「SDGs」の奴隷となる企業たち

SDGs とは…

みなさま、SDGsはご存知でしょうか?

JAPAN SDGs Action Platformでは、以下のように説明があります。

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

なぜ、猫も杓子も「SDGs」か

さて、なぜ省庁も、企業も、自治体も、学校も、どこもかしこも「SDGs」を取り上げるのか、と言えば、みんなレールを引かれるのを待っているからです。

以前に、大阪府で民間企業の社長向けにSDGs勉強会の講師をしたことがありました。SDGsビジネスを創出するという立て付けでしたから、第1回目には①各社のミッションを深堀りし、②例えば、2050年に目指す社会像を明確にする、そして、③それらをSDGsに位置付けるという仕方で進めていましたが、圧倒的多数の参加者は、②が出来なかった。自社のミッションは明確にあるが、それらがどのように社会に良い影響を及ぼすのか、及ぼそうとしているのかがイメージできないわけです。

そういうわけで、大方の企業がとにかくSDGsの各ゴールを今の事業に紐づけるということしかできない。数多ある民間企業は、SDGsに紐づけようと思ったらいくらでも紐づけられます。食品メーカーだったら、ゴール2「飢餓をゼロ:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」に関わりますし、福祉の企業であれば、ゴール3「すべての人に健康と福祉を:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」に関わります。ただ、関わるだけの話です。でも、本質的に言えば、紐づけだけでは意味がないと考えています。

既存事業をSDGsに紐づけている企業

2100年や2050年を見据えた時に、社会がどのようになっていたら良いのか、その社会を実現するために社として何をしていくのか、それをSDGs という「共通言語」を活用し、会社の役割や事業をゴールの中に位置づけるのであればわかりますが、ほとんどの会社がSDGsに既存事業を紐づけている。SDGsは2025年までに国際社会でコミットするべき目標です。SDGsにしがみついている企業は、きっと次の〇〇Gs に紐づけを行う、また次も同じように、、、、自分たちで企業や事業の方向性を定めずに、国際社会が決めた〇〇Gs にすり寄って、ブランディングしている企業があまりに多いと思います。とりあえず、みんなSDGsを知っているから、HPで紐づけとこみたいなね。

何のために企業が存在するかを忘れて、SDGsと紐づけるだけで、社会に貢献しているかの様に見せているのは、詐欺だとも思います。

ではどうしたらいいのか?

繰り返しになりますが、やはり社としての目指すことを明確にすることだと思います。2050年にどのような社会を目指すのか、2100年にはどのような社会であってほしいか。外部環境の変化ももちろんありますが、社が目指すあるべき姿やありたい姿はぶれてはいけません。その姿に行く着くまでの通過点としてSDGsを位置づけ、SDGsを活用して評価を行い、方向性や方法の軌道修正を行う。そのようにSDGsを検診のツールとして活用することが望ましいと思います。社としての目指すことが不明瞭なのに、SDGsと事業を紐づけていては、SDGsの奴隷になってしまいます。





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