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災害時、現場最前線で頑張る人への応援とは? ~2011.3月に書いたこと~

 
東日本大震災から9年経ちました。大震災直後に書いた投稿を読み返すと、新型コロナウイルス対策に追われている現場最前線の人達への応援にもつながるんじゃないかと思いました。
その投稿を再掲載します。(掲載ブログは閉鎖済)


【再掲1】2011.3.22 ~乗り鉄ならば、乗り鉄らしい支援の仕方があるだろう~


支援の相手を特定して、募金してきました。
相手先は、福島県いわき市。地震の被害+東京電力福島原発の事故による被害が甚大なところ。
地元の山陰合同銀行から入金しました。
ごうぎんの行員さんは「確かにお預かりいたしました。責任もってお届けします。」と言葉を添えて深々と一礼。
胸にじんときました。

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なぜ、いわき市か?

平成15年にヨーロッパを旅したとき、同じツアーにいわき市役所職員Nさんがいらっしゃいました。
まちづくりをテーマにしたツアーで、ヨーロッパの元気な街をたくさん見てきました。

その折に、親しくなったNさん。小名浜港の担当をされていると仰ってました。それ以来、時折お便りを交わしています。
 商工、労政、観光にと大活躍されている様子を伝聞し、またいつかお会いして、元気をわけていただきたいなと思っていたところでした。

 震災後、連絡を取ることはしていません。ご自宅は30キロ圏内のすぐ近くと聞いてます。きっと今は市役所の最前線で、市民の安心安全を確保するために獅子奮迅の活動をなさっていることでしょう。
そんなNさんを応援したいから、いわき市。

それも、未来に向けて元気を出してほしいから災害復興資金として送りました。


 私の勤める会社は島根県松江市にあります。福島原発と同じ型の原発である中国電力島根原子力発電所は松江市にあります。自宅から20キロ圏内。いわき市の被害は他人事ではないから。 
 

なぜ、57,310円という中途半端な金額なのか?


私はサラリーマンですが、鉄道や映画に関する写真撮影&ライター稼業と農地があり、毎年確定申告をします。小規模な事業であり、経費の方が多く、また各控除を後から追加するので還付になります。その還付金を次の取材旅行の軍資金に充てています。

 今年は、青森鰺ヶ沢のブサかわ犬「わさお」に会いに行くことにしていました。出雲から大阪経由で特急日本海、五能線、帰りは新青森からグランクラス。東京からサンライズ出雲。そんなコースを企てていました。

が、今回の震災で年内のわさお訪問は難しくなりました。
そこで、出雲から青森行って帰る交通費を、支援金に充てることにしたのです。


どうせなら「怪しい乗り鉄」らしく誰も考え付かないコースにしよう。
不謹慎だなと思いつつ、でも西日本在住の鉄道ファンが元気を出さなきゃ、日本の経済立ちいかないぞ!と思いなおし・・・

「わさお」といわきのNさん、鉄道仲間のAさんのところを通り、出来るだけ長い距離で、太平洋側の町を回れるようなコースにしよう!
ということで作ったコースと運賃、料金です。地図を片手にご一読くだされば幸いです。

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これだけ長い旅なら、宿泊代や食費も掛かるだろう、それも募金したらというようなご指摘もあろうかと思います。
 他にも支援したい自治体さんがあるので、宿泊代や飲食費はそちらに充てたいと考えています。

このコースの旅を、ぜひ実現させたいと思っています。その時には、東北の美味しいものをたくさんいただいて、お金を落とすことが一番の復興支援になるというのが持論です。
 被災地の復興を心よりお祈りし、ほんの僅かですが支援の気持ちを表すことにします。



【再掲2】2011.3.29 応援の気持ちが自分にも返ってきた

職場の先輩のUさん、宝塚の大ファンで全国にお友達がいらっしゃいます。
私がいわき市とのご縁を話すと、「絶対に本人に応援メールするべき!」と強力プッシュ。

「でも、メールとか送ると、先方の手をとめちゃうでしょ。心苦しいから止めとこう。」と話したら

「あら、だめよ~。ちゃんと見てるのよ。阪神大震災の時もそうだったのよ。当事者は忙しくて直ぐには返事できないけど。メッセージに励まされたって皆さん言ってから。『義援金送りました』って連絡しなさいね。」とアドバイスしてくれました。

Uさんの後押しもあって、いわき市災害対策本部のアドレスに送金通知メールを送りました。
その文面はこんなものでした。


「いわき市のNさんと、以前、欧州の街づくりを見に行きました。それからのご縁です。街づくりに意欲を燃やされていたNさんの応援になればと思い少しですが、義援金を送りました。返信は不要です。その手間が有りましたら、市民の皆さんへの支援をしてください。皆さんに一日も早くご安穏な日々が来ますように」


 
そしたら、今日のお昼休み終了直前、「お~い!いわきから電話!」とG先輩。
ドキドキして受話器とったら
「Nです。義援金送ってくれてありがとう。信じられないよ。うれしいよ。」
声を聞いたとたん、涙があふれてあふれて、上手く喋れない。

「Nさんご無事だったの!ホッとした。大丈夫?お忙しいのに、わざわざ電話して下さったの?ほんの少ししか送れなかったけど、応援の気持ちだから!」
そう話すのがやっと。

「津波でね、100人くらい亡くなった地区もあるんだよ。でもね、いわきは、がんばるからね。ホントにうれしかったよ。元気貰った。ありがとう。」


「いわきが落ち着いたら、出雲のお土産もって遊びに行くから、絶対に呼んでね。ごちそうしてね。それまで元気でね」
受話器を置くなり、へなへなと椅子に崩れ落ち、鼻セレブが離せないほど、顔面ぐちゃぐちゃ。

返信不要って書いていたのに、、、、まさか、まさかの電話。Nさんの喜びと使命感がひしひしと伝わってきました。
その一部始終を見ていた同僚達。自分のことのように喜んでくれました。いい同僚に恵まれたな~。。


もし、あなたの知り合いで、被災地の市役所・役場に勤めている人がいるなら、メールで結構です。応援メッセージ入れてください。
返事は直ぐに来ないかもしれません。でも、ちゃんと見てくれています。励みにしてくれています。災害時は、自治体の職員が、元気になって復興の先頭に立たなきゃ。その活力の源は、友人知人からの応援ですよ。


★2019.3.11 震災後9年、新型コロナに振り回されてるけど・・・


2年前にNさんがお友達を連れてプライベート旅行で出雲に来てくださって、一献傾けながら震災後のお話を伺いました。

「いただいたメールで、頑張れました。もちろん支援金もありがたかったです。でも言葉のほうがずっと嬉しかったですよ。」


新型コロナウィルスの拡大を防がなきゃならない!でも終息の時期は全く解からない、、、、、殺伐とした話題や閉塞感が漂っています。

そんな中で、「癒された」「素敵なエピソード」として拡散されている話題は、誰かが誰かを思いやっていることが多いように感じました。


Nさんと出会ってから17年になりますが、今も折に触れてやり取りが続いています。

サポートを検討してくださってありがとうございます。そのお気持ちだけ受け取らせていただいて、出雲駅伝主催者の出雲市が作った「出雲駅伝タオル」をご紹介させていただきます。 https://www.izumo-ekiden.jp/towel/index.html