桜の森、時々満開の下

星野源の『桜の森』という曲がある。
歌い出しはこう

あそこの森の 満開の下は…



森見登美彦の『桜の森の満開の下』というお話を読んだ。
安直なオタクである私はこう考えた。

これは星野源と森見登美彦、関係しあっているのか?

どうやら坂口安吾の『桜の森の満開の下』のオマージュ小説らしい。
原作の方も読んでみた。


多分星野源と森見登美彦、関係ない。
森見登美彦の小説はなんか不思議な怖い話だったし、元ネタの坂口安吾の話はもっと怖い話だった。
星野源の『桜の森』には満開の木の下に女の幽霊は出てこないし、最後に怖くなって幽霊を絞め殺しもしない、ポップで明るい曲だった。



星野源の『桜の森』という曲がある。
曲のイントロは薄いシンバルの上でストリングスが軽快なメロディを刻む。本格的にドラムとベースが加わり、気がつけばそれはベースラインとなり曲が展開していく、というのが収録された音源のあらすじだ。


先日オンラインライブ「Gratitude」が配信された。
『桜の森』が披露されたのだが、ライブ版『桜の森』は圧倒的に優勝していた。

曲のイントロ。河村カースケ智康がハイハットシンバルを刻み、その上に星野源と長岡亮介がギターをのせる。
だんだんとピアノ、ベース、フルート、MPCが加わっていく。
盛り上げ方最高じゃんね!!!
イントロクソやべえの2020年優勝候補でしょ!!!


アウトロも優勝していた。
各々〜!好き勝手にやっている、ように見えた。
いや、かなり好き勝手にやっていると思う、ただ1人を除いて。
イントロと同じあのラインを、ベース担当ハマ・オカモトはひたすら死守。
ループを重ねるごとにどんどん変貌する曲をあのベースラインだけで「あぁ、『桜の森』だ」と思わせる。
もしハマ・オカモトが急に演奏をやめたり「やっぱり俺も暴れた〜い!!」と言ってアレンジを入れ始めたら、もうそれは『桜の森』ではなくなってしまうのだ。


なんだか感動してしまった。
アンサンブルでも1本の楽器で、1人の演奏者で、曲の運命って決まるんだなあ。


あと各々〜!!のバンドメンバーの魅力を最大限に引き出せるこの曲をかいた星野源は間違いなく優勝しているし、誰がアレンジを考えたのか知らんけどアレンジャーも優勝しているし、バンドメンバーも優勝だ。


次の日曜日までアーカイブが残るようなので十分に満喫したい。

全然桜の季節じゃないけれど。

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