見出し画像

目から鱗なヘアーインディアの子育て

少し前にこちらの本を読んだけどとんでも無く面白い。

自分の育児に対する考え方や人生の見方が限られた範囲にあることを感じました。世界には様々な民族が存在し、様々な家族の考え方もあります。子供の能力は環境によって形成されることを再認識しました。


4歳で薪割りをする女の子


例えばカナダのヘアー族では4歳の女の子が斧で薪割りをしていて親は危険なものを避けるのでは無くて使い方を覚えさせることに重点が置かれてる。
六畳の部屋の真ん中に薪ストーブがあるけどハイハイ歩きの赤ちゃんにはあえて触れさせて危ないと知らせる。-50℃の気温の中寒くても泣くと鼻が取れるので泣くのを我慢する3歳児等が描かれている。

いろいろな民族がいて、いろいろな子育て観があることを知る。

インドネシアのアスリ族は家族は運命共同体ではなく子供が街で小遣い稼いでも基本親に渡すことなく自分が独立してお金持ちになっても貧困な親の面倒は見ない。イスラム教徒で家族が助け合った所でアラーが思し召した運命を変える事ができないという考え方。人に指図もすることはなく究極の個人主義だ。

オランジャワの人々は静かで丁重な身のこなしを何よりも大切にしていて5、6歳でも声を荒げた喧嘩は許されない。街で喧嘩している子供がいたら体を張ってお互いを引き離して止める。ケンカの理由は関係なくとにかく引き離すだけ。一方でヘヤー族は子供の喧嘩をショーと捉えており喧嘩する側も見られる

ことを意識する。 まだ読んでる途中だけど本当に目から鱗ばかり。やっぱ子育てって「こうじゃないとダメ」とか、これしなければ勝ち組()になれないとかみたいな情報ばかりに接してると考え方が凝り固まってしまうし自分も疲れる。

ヘヤー族は子供を自分で育てないとダメという意識がない

ので、良く養子に出す事がある。新生児から15歳まで養子に出す年齢は様々。体力がある夫婦は新生児を養子にもらうし衰えを感じる夫婦は5-6歳の子を貰うらしい。極北で娯楽が極端に少ないので子育ては負担というより楽しみと賑やかし。養子に出されても生父母を知っているので儀礼的なことは全て生父母と行う。5歳ぐらいの子でもこの家が嫌になったと言ってほかの家族のテント(彼らはずっとテントでキャンプ暮らし)にふらりと言って暫く帰ってこないみたいな事があるらしい。

何もかもが日本の子育てと違いすぎるというか、目から鱗すぎる。
こんな事もあるのか!と膝を叩くような事ばかりで、「母性神話」「三歳児神話」、子供は親が育てるのが良いに決まってる、丁寧な子育てじゃないとダメ、とかとか私たちを縛り付けている呪いは一体何だったんだろうと思わずにはいられない。

子どもの文化人類学 (ちくま学芸文庫)
https://amzn.to/3qBYcDW


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?