見出し画像

ユーラシアプレートの最果てから

湧き上がる大地の熱い熱気を、爽快な滝と青い氷河が冷ましてくれます。「煙がたなびく湾」という意味の、世界最北にある首都レイキャビク。ここは、北極圏に位置するアイスランド、人口およそ34万人。人口よりも多い観光客が訪れる観光大国です。

その観光客が訪れる場所の一つが、総人口の約65%が暮らす首都レイキャビク(首都圏含む)の北東50kmにある、シンクヴェトリル国立公園

古代アイスランドの人々の歴史と文化が込められている、シンクヴェトリルの自然環境は独特です。草原の沼地帯は、多様な生態系で形成されており、アイスランドは1930年、シンクヴェトリルを国立公園に指定しました。

シンクヴェトリル国立公園

シンクヴェトリル国立公園内には、多くの地名があるのですが、その中の一つ、ペニンガギャウという、人々が祈りを捧げれば願いが叶う泉があり、訪れる観光客が小銭を投げ、祈りを捧げる痕跡が残ってます。

祈りの場のペニンガギャウ

シンクヴェトリル国立公園内の渓谷の頂上に登れば、地理的環境を一目で見ることができます。公園内を流れるオクスアルアゥ川がオクスアルアゥルフォス滝となって、湖に注がれます。アイスランドで一番大きい湖、シンクヴァトラヴァトン湖の壮大な景観が目に飛び込んできます。古代のアイスランドの人々が今日に残してくれた、そして、これからも次世代に残さなくてはならない貴重な巨大自然資源です。

シンクヴァトラヴァトン湖の北側には、大西洋中央海嶺の地上露出部分があり、なんと東にユーラシアプレート、西に北米プレートが広がっており、大地の裂け目が見られ、独特な岩肌を眺めることができます。

大西洋中央海嶺

また、ユーラシアプレートと北米プレートの境にあるシルフラはラングヨークトル氷河の雪解け水で淡水、その透明度は100mを超えると言われ、日本ではあまり知られていませんが、ダイビングの絶景スポットです。

シンクヴェトリル国立公園は、930年にノルウェーからの移住者により、世界最初の民主議会「アルシング」が開かれた平原としても有名です。民主的な島全体の集会、全島集会を議会とするなら、中世の身分制議会ではなく近代議会が存在していたことになります。

930年に、です。

にわかには信じがたいほど驚きです!アイスランド憲法が制定され、議会制民主主義が確立した「アルシング」が開催された場所に、現在は国旗が掲揚されています。そして、参加者がキャンプを張った場所は、全ての人々の渓谷という意味のアルマンナギャウと呼ばれてます。

2004年には世界文化遺産に登録された

 シンクヴェトリル国立公園

 ユーラシアプレートの果てで生まれた世界最古の民主議会、現存する多くの主権国家の始まりを見ながら、この世の果てから、新たな夢と希望をもらえました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?