【しがCO2ネットゼロ次世代ワークショップ】DAY5|成果報告会
こんにちは。
インパクトラボの藤枝です。
2022年11月27日(日)にピアザ淡海で、「しがCO2ネットゼロ次世代ワークショップ」のDAY5を開催しました。
DAY5は、DAY1~4までを踏まえて各グループで「CO2ネットゼロ×〇〇」のアイデア発表と個人で「マイCO2ネットゼロ宣言」を発表という二部構成で最終成果報告会を行いました。
しがCO2ネットゼロ次世代ワークショップとは
最終グループワーク
最終成果報告会を行う前に、各グループで発表内容について最終確認を行う時間を10分間取りました。
参加学生は発表内容について話し合ったり、リハーサルを行ったりして本番に備えました。
最終発表
グループ1
グループ1はCO2ネットゼロ×防災の観点での発表を行いました。
地球温暖化によっても引き起こされる災害に着目しました。
一般的に、防災拠点はコンビニエンスストアや体育館になりますが、地域によってはこの拠点を用意することが難しい場合もあります。実際にDAY3のフィールドワークで訪れた長浜市街地の商店街にはほとんどコンビニを見かけませんでした。
そこで考えた提案は「ソーラーパネルを備えた、防災拠点として活用できる自動販売機を作る」というものです。
自動販売機と太陽光発電を組み合わせて有事の際にも稼働できるようにし、防犯カメラやスマホなどへの給電機能、濾過器も取り付けることで防災拠点として成り立たせることができます。
また一般的な飲料を置いたり、通常のデザインの自動販売機にしたりしても地域に根付かないと考え、地元の農業高校と共同で開発をするなどして特産物を用いた加工品を販売し、地域住民から滋賀の街並みに合うデザインを募集することを提案しました。
この自動販売機を設置することで、自治体・消費者・店舗の視点からメリットがあることも説明しました。
グループ2
グループ2はCO2ネットゼロ×農業×ビジネスをテーマに、地域・社会循環型農業の構想を発表しました。
日本はゴミの焼却割合が世界1位、つまりゴミ処理におけるCO2排出の割合が非常に高いのです。また、可燃ゴミの内44.4%は水分量が多く焼却効率の悪い生ゴミであることが問題視されています。
そこで提案するのが堆肥・肥料を作るコンポストの活用に参加することで、地元の野菜購入に使用できるポイントが貯まるCOMPOINTというアイディアです。
利用者が生ゴミをコンポストに入れることで、そこで作られた肥料を地元農家が活用し、そのポイントで野菜が購入できるという仕組みです。
自然豊かでCO2ネットゼロに積極的に取り組んでいる滋賀県らしい取り組みです。
この取り組みを行うことで起こるメリットは、⽣ごみ焼却時と地産地消を推進することで運送時に⾞から発⽣するCO2の削減、農業が活性化されることによる野菜の栽培増加により、CO2吸収量の増加が予想されることです。
また、生ゴミを活用することから起こる臭いの問題や、分解されないゴミが投入されることへの懸念を課題としましたが、可燃ゴミの減少、地域活性化、フードロスへの貢献なども期待できるアイディアになっていると話しました。
グループ3
グループ3は「気づいたら学んでいた!」をコンセプトに、CO2ネットゼロ×アート・教育というテーマでARNETというプランの発表を行いました。
ワークショップエリア創生・コンテスト・の3つを軸とし、子どもを中心とした若い世代・アーティスト・地域が繋がることによってCO2ネットゼロに取り組むプロジェクトです。
例えばアーティストが子どもに対してワークショップを開くことで、アートを通してCO2ネットゼロに関する学び・気づきを得たり、子どもとの触れ合いを通して脱酸素の新しいアイディアが考えられる機会になります。
次にエリア創生についてです。DAY3で訪れた長浜市の黒壁スクエア中心にあったような町屋を拠点として利用し、子どもたちの学びに活かせる、地域に根ざしたエリア創生を行います。町屋の保全や修復には地元の木材を活用することで、CO2の削減にも力を入れたいと話しました。
またDAY2で訪れた多賀町で行ったフィールドワークで着想を得て、小中学生をターゲットにした滋賀県産の間伐材を使用したアートの作成コンテストと中高生をターゲットにしたウッドチップの活用例を競うアイディアコンペの実施も提案の1つです。優秀作品に選ばれたアートはエリアに展示されます。
エリアの活性化や探求学習への利用、座学だけではなくものづくりを通して森林について学ぶことで、CO2ネットゼロについて考えるきっかけになるという効果が期待できると説明しました。
グループ4
グループ4はCO2ネットゼロ×働き方改革をテーマに発表をしました。
温室効果ガスによる異常気象の増加が問題となっていること、コロナ禍によるリモートワークの増加、空き家問題の深刻化の3つの現状について、理想の状態を掲げました。理想は温室効果ガス排出量=吸収量であるゼロカーボンの状態、人々が仕事をしたいと思える環境、空き家のない社会の3つであることで、トータル目標である環境と経済の好循環が生まれるSustainable Shigaを実現させたいと話しました。
そこで提案するのが「廃棄油燃料化事業×空き家コワーキングスペース」の取り組みです。地域で排出された廃棄油を回収・燃料化し、空き家をリノベーションしたコワーキングスペースのエネルギー源に変えます。
東近江市で行われている食用油の原料となる菜の花やヒマワリを栽培し、その油を食用に利用した後に回収・BDF として利用することで、農業農村振興や環境保全・地球温暖化防止を図っていこうとする「菜の花プロジェクト」や空き家でリモートワークができるコワーキングスペースが先行事例として挙げられました。
サービスの提供方法として、独自の福利厚生サービスとしての提供と企業版ふるさと納税の返礼品としての提供という2つの形があり、運営陣・自治体・企業や法人が連携します。低コストでのコワーキングスペース利用や企業の社会貢献、自治体の経済循環などの効果が見込める一方、初期投資や維持費に多額の費用がかかることなどが課題として残っていると説明しました。働き方やエネルギーの観点から環境と経済の好循環を目指した取り組みになっています。
相互評価
最終発表中は各チームに向けてコメントを書き、相互評価を行いました。
ピンク色の付箋にグッドポイント、黄色の付箋にブラッシュアップポイントを記入し、発表が終わった後それぞれのチームの模造紙に貼ることで他のチーム全員からフィードバックがもらえました。
これまでの振り返り
最終発表の後は、司会の窪園よりDAY1-5の振り返りを行いました。
これまでのnoteを参考に、振り返りワークショップの前にこれまで学んできたことや考えたことなどをもう1度見つめ直す機会になりました。
振り返りワークショップ
次に成安造形大学助教の田口真太郎氏がファシリテーターとなり、グループワークと個人ワークの2ステップに分けた振り返りワークショップを実施しました。
グループインタビュー
まずはグループで、DAY1の内容をアップデートした形になる相互インタビューを行いました。インタビュアー・インタビュイー・書記の3人グループになり、今回のワークショップでの学びを語りながら整理し、自己を変える物語を考える機会としました。
マイCO2ネットゼロ宣言
グループインタビューでお互いにプログラムを振り返った後は個人ワークに移りました。ワークショップのゴールとしてDAY1-4の活動とグループ発表を経て、いまの私が考えるマイCO2ネットゼロ宣言を考え、一人一人発表しました。
「趣味を通して脱酸素に対する『きっかけ』をつくる」や「個人から『価値のある消費』を促し、全体のCO2ネットゼロに繋げる」、「地域と世界を知り、クリーンなまちづくりを」などさまざまな宣言があり、発表の際にはそれぞれが宣言に込めた思いを話しました。
閉会の挨拶
閉会の挨拶として、CO2ネットゼロ推進課の山元夏帆主任主事と中村達也総合企画部管理監(CO2ネットゼロ推進課長)からコメントをいただきました。
山元様は「滋賀県では単にCO2を削減するだけではなく、CO2ネットゼロ社会をつくっていこうと考えているので、自身の専門分野を活かした幅広いアイディアがあってよかった。またこれまでのワークショップやフィールドワークの内容が生かされた発表内容で、皆さんが多くのことを吸収したのだなと感じた。若い世代が持つ発信力をこれからも活かしてほしい。」と話されました。
中村監理監は「CO2ネットゼロの取り組みは地域課題を解決する手法でもあるため、
『地域の課題をCO2という切り口でどう解決に繋げていくのか』と考えることがCO2ネットゼロ社会の構築に繋がる。みなさんの発表を聞き、地域や自然を自分側の問題として捉える考え方ができている点が素晴らしいと感じた。これからも若い世代としてCO2ネットゼロの取り組みに参加していただければ嬉しい。」とメッセージを送りました。
最後に
最後はそれぞれが宣言したマイCO2ネットゼロ宣言を持って集合写真を撮影しました。
参加者の皆さん、2ヶ月間強の間お疲れ様でした!
最後までお読みいただきありがとうございました。
本プログラムのこれまでの様子は下記のマガジンにまとめておりますので、ぜひご覧ください。
2023年1月14日にピアザ淡海で開催されるしがCO2ネットゼロフェスタでも、本プログラムの取り組みを発表する予定です。
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