夫婦ともども残業帰り、日高屋で晩ごはんを食べる。
20:30過ぎの都内オフィス、ディスプレイの中を頬杖をつきながら眺める。
終わりが見えない。
30歳、社歴が伸びてくるとともに「確認してください」「フィードバックください」と言われる回数がどんどん増えた。しかし私は管理者ではなく、あくまでプレイヤーの役職だ。
ここ最近はこんな感じで、自分の仕事を進める時間が制限される日々が続いている。
『名前のない家事』みたいに評価されにくい『名前のない仕事』ってあるんだな。
くたびれていたら、夫からLINEが来る。
あと少しで終わるよ。◯◯ちゃんはどうかな?
正直終わらない。でも、明日の自分に託してしまおう。
「お疲れさま!私も、あと少しで終わるよ!」
お互いリモートと出社を組み合わせた働き方なので、月に数回だけ出社日が被る。
そして残念ながらそういう日はお互い残業しがちなので、時間が合えば乗り換え駅で合流して一緒に帰るのだ。
電車に乗り、LINEで何食べる?の作戦会議をはじめる。寒いから温かいものを食べたい。家に食べるものはあるけれど、お互い遅くまで頑張ったし。ちょっと罪だけど、ご褒美ということで…選ばれたのは遅くまでやっている日高屋。
寒いから先に中入ってていいよと伝えたが、夫は改札前で待っていてくれた。
お互いお疲れさまー。
出会ってから3年経つが、仕事終わりに顔を見合わせた時の安心感が増している気がする。
日高屋に入ると、ちょうど1つだけテーブルが空いていた。後から入ったお客さんが待ちになっているのを見て、ラッキーだと思ってしまう。
寒いよねーと話しながらメニューをめくる。
やっぱりチゲラーメン。別に揃える意図はなかったが、チゲラーメン2つと餃子2皿を頼む。半チャーハンはやり過ぎ…という思考が見え隠れしていた。
すぐ隣の女の子二人組が人間関係の愚痴を語っているのをBGMに、ふたりでラーメンをすする。
この時間のラーメンは若干罪の味だが、温かい。
たまに食べると美味しいねー。思ったより旨辛。
餃子あつあつー。
胃が満たされる。ふたりで食べるとご褒美感がより増した。
最寄り駅に向かっている途中、夫が「辛いのを食べたあとは甘いものが食べたくなるよね」と問いかけてきたが「いやそんなことはない」と却下した。
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