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大学2年生の「これまで」と「これから」【SDGs表現論DIALOG #5】

「SDGs表現論 -プロジェクト・プラグマティズム・ジブンゴト」書籍化(3/24出版予定)にあたり、SDGsに取り組む大学生・高校生と、書籍の内容をもとに「SDGsに取り組む」ことについて対話する企画が「SDGs表現論DIALOG」です。
 著者である山中 司(立命館大学生命科学部教授)と上田 隼也(一般社団法人SDGs Impact Laboratory 代表理事)とゲストの方々との対話をお届けします。

SDGs表現論は、一人一人が「自分ごと」としてSDGsをどう捉えるべきかについて、考える機会を提示するものです。キーワードは哲学としてのプラグマティズムと、方法としてのプロジェクトです。個々の興味、関心、問題意識は、必ずSDGsにつながるという信念のもと、一人一人がマイプロジェクトを立ち上げ、そこにSDGsを乗せ、まず活動してみることを提案します。戦略的にSDGsの視点を入れ、一人一人が社会を変える主役になるべきことを強く訴えます。2019年度立命館大学教養ゼミナールとして開講され、2020年には大規模オンライン講座JMOOCにて開講し、約5000人に受講されました。

今回は、RIMIX学生スタッフ※として活動している、藤井はるかさんと、久保田玲菜さんが参加したダイアログをお届けします。大学2年間のこれまでと、そしてこれからについて考えながらの対話となりました!

※RIMIXについてはこちらから!


RIMIXは、RITSUMEIKAN Impact Makers Intercross (X)Platformの略で、立命館・社会起業家支援プラットフォームになります。

藤井 私はRIMIX学生スタッフとして活動しています。1年生の時には、国際協力団体に所属しており、カンボジアの農村へボランティアに行きました。その時に、現地で知った貧しさの問題を考えなければと思い、ただカンボジアに行ってよかったと思っているメンバーも含めた、団体に所属する全員と貧困について本気で考えるディスカッションの場を作ったりしました。その後、一時的な支援だけでない、継続的な支援も必要と思い、団体の先輩と一緒にビジネスプランを作って総長ピッチ※にも出場しました。

※総長ピッチ2019についてはこちからから!

RIMIXに所属するきっかけになったのは「ビヨンドコロナプロジェクト」が始まった時に、「留学をしたことがある人の体験をブログにまとめて発信する」というプロジェクトを行ったことです。新型コロナウイルスの流行の関係で、まわりの友人たちが留学に行けなくなったことをきっかけに始めました。

本を読んで、「ジブンゴト」というワードが心に残りました。学生スタッフをやっていると、支援することで満足していてしまう部分もありますが、それだけで本当にいいんだろうか、自分が本当にやるべきことやできることは?ということ考えていて、自分なりに今できることを考える時間を設けなければ、と感じており、例えば自分の今の考えを文章にしたりしています。

山中 そういうきっかけでRIMIXに入ったんですね。私は新型コロナウイルスが流行し始めて、大学で留学中止の対応をしていて、留学の予定が狂ってしまって、いきなり就活を始めなければいけない人もでてきて、申し訳ないと感じていたのですが、ビヨンドコロナで、学生たちの方から様々なアクションがあったことには、いい意味で驚いていました。

やってみなければわからないことは多いので、実際に行くというのは大事だと思います。カンボジアの問題も現地に行ったからこそわかったことがたくさんあったのだと思います。

でも、極めて理想的な状態というか、2年生でそこまで色々なことを考えられて、どんどん行動に移そうとしているのがとてもいいことだと思います。ご自身がおっしゃってるように、行動してみたり、考えたり、やりながら勉強して自分に投資していってほしいと思います。

久保田 私も藤井さんと同じでRIMIX学生スタッフをやっています。きっかけは去年の夏休み頃RIMIXに、「何かプロジェクトをやっていたりする学生とのマッチングの機会が欲しい」というような連絡をしたことです。
以前からフェムテック※という、女性の健康課題をテクノロジーで、解決するという分野に興味があり、そういったトピックのイベントをRIMIXで開きたいと話したこともきっかけの一つだったかと思います。

※フェムテックとは?

https://note.com/hellofermata/n/n67de6061b478

本を読んで、SDGs表現論の授業をもっと早く、1年生の時なんかに受講すればよかったな、という気持ちが湧いてきました。去年の自分は、少人数の授業というか、濃そうな授業は怖いし、ついていけないかも、という思いがあり、避けてしまっていたんです。でも本を読んでみて、こういった授業を大学生活の序盤で受けて、マイプロジェクトを立ち上げて頑張ってみたら、自分のやりたいことなんかをもっと明確にできたのかも、と感じました。

山中 「フェムテック」という言葉は初めて知りましたが、とても良いことだと思います。なかなか男性の理解が進んでいないところでもあるので、なんだそれは?という反応も多いとは思いますが、どんどん発信していけばきっと変わっていくかと思います。
例えば妊娠といったことについて、若者こそ知識が必要だと思うのですが、なかなか理解が進んでいませんよね。
それから女性の健康というと、SDGs表現論の受講生にも、そういった課題に疑問を持っている学生がいたのを思い出しましたね。
SDGs表現論を早く知っておけばよかった、とのことですが、まだ学生ですし、もう遅い、というようなことはなくてこれからだと思いますよ。

久保田 私は大学の中で仲間を見つけるのに今苦労していて、仲間を作るコツ、のようなものをお2人からお聞きしたいです。

山中 難しいことですよね。こうすれば絶対に見つかるという方法があるわけではないし、運もありますし。学部によって学生の傾向も違いうので…でもやっぱりチャンスを作るのが大事だと思いますね。

上田 後輩や、高校生世代をみるのがポイントかもしれませんね。自分より下の世代で、この人は将来的に自分の仲間になってくれそうだとか、似た価値観を持っていそうだとか、見極めるというか、そういうことをしていくと仲間を見つけやすくなっていくかもしれませんね。ついつい憧れの先輩というか、年上に理想を持ちがちですが、ぜひ自分がリードする感じで後輩、年下から探して欲しいですね!

山中 若いと尊敬できる年上を探しがちですが、年下に目を向けるのは案外大事かもしれないですね。

藤井 なるほど。カンボジアから日本に戻ってきてからもワークショップをやったりもしました。ただ、そうした活動の中で、問題意識の薄い人にも届くような活動をするべきなのか、意識を持っている人をターゲットにして働きかけるべきなのか、という問題に突き当たったんです。
RIMIXやSDGs表現論も、どの層をターゲットにするかといった問題があると思うのですが、実際、何か働きかけるときは関心を持っていない層もターゲットにすべきかという問題についてはどう思われますか?私は大講義でSDGsに関する授業を扱うのもいいかな、と思ったりします。

山中 あまり意識を持っていない人に対しても働きかけるべきかは難しいところですね。もやもやしている学生は多いと思うのですが、そういった人の背中を押してもやっぱり自分はいいや…となってしまうことは少なくないんですよね。最低限の意識、のようなものを持っている人に絞るのがいいのかも、とも思いますが、必修的なレベルで扱うのも確かに重要かもしれないですね。今は「自分は行動するチャンスを与えられた」という風に思っている学生は少ないと思いますし、チャンスは与えられたという経験が必要なのかもしれません。

上田 藤井さんのお話しとても興味深いです。私は、「全体に幅広く」より「選択と集中」の方が、新しいことの立ち上げには向いていると思います。何かやってやろうと言う想い、問題意識を持っている人にできるだけベストなタイミングで必要なリソースを提供できるような環境としてRIMIXが機能するととても良いなと思っています!

さいごに

 ここまで、対話の内容を抜粋してご紹介しましたがいかがだったでしょうか。紹介できないない内容もたくさんありますが、意外に知られていない立命館大学の特徴、RIMIXメンバー構成に隠された意図、私立高校と公立高校、様々な話題での対話が行われました。

 もう大学〇年生も終わるころだし、何か新しいことを始めるのは遅いかもしれない…1年生のうちにやりたいことを見つけたかったけれど、まだ見つかっていない…そういった不安を抱えている方も多いとは思いますが、今回のnoteが、もう遅い…と感じる必要は全くないんだ、どんどん色々なチャレンジしていこう!と思うきっかけになれば嬉しいです!

 最後までお読みいただきありがとうございました。インパクトラボでは、SDGs表現論などSDGsに関する講演やセミナーを実施しております。気になる方は、インパクトラボの公式HPから活動をご覧ください。





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