン@県立守山高校を終えて

今回の講演やSDGsキャラバンを聞いた高校生の感想の一部を紹介します。

SDGsが世界的な社会問題についての大まかな目標であるだけではなく、数値的にまで細かくターゲットが示されリアルタイムで活動が行われているものだというのは知らなかったので、おどろきだった。単に若者中心にSDGsの活動の支援をやらせるのではなくて、ボトムアップ式をとって自らの興味のあることに絞ってやらせるのは自主性を促していけるので、多様なゴールのあるSDGsにふさわしいと思う。また地方によっても得意なテーマやそうでないものがあると思うが、そこで分担して取り組めるのもSDGsのいいところだと思った。SDGsのいう1つのキーワードのもとで今まで関わることのなかった分野の社会問題の解決を目指す団体同士が新たに出会い、協力できるというのはSDGsのもたらした大きな恩恵だと感じた。

貧困をなくすや教育の普及についてなど、授業でやっていることもあり、よく聞く話題だが、なくさなければならないものだとは分かっていても、具体的にどうすればよいか分からず、そこが自分とそれらの問題を隔離する原因だと感じていたので、今回の講演を聴いてとても興味を持った。水の問題に関しても、普段安全できれいな水がいくらでも出てくるから、どこか他人事のように思っていたが、水と地球の写真を見て、普段の水の使い方を見直そうと思った。

SDGsは中学の頃から授業で習っていたので形は知っていましたが、どちらかというと世界的なことが多く、滋賀県がどういう取り組みをしていて、何に向かっているのかを知らなかったので、今日の探究で新たに知ったことを今後の活動に活かしていきたいです。また地球のサイズと水(真水)を比べた図では普段琵琶湖や川と密接に関わっている分、とても少なく感じました。自分たちが何気なくしているムダな水がいかに大切であるかもう一度見直して水の使い方からまずは考えて少しでもSDGsに関われるように、持続可能な社会に貢献できるようにしたいです。


いかがだったでしょうか?

今回の講演を通して、SDGsを少しは身近に感じて、何か自分にできることがないかと考えるきっかけを提供できたのではないかと思います。

引き続き次世代のSDGsアクションを応援していきます。

おわりに

インパクトラボでは、SDGsレクチャーや各種講演・ワークショップ、SDGsツーリング、新規事業立ち上げ支援などをインパクトラボでは実施しています。

興味を持たれた方は、是非インパクトラボのWebサイトをご覧ください。

お読みいただき、ありがとうございました。



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