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5Gと社会を “楽しく” 繋ぐための体験づくり。IMG SRC 5G LAB スタートの裏側

こんにちは、イメージソース広報の中丸です。

先日社内のR&Dチームより発足を発表した、5Gの新たな可能性に挑む実証実験プロジェクト『IMG SRC 5G LAB(イメージソース 5G ラボ)』。

イメージソースではその第一弾として5G対応スマートフォンで操作するRCカー『5G RC Car』を皮切りに研究開発をスタートさせ、現在同ラボをプレゼンテーションする機会の準備も進めています。

今回、同ラボ発足の背景から今後の展望、『5G RC Car』制作の裏側について、社内インタビューを行いました。普段から様々な技術に触れているエンジニアから語られる未来とは?

<インタビューメンバー>
代表/小池博史
R&Dチームリーダー テクニカルディレクター/吉井正宣
R&Dチーム インスタレーションデベロッパー/高野幹
R&Dチーム エンジニア/本田純一

5gLab技術者

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5Gをより身近なものに

- はじめに『IMG SRC 5G LAB』発足の経緯を教えてください。

小池(代表):5GLAB発足の記事でも触れている通り、通信インフラは2020年代以降整備が急速に進み、東京都でも TOKYO Data Highway といったインフラ整備による都市構想が進められています。デジタルコミュニケーションを主軸としたイチ企業としてもD2Cグループとしても、こうした世の変遷のなかで自分たちが社会へ貢献できることを考え、先を見据えた活動をしていくことは、我々の使命だと思っています。そうした背景のなかで、今回ラボラトリーを発足するに至りました。

TOKYO Data Highwayの構想も同様ですが、都市のデジタル化によって医療、交通、災害、教育などをはじめとした生活にまつわる様々な領域で都市をアップデートしていく必要性をこのコロナ禍でさらに強く感じています。
現在、西新宿エリアに設置した5G基地局搭載のスマートポールで実証実験を行うなど都や企業が連携したプロジェクトが進んでいるなか、私たちイメージソース・R&Dチームも、プロダクションとして、作り手として、社会の一員として、5Gを題材にした取り組みは意義のあるものだと考え、自社でも積極的に推進していくことにしました。

吉井(テクニカルディレクター):私たちエンジニアの立場からすれば、このラボは実証・実験の場です。「5Gって実際のところどうなの?」という率直な疑問を、良いところはもちろん、難点や改善点を含め、プロトタイピングを通じて見立てていこうというのが出発点です。『IMG SRC 5G LAB』では、数値上のパフォーマンスというよりかは、ユーザーの体感に重きを置いていて、5Gにより体験がどう変わるのかを実験しています。また、実際のパフォーマンスがどうであれ、UI/UXを工夫することで、良い体験をつくれるか追求する場でもあります。

- 多くの体験づくり手がけてきたエンジニアが集まるイメージソースらしい発想ですね。

吉井:現状、5Gコンテンツ制作は専用の機材や特定の環境が必要という印象があったり、一般的な消費者はどいういった恩恵が得られるのか見えづらいという状況にあると思います。なので、いま検証を進めている『5G RC Car』は、市販の5G対応スマートフォンやキャリア回線を使用することで、現時点でも、一般ユーザーに対してどのようなコンテンツを提供できるか模索しています。

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また、5Gが普及していくためには、ユーザーだけでなく、開発者にとっても身近なものにしていくことも重要だと考えています。私たちは、先行してプロトタイピングを進めながらも、情報を共有していくことで、開発者が増え、5Gを活用したコンテンツが生まれていく生態系の発展に貢献できたら良いなと思っています。「5Gコンテンツ開発の民主化」みたいなものの一助になれればと。

社会的な面でいうと、このコロナ禍で、オンラインコミュニティやオンラインコミュニケーションの普及がより一層加速していると思っています。私も最近オンラインゲームをするようになり、それらを取り巻く生態系のすごさを実感しています。既に社会のあり方や人との関わり方は大きく変わっているのかもしれませんし、コロナ収束後も、オンライン上のつながりを大切にしたいという人は多くいると思います。いまは在宅の時間が多く、常に家のWi-Fiが使えるので5Gの恩恵に気づきにくいですが、また外にでる機会が増えたときに初めて5Gの良さが見えてくるのかもしれません。『IMG SRC 5G LAB』は、それらを見越して、今後どのような体験が生まれうるのかという問いに対する思考実験であり、実証実験をする場にしていきたいと思っています。

5Gにより体験がどうかわるのか

- ラボの第一弾に『5G RC Car』を選んだ理由を教えてください。

高野:RCカーを選んだ理由ですが、リモート操作や、自動操縦、SLAM、AI、XRなど、高速大容量・多接続・低遅延を特徴としている5Gを活かせる技術との親和性が高いと考えたからです。今回は特に低遅延に注目しています。少しの遅延が快適な操作感の低下に繋がるリモート操作を軸に、“楽しさ” にフォーカスした体験へ発展させていけるのではないかと思い、RCカーを選びました。
例えば、低遅延が実現できれば、音楽ライブ配信なども、アーティストとオーディエンスがより密接にコミュニケーションできる体験もつくることができるかもしれません。今後、この低遅延についての実証が進めば、様々なプロジェクトに応用できると考えています。

吉井:遅延がネックとなって諦めたアイデアは、今までも実際にありました。低遅延の実現がブレイクスルーとなり生まれる新しい体験はたくさんあると思うので、関心は高いです。RCカーは、遅延の程度によって操作性が大きく変わるので、今回体感としてどの程度影響あるのか測るのに適していました。ここでの結果や知見をもとに、ドローンなど様々なものに応用していきたいと考えています。

トライアンドエラーを繰り返す泥臭さが、未来づくりの一助となる

- 検証はどこまで進んでいるのでしょうか?

高野:正直まだ5Gの本当のパフォーマンスを見定めるにはまだまだやることがあると感じています。今後も継続して、5Gに適したシステム構成を模索するために、様々なプロトコルやプラットフォームを試していく必要があると考えています。

本田:それをクリアするために、普段から利用していいるものとは異なる、様々なシステム構成を試しています。例えば、docomoやNVIDIAなどが提供している5Gに対応したサービスなども使用する準備をしています。馴染みがない環境や手法も試しているので、苦戦もしているというのが正直なところです。

吉井:もう試しまくるしかないですね。泥臭く実証していく他はありません。候補はあるので、現時点での適した構成を見出していきたいと思っています。

5Gを見られるもの、触れらるもの、感じられるものに

- 今後の展望を教えてください。

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高野:5Gはあくまでひとつの技術として、イメージソースが得意とするデジタルコミュニケーション領域での活かし方や落とし込み方を探っていきたいです。ユーザビリティの向上や、表現方法の拡張、セキュリティの強化など、多方面で活用できると考えています。また、このプロジェクトに限った話ではないですが、私たち開発者もユーザーも楽しめる体験を作ることができたら嬉しいですね。

本田:結構世の中的に新しくホットワードなことをやろうとしているので、吉井も言ったようにどこにもリファレンスがない状態で、国内外のリサーチもしていますが資料やリファレンスが見つかりにくい。このように、どう実現させているのかわからないなかチャレンジングなプロジェクトをしようとしているので、確実にナレッジは溜まっていく。いちエンジニアとしても、会社としても、これは今後の貴重な財産に成り得ます。もしかしたら、突然サクッと答えが見つかるかもと希望をもちながら今後も進めていきます。
Web制作ひとつにしても、この知見を蓄積していけば、他社から頭ひとつ抜けるチャンスとも捉えています。

吉井:2つの視点でこのプロジェクトは進めていきたいと思っていて、まず1つは、今何ができるのかということです。繰り返しになりますが、市販のもので現時点でどこまで5Gのパフォーマンスが引き出せて、どういう体験に落とせるのかは、カタチにしていきたいです。もう1つ大事にしているのが、この先どういう体験が生まれるのかという視点です。例えば、ARグラスやクラウドでレンダリングしてストリーミングする技術が普及することで、5Gもより真価を発揮すると思いますが、こちらは、まだ一般化していないプロダクトやサービスを組みわせてでも、具現化することで、未来に対する見立てをつけていきたいです。

小池:イメージソースとして5Gを通した体験づくりで追求したいのは “楽しさ”。楽しい感覚を味わえる5G体験にするための、コンテンツはもちろん、コンテンツを楽しんだ後のコミュニケーションまで一貫した体験づくりを設計したいですね。

通信インフラである5Gにイメージソースが介入することによって、見えないものを可視化し、触れるもの、感じれるものとして、体験に落としていくことができる。そして社会実装することで新たな価値を創造できると思い、取り組んでいきます。

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