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#526 すこし泣きそうになった日


「LINE、交換しませんか?」


美味しいスイーツ食べよう!と行ったあんみつ屋さんで、食べながら楽しく会話をして、お店を出て歩きはじめたとき、ふいに彼女から発せられた言葉。

予想もしていなかったから、そのひとことを聞いてなんだかとても嬉しくてすこし泣きそうになった。ずっとそうしたい、そうなったらいいなぁと思ってはいたけれど、わたしからその言葉をいうことにはどうしてもためらいがあった。

なぜなら、わたしは彼女のファンでもあるから。
彼女の描くイラストが好きで、SNS上やイベントでコミュニケーションを取るようにはなっていた。

「いもむしさんとは趣味が合いそう!」

そう言ってもらえるのも飛び跳ねたくなるくらい嬉しかった。

でもファンだからこそ、こんなに近づいていいのかな、距離感は必要だよなという気持ちが心の奥底にあって、嬉しいのにときどきぼんやりと考え込んでしまっていた。まぁ、連絡ならXのDMでもやり取りできるしな〜というのもあった。
話したり文章でやりとりするときも、気持ちが定まらなくて敬語とタメ口が混じってしまったり。大切にしたいからこそ、うまくできなかった。


徐々に"お客さん"という立場以外でも会う機会が増えてきて、話すたびやっぱり楽しくて、これからも仲良くできればいいなと密かに思っていた。
出会ってから2年ちょっと、周りで見ている人からしたらなんてことないことかもしれない、なんで今まで交換してなかったの?くらいに思われるのかもしれない。

この歳になって、こんなふうに思える友人に会えると思っていなかった。これからもこの関係を大切にしていきたいな。


彼女はどう思っているかは分からないけれど、LINEなんていまや子どもの学校関係でお母さんたちと繋がるとか家族間でしか使っていないわたしとしては、とにかくここ数年でかなりの上位に入るくらい嬉しかったので、書き残してみた。

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