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レレレ撃ちもわからねぇ自分への傾向と対策【著・初心者向けスキル向上委員会】#3

前回からのつづき。

この記事は主に「ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの各帯域を脱出するにあたり、その当時抱えていた問題と、それをどう乗り越えたか、その結果どうなったので上位ランクにたどり着いたか」を記す、振り返り感想記事である。

今回からはいよいよブロンズ帯を突破し、シルバー帯編に突入する。

というのも、ブロンズ帯での思い出は「弾を当てられるようになるにはどうするか」と、「きちんとキャラクターを動かせるように」の2点しか、何かを頑張った記憶がないのだ。

私はシーズン3のカジュアルを2,000試合以上闇雲にこなした、「質より量」を地で行く脳筋PEXプレイヤー。

しかし、闇雲にプレイしたとて、ある程度のスキルが身につくのもこのゲームのいいところである。何度も何度も撃ち合いに明け暮れた結果、いつの間にかブロンズ帯を突破。

ついに参加費の発生するシルバー帯へと挑むことになったのである。
そしていきなり痛感することになった課題が今回のテーマだ。


問題③ 【シルバー帯】撃ち合いができない!
回答③ 音の方が大事だって気づいた。

いつの間にかブロンズ帯を抜け、シルバー帯に挑むようになると、Ⅳあたりではブロンズとも変わらない戦いが繰り広げられるのだが、ⅢやⅡに差し掛かってくると明らかに負けが込むようになっていった。

「何かおかしい……」

確かに、自分のエイムや戦闘時の動きはまだまだ未完成、というより、どんな上級者でも完成し得ないものなので、その点の反省点はいくらでも出てくる。

しかし致命的だったのは、徐々に敵と正面から撃ち合うことができなくなり、一方的に撃たれて終わる場面が増えていったということだ。

より正確に状況を言語化するならば「敵が有利ポジを先に取っているため、正面から撃ち合いをさせてくれず、こちらが一方的に撃ち下ろされる場面が増えた」のである。

これに対して、私は当時何が起こっているのかわからなかった。激戦区を通り抜けたわけでもなければ、遠くで誰かが戦っていてそれに向かおうとしているわけでもないのに、まるでこちらの位置があらかじめわかっているかのように、突然敵部隊が目の前に現れ、一瞬で蜂の巣にされるのだ。

「いったい何が起こっているんだ……?!」

この「いつの間にか敵が目の前に現れる現象」があまりにも謎で、シルバーⅡ中盤で伸び悩んだのを今でも覚えている。

今現在、プラチナ・ダイアの読者の方がいたらこの状況をどう思うだろうか。敵はきちんとリング読みができている? 戦いを避けて好ポジを先に取るムーブができている?

いずれも正解かもしれない。しかし、原因は自分に、しかも超初歩的なところにあった。

気が付いたのは、ワールズエッジ/ラバシティーにおけるとある初動ファイトでのこと。

私はそもそも、建物を利用した狭所での戦いが非常に苦手である。どこから敵が現れるか本当にわからないし、射線も通りまくるので弾を回避することもできない。特に縦ジップを使っての攻防など、目が回ってしまって参加する気にもならない。

それ故、狭い建物内での戦闘がメインになるラバシティーには嫌悪感があり、積極的に降りることはしていなかったものの、ジャンプマスターのいうことは絶対。降りないわけにはいかなかった。

初動ファイトが起こることは確実だったそのマッチ、慌てて物資を拾い集めていると、あることに気が付いた。


「壁越しに外にいる敵の足音が聞こえる!?」


…………残念ながら、これがFPSを始めて1カ月のド底辺プレイヤーの現実である(私だけの可能性が高いが)。

当然というか、今までも足音はきちんと聞こえていた。ヘッドフォンや設定の異常などではない。しかし、「敵の足音という情報」としてその音を意識的に聴いたのはそれが初めてだったのである。

ただの環境音として、自然と耳に入ってくる足音を聞いているのと、敵がそこにいるという証拠・情報として足音を聴き分けるのでは、雲泥の差が生じるのだ。

すぐ隣で敵が物資を漁っている。足音が遠ざかり、外に通じる扉の方に向かっていく。私もそちらの方を向き、初動で拾っていたオルタネーターを構える。そして敵は躊躇なく私の目の前に飛び出し、1マガジンの下に沈んでいった。

「これじゃん!!」

そう、これこそが「いないと思っていた場所にいきなり敵が現れる現象」の正体だったのである。敵たちは今まで、こちらの足音をいち早く察知し、体を出すであろう場所にあらかじめ銃を向けていたのだ。これでは先撃ちされて当たり前である。

そして私は同時に気が付いた。

視界に入らないから敵がいないわけではない、ということに。

……何を言っているのかお分かりになるだろうか。

足音の情報を環境音として処理してしまっていた自分には、敵を捕捉する方法が視覚しかない。周囲でたくさんの足音がしていて顔を出すべきではないのにも関わらず、敵を視界に映そうとウロウロするため、敵が突然目の前に現れたように感じる。

一方、敵は私の足音を頼りに私の居所を突き止めているため、銃を構えながら待っているだけでよい。まさにカモネギだ。

「FPSは音が重要」だとは聞いていたが、それは音楽鑑賞と同じ意味だと思っていたのだ。音質にこだわり、より臨場感ある戦闘を楽しむためのものだと本気で思っていた。

私は恥ずかしくなった。「敵の位置情報を知るために、FPSでは音が重要」なのである。高級アンプも高級ヘッドフォンも必要ない。必要なのは、音を情報として活用する知識だった。


音に注目すると戦闘する距離感がわかる。

APEXにおいては、敵との距離が近くなっていくにつれて、視覚情報が役に立たないことも多い。

足音が聞こえ始める距離はおよそ75メートルとなっており、これはブラハのスキャンが届く最長距離と等しい(足音が聞こえるかも!?と思ったらとりあえず正面にスキャンを打つのは正しい行動と言える)。

この75メートルという距離はARやマークスマンの交戦距離であり、それ以上はSRの距離感となる。

つまり、足音が聞こえ始めたらSRを構えるのをやめるべきだとわかるし、逆説的に、ARの距離感では音を頼りに索敵する方が、視覚で索敵するよりも有効であることがわかる。

この音による武器の選択はどのティアに行っても重要となる。むしろ上に行けば行くほど戦況を判断する余裕がなくなってくるため、足音の大きさや銃声の聞こえる方向/距離によって、武器を持ち替える選択は自然にできるようになっておくべきだろう。

そして、音の重要性に気づいた初心者時代の私はこう思った。

「音のデバイスにこだわったら敵の位置がすぐにわかるのでは?」

そう、APEX初心者あるある「やたらデバイスにこだわりがち」が発動したのである。様々なゲーミングヘッドフォンを視聴し、試しに買ってみたりもし、3~4個のヘッドフォンを試してきたのだが、

結果的にたどりついたのは、iPhoneに付属している白いイヤホン(EarPods)である。


余談・EarPodsのスゴさ

ここまで音の情報が重要であると説明しておきながら大変申し上げにくいのだが、私個人の意見として、APEXにおいて音関係のデバイスはそこまで重要ではないと感じている。

逆にVAROLANTやCoDといった、ステージが狭く、同時接続人数が少ないFPSの方が、音情報が重要であると思う。

というのも、APEXにおける音情報は、他のタイトルと比較すると位置情報を知ることができる以上の価値は薄く、最低ラインを満たしてくれさえすればデバイスは何でもいい気がしているのだ。

そもそも、エイム技術や戦況把握などと同じように、音情報の分析にも慣れや上達が生じてくるため、そこまで詳細に音が聞こえなくてもいいという事情もある。

結果EarPodsにたどり着いたのだが、こいつは本当にすごいのでみんなも使おう(ダイマ)。

サウンドカードなどを使ってめちゃくちゃ音にこだわっている方からしたらあり得ないチョイスなんだろうな~とは思う。

しかし、カナル型でないうえ素材も軽いので、長時間つけていても全く疲れないし、音が密閉されないのでVCでもしゃべりやすい。

「音が密閉されない時点でFPS用として相応しくない」とかフレンドから謎にディスられたことがある。実力で黙らせたが。

音の種類や強弱をきちんと聞き分けることもできるし、変に音割れしたりノイズが発生することもない。

そして何より値段が安い(1個2,000円)。最近はセブンイレブンでも購入することができるため、家電量販店に赴く手間が省けることや、音質がわかっているので試聴を重ねる必要がない手軽さも魅力だ。

などなど、様々な理由から「え、別にこれでよくね?」となり、今ではゲームも動画も音楽も、すべてこれ一つで賄うようになってしまったのだった。


問題③ 敵が突然目の前に現れて撃ち合いさせてもらえない!
回答① 視覚よりも音の方が重要な場面があることに気付いた。
  ② 敵の足音や銃撃音を頼りに、索敵する術を磨いた。
  ③ どの武器を使って交戦するか、音情報を基に判断した。


次回もシルバー帯編をお送りする予定だ。
テーマは「立ち回りって結局何のことを指してるのか全然わからない!」

これだけで前後編に分かれる可能性もあるが、お楽しみに。

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