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【ホラー小説】Fall down 8 scrap"F"

 雨を降らせて殺された龍。
 日本各地に伝わる旱魃から人々を救うために雨を降らせて殺された龍の伝説。僧侶と龍が登場する場合が多い。
 我が国では今昔物語集、本朝法華験記等数多くの書物に同様の記述が見られ、平安時代にはすでに語られていた痕跡が残っており、中国や龍を神として信仰するアジア諸国にも類話とみられる伝説が残っている。

 愛知県一宮市に伝わる伝説。
 ある時、弘法大師が雨乞いをしたがどうしても雨が降らない。
 弘法大師は植物のカヤで龍の形を作ったところ、カヤ人形の龍が動きだし「私たち龍は、龍王に雨を降らせることを禁止されているのです。もし、雨を降らせてしまえば殺されてしまう」と言った。
 弘法大師は、もし雨を降らせてくれたらお前が死んでも神として祀ろうと約束した。
 弘法大師は硯にあった水を地面に撒いたところ、龍は雲を呼んで雨を降らせた。
 すると、雨を降らせていた黒い雲の中から体を引きちぎられた龍の遺骸が地上へ降ってきた。
 弘法大師は龍の遺骸を集め、神として祀ったという。

 千葉県印旛沼に伝わる伝説。
 昔、印旛沼周辺に小さな村があった。
 印旛沼に住む龍は人間の姿となってたびたび村を訪れては人々との交流を楽しんだという。
 ある年、ひどい旱魃に襲われたが、村人たちの雨乞いは天に通じず、作物はひどい有様だった。
 それを見かねた龍は恩返しとして、雨を降らせることを約束した。
 しかし、龍神が雨を降らせることを禁止しているために、自分が雨を勝手に降らせれば殺されて亡骸が地上へ投げ捨てられるだろうと話した。
 まもなく、雨が降り出した。
 村人が喜んでいると、龍は天に昇り、雨を降らせている黒雲へ姿を消した。すると稲妻が走り、その光の中で龍の身体が引きちぎられ、空から降り注いだ。
 村人たちは命を投げうって村を救った龍を思い、頭、体、尾をそれぞれ寺に納めて祀ったという。

 雨を降らせて殺された龍の伝説はこのほかに奈良県等各地で言い伝えられている。

 ファフロツキーズ現象事例 3
 1867年3月、アメリカ合衆国ケンタッキー州で空から肉片と血が降り注いでいるという通報がされた。
 州警察が現場に臨場したところ、周囲に大量の赤い肉と血液が散乱していた。
 調査したところ、4キロ平方メートルに及ぶ範囲で空から降り注いでいたことが判明した。
 後にケンタッキー肉の雨事件と呼ばれ、一説には猛禽類が食べた肉を吐き出したものであると言われているが、肉片の総重量は推定10トン、血液の総量は数百リットルを超えるとされており、猛禽類説には疑問が残る。
 一体何の肉だったかは現在も不明のままである。

 1890年、イタリアのカラブリア州で真っ赤な血の雨が降った。
 強風で引き裂かれた鳥のものではないかと噂されたが、裏付けとなる強風も鳥の死骸も確認されなかった。
 あたりには強烈な鉄と生臭い匂いが充満しており、無数のハエが飛び回っていたという。

 2001年7月、インドのケーララ州で赤い雨が降り注いだ。
 雨を採取して分析したところ未知の菌類の胞子、その他に動物の細胞らしき物質が確認された。
 細胞については全てのDNA情報が激しく損傷しており、他の生物等との照合が不可能であった。

 2011年9月、中国雲南省で空から肉塊と血が空から降り注ぐ事件があった。
 肉塊は平均30キロ近い状態であり、肉塊の多数は湖に降り注いだが、一部は倉庫等に落下したため、屋根を破壊して床に衝突し物的被害を出した。
 倉庫に落下した肉塊は腐敗等はしていない状態であったが、湖に落下した肉塊は回収できなかったため、数日後腐敗した肉塊が湖岸に大量に流れついた。
 肉塊はミンチ状にした肉を合成肉のように固めたような状態であり、何の動物の肉であるかは判別することができなかった。

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