アートの秋
gotoにあやかり、瀬戸内海の島へ
女子旅に出かけた。
アクセスは上船が必須の為、
プランを立てるにはまず船の
時刻表とにらめっこになる。
計画実行にはそれなりの覚悟と
勇気がいる(大げさ…)。
それでも、
ずいぶん前から直島探訪を
熱望していた。
さらに泊まるならベネッセハウス。
と、贅沢な夢を見ていた。
おかげさまで、
その贅沢をついに実現できたのだ。
船はまず直島のお隣である豊島(テシマ)に
向かう。
豊島もまたアートが点在するところ。
レンタサイクルで、山道を疾走する。
収穫を終えたオリーブ畑を通り過ぎて
まずはランチ。
地野菜ふんだんの島定食をいただく。
のんびりゆったり島時間が流れる。
普段いかにあくせくと時間に
追われているのがわかる。
いつも感じる時の流れと全く違うのだ。
豊島美術館は、
とにかくずっと立ち止まって居られる
素晴らしい場所。
旅の始まりから、ワクワクする
異空間の体験だった。
夕方、いよいよ直島へと上陸を果たす。
アイコンであるカボチャのオブジェなど
島のあちこちにアーティストの作品が
鎮座している。
今宵の宿、ベネッセハウスもまた素晴らしい。
美男美女ぞろいのスタッフの
恭しいサービスに気分は上々。
夕食は島の居酒屋に行こうと
ホテルを出たが、
数少ないお店は軒並み満席か
休業で、たまたま見つけた小さなバーで
空腹を凌いだ。
バーのマスターは、
直島在住3年の風来人で、
なかなかアーティスティックな
生き方をしているひとだ。
安定か冒険か。
死ぬこと以外かすり傷。
そんなようなことをだらだらと
おしゃべりしたひととき。
ベネッセハウスに戻ると
ラウンジでぼうっと本を眺めながら
夜長をたのしんだ。
翌日もアートを巡る1日。
気持ちよく目覚めると、
バルコニーから日の出を愛でる。
旅友が淹れてくれた煎茶の
美味しいことといったら…!
時が止まればいいのに、
とお茶を啜る。
視界の先は息を飲む空の美しさ。
朝からレストランのテラス席で
贅沢な朝食タイム。
グリーンサラダは、
小豆島産のオリーブオイルと
直島産のソラシオをハラリと
かけていただく。
パキっとした粗塩がなんとも美味。
ご馳走の後は、海岸を散歩して
穏やかな海を眺める。
自然美を堪能して、
まずはベネッセミュージアムへと
山道を歩く。
整然と並ぶウルトラマンや
計算されて置かれたであろう流木などなど…
タイトルなしでは
何を表現しているのか
読み解けないよね、と
友達とくすくすしながら
まわった。
次に訪れた地中美術館もまた
洗練された場所だ。
チケットセンターから
緩やかな上り坂をしばし歩いて入場する。
はじめはこの距離がピンと来なかったのだが、
あとでこの坂が肝心な空間であることが
わかるのだ。
現代アートを体感するのは、
初めてだ。
こんなに素晴らしい
エンターテイメントだとは、
夢にも思わなかった。
ジェームズ・タレルのインスタレーションは、
特に筆舌に尽くし難い。
大好きなキューブリックの映画の
世界に迷い込んだような、
異次元を体験した。
印象派の巨匠モネの空間も
すごかった。
天井から注ぐ太陽光のみが
作品を照らし、また至近距離で
鑑賞することができる。
絶妙な色合いに感嘆する。
曇りの日や雨の日だと、
きっと見え方が変わるのかも知れない。
昨夜のバーのマスターが、
島の美術館は100回以上訪れていると
話していたことに、なるほど合点がいく。
お土産ショップで手に取った
コムデギャルソンの香水が、
この美術館にふさわしい不思議で
爽やかな香りだった。
いつか再訪した時に買おうと、
今回は買わずに棚に戻す。
(高価だったこともあり😂)
さて、行きに歩いた遊歩道。
池…睡蓮…柳…
そうか!
この小道はモネだ!
カメラにモネの世界がおさまった。
美術館を後にして、
港に戻る。
草間彌生「南瓜」の内部まで潜入。
フェリーの上から南瓜に手を振り、
直島に別れを告げる。
滞在中はずっと快晴で暖かく、
満足度99%の旅になりました。
残りの1%…
島の居酒屋で郷土料理と
日本酒🍶をいただけなかったのが
悔やまれる…。
きっとまた、
今度は子供達連れて行こう。