自由意志はあるか?に対する量子脳科学の考え方が面白かった。

結論


・機械的なシステムやアルゴリズムで決まっちゃうなら⇨自由意志なんかなく、単なる物理現象となりそう。
・心が量子状態の影響を受けるなら、量子状態は観測されなきゃ状態が決まらない⇨意識は量子状態を観測することで決定する⇨自由意志がある。

意識の主流の考え方 vs 量子脳科学


意識の学問 (Theory of conciousness)の主流の考え方は、4種類あります。詳しくは "Theories of consciousness" (https://www.nature.com/articles/s41583-022-00587-4 )という論文で。
これに対し、主流じゃない考え方として、量子脳科学というのがあります。脳みその微小管という細胞の中にある小さな構造が量子力学的に作用して意識を作ってるんだという理屈です。

意識の主流派ではないですが、量子脳科学は、かなり人気の理論です。大量の論文を一流の研究者が出し続けてる分野です。
正直、私は、なぜ量子脳科学の人達は、こんなに怪しいと言われてる理論を支持するのかがわからなかったです。

量子脳科学の論文を読んだ

"Why the Quantum Brain?" (https://www.lidsen.com/journals/neurobiology/neurobiology-05-03-103 )という論文を読みました。

正直、「自由意志」について色々書いていたので、最初はスピリッチュアルな話かと思いました。そういう論文って意識の研究にはたくさんありますから。
でも、読んでみると、「量子力学は観測前は確率的にしか情報が決まらないから、機械的な物理法則でしかないという自由意志不在論に対抗できる」というようなことが書いてありました。 (私の誤読かもしれませんが)

意識の科学という学問のモチベーション

そもそも、意識の科学では、「クオリア」などのあるのかどうかすら確立されていないものを対象にしたりします。
ですが、私としては、クオリアを実際に主観的には感じているので、あるんじゃないかなと思っています。そこに意識の科学のモチベーションを感じています。
ですので、「自由意志が無い理論はおかしいはずだ」という人たちがいて、熱狂的に量子脳科学を探索するというのは、そういう人たちのモチベーションから見たら確かに尊重されるべきだなあと思いました。

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