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富士山にそっくり山(さん) ③マオリ族の聖地より

前回に続き今回もニュージーランドで、富士山そっくり山を見に行きます!ニュージーランドにはもう一つ、それも個人的にはタラナキ山よりもそっくり山に見える山があります。

タラナキ山のあるエグモント国立公園から東へ。
北島の中央に位置するトンガリロ国立公園。マオリ族の聖地であり、ニュージーランドで最古の国立公園です。
マオリ族を知らない人も、オールブラックスの異名を持つラグビーニュージーランド代表が試合前に行う踊り「ハカ」はご存知かもしれませんね。
あのハカはニュージーランドの先住民族マオリ族の、伝統の踊りなのです。

偉大なマオリ族の首長、ホロヌク・テ・ヘウヘウ・トゥキノ4世は1887年、霊山として崇めてきた聖地、このトンガリロ国立公園を寄進する決断をくだします。18世紀にイギリスの探検家ジェームズ・クックが、ニュージーランドの調査を行って以来、次第にイギリス人入植者が増えると、土地をめぐる争いが絶えなくなり、1300年以上も昔から暮らしてきたこの聖地を、英国女王に寄進して自然保護を求めたのです。

当時は2,640haほどの面積をニュージーランド最初の国立公園となる予定が、だんだんと面積が広がり、今ではトンガリロ国立公園は79,000ha以上の面積となっております。

トンガリロ国立公園には、氷河によって形成された地形や、火山地形が見られる希有な地で、雨林地帯から不毛とも言える氷原地帯に至るまで、多様な動植物が生息している特徴ある自然に恵まれた、美しい景観を誇ってます。

ところがこのような美しい地上とは裏腹に、地底では溶岩が眠っているマグマ地獄です。

死火山地帯や湖、多様な動植物も見れますが、一番の見どころは公園内を北から南に一直線に並ぶ、溶岩によって噴火した活火山トリオではないでしょうか。

一番北にある、標高1,968mのトンガリロ山は、マオリ族の首長達が埋葬されているマオリ族にとっての一番の聖なる山。
一番南に位置するルアペフ山は、標高2,797m!北島で最高峰の山。頂上付近の火口に火口湖が形成される複合成層火山。巨大なクレーターを見ることができ、そこには驚く光景が広がります。映画「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地として使用されたことでも有名です。

そして真ん中に位置する標高2,291mのナウルホエ山。約2,500年前に形成された火山と推測されており、火山トリオの中で最も若い火山ですが、世界的にも火山活動が最も活発な火山としても有名です。山頂からは北側にブルー湖、南側の麓にはタマ湖を見下ろすことができます。

このナウルホエ山、よく見ると(よく見なくても)、とっても似てませんか?日本が世界に誇る、日本一の山、富士山に!

富士山にそっくり山のナウルホエ山

円錐形の姿の成層火山がそっくり山ですね!
山頂から湖を見下ろせるのもそっくり山ですね!
山頂付近が雪に覆われる姿もそっくり山!
そして
国立公園に指定されていることもそっくり山ですね!

ナウルホエ山にそっくり山の富士山

1897年自然保護を求め、ホロヌク・テ・ヘウヘウ・トゥキノ4世がマオリ族の聖地を寄進してから7年後の1894年、ニュージーランドで最初の国立公園に制定されたトンガリロ国立公園は、ホロヌク・テ・ヘウヘウ・トゥキノ4世の努力が実を結び、約100年後には、ユネスコ世界遺産に登録されました。

1990年地質学的、生物学的に興味深い場所であり、噴火の歴史の状態が良好で自然研究に適していることなどから、世界自然遺産に登録され、

1993年には、マオリ族の文化と精神的遺産が、今も多く眠る聖地としての価値が認められ、世界で最初の「文化的景観」という概念を適用されながら、世界複合遺産に拡大登録されました。

富士山が、日本人にとって心の支えになっている霊山としての価値を認められ世界遺産に登録されたように、マオリ族にとっての文化的、精神的に重要な意味を持つ山々がトンガリロ国立公園として、世界遺産に登録されていることも共通する部分として、そっくり山ですね!

そっくり山シリーズはこちらから↓


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