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絆創膏を知らない人に渡した話。no more靴擦れ

駅から勤務先まで10分。
その日はとても気分が良くて
スニーカーを履いた私の足取りはとても軽快だった。

だが目の前を歩く女の人の様子がどうやらおかしい。

3歩あるけば立ち止まり、
足をさすりながら、鞄をがさごそ。
これから面接に向かうのか
ピシッとスーツを着て
パンプスを履いて時計を付けている。

一瞬でピンときた。これは靴擦れだ。

靴擦れを経験した人は
あの小さな傷が信じられないくらいのダメージを与えることをご理解いただけるだろう。
あと一歩も歩きたくない、1秒でも早くふわふわのビーサンに履き替えたい。
この後の予定を全て放り出したくなるほどの凄まじい威力。小さな巨人である。

私はおそらく靴擦れをしやすいタイプで
靴擦れ被害者の会があるなら代表を務めたいくらい様々な靴擦れを経験している。(真顔)

新しい靴はもちろん、履き慣れたスニーカーでも
たまに豆を作ってしまう。
パスタ2.3本の細さのストラップサンダルでも、あざのような傷を作ってしまうこともある。
接着面をいかに最小にしても相性が悪いと靴擦れからは逃れられない。

私調べによると、
たくさん歩いた日より
湿度が高い日に靴の摩擦と
ムレが悪さをして靴擦れ頻度が高まる。

靴と肌が直接擦れるケースが
最も靴擦れを生み出してしまうのだが、
ストッキングを履いていても
皮膚の薄膜がやぶれ
その膜とストッキングの繊維が絡み合ってしまい、とにかくとにかく痛い。書きながらもう痛いほど。


そんな、靴擦れ被害者(推定)が目の前にいて
しかも急いでいて
鞄に入れたはずの絆創膏を探している。

気づくと悩むより先に
声をかけていた。

「 これ、良かったらどうぞ 」

一瞬きょとんとする女性。
流れる沈黙…

やってしまった…見ず知らずの人にいきなり絆創膏を渡すなんて怖がられるに決まっている。
反省して立ち去ろうとした瞬間。

「ありがとうございますっっ!!!!」

大きな声で、そしてぺこりと頭を下げて絆創膏2枚を貰ってくれた。

私の気持ちは
貰ってくれてありがとうございます。だった。

ちなみに被害者の会代表(自称)として
おすすめなのがこちら。

箱を買うまでもない。
でも予備は欲しい。
そんな靴擦れ難民を救う丁度いいサイズ。
ポーチにも収まるし
チャック付きの袋が衛生的でなんともありがたい。
何かあった時に人にもあげられる程よい枚数。

そして正面から見えない箇所であれば
傷口に対してバッテンで2枚貼ると粘着持続力がアップする。

厚手の靴下、保護クリーム(以下参照)
色々あるけれど、辿り着くのはやはり絆創膏だ。
携帯、ハンカチ、リップ、そして絆創膏。
チーム靴擦れの必需品である。
(車やサブバッグにビーサンや折りたたみのバブーシュを備えておくのも◎)

新しい靴を履きたいけれど
靴擦れを通過しないと、足に馴染まない。
移動距離、天気、痛みに耐えうるメンタルかどうか。
玄関で頭を抱える人は少なくないだろう。

これから迎える梅雨は
実は靴擦れが増える時期でもある。


あなたが目的地まで
笑顔でたどり着けますように。
会長はこれからも、
見ず知らずの人に絆創膏を渡していきたい。

no more 靴擦れ(真顔)


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