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記事・論文紹介:mRNAワクチンによる認知症発症率の増加

今日は気になる記事を見掛けたので、元の論文と併せて紹介しておきたい。記事と論文は以下のものである。

「A potential association between COVID-19 vaccination and development of alzheimer's disease」
(QJM. 2024 May 28:hcae103.)

論文はQJMというそこそこの雑誌に掲載されており、研究内容も症例報告ではなくコホート研究で有意な差を算出しているのでそれなりに意義がある。何よりも驚きなのは、核酸ワクチン接種によって高齢者における認知症発症率が有意に増加するという結果である。以下は記事から抜粋した結果の概要である。

ソウル市在住で65歳以上の55万8017人を対象に、mRNAワクチン接種グループと未接種グループに分けた上で、国民健康保険データを利用して両グループ間の発病率の差を分析した。その結果、mRNAワクチン接種者の軽度認知障害発病危険度は未接種者に比べて2.38倍高かった。アルツハイマー型認知症の発生率はワクチン接種者の方が23%高かった。

この結果は核酸ワクチン接種と認知症発生率の増加との間に潜在的な関連があることを示唆している。特に通常のワクチンに比べてRNAワクチンで有意な差を認めたという事実は核酸ワクチンが引き起こす特有のリスクを浮き彫りにするものだろう。筆者らも考察として、ワクチンによって誘発される免疫応答と神経変性過程との関係を明らかにする必要を提唱している。

免疫系というのは神経系とも強い繋がりがある。核酸ワクチンによる異常な免疫系の活性化が上記の様なリスクに繋がるのだとすれば、非常に恐ろしい事である。メカニズムなどについてはまだまだ不透明な部分が多く、現象としてもどのくらい再現されるのか不明だが、コホート研究でリスクが示されているというのは一定の意義を持つ為、要注意な事項だと言えるだろう。核酸ワクチンについてはギランバレー症候群など神経に対する自己免疫反応を危惧させる症例報告が存在するが、その様な現象との関連も考慮すべきかもしれない。いずれにせよ、リスクベネフィット比較をする上で必要な情報であり、詳細な機序や条件の解明は高齢者のみならず若年層における長期的・潜在的な評価も含めて重要である。

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