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【断髪小説】授業中に断髪(3)目撃者

「みさき〜。どうしたの?遅かったじゃない」

「あ、うん。ちょっとトイレによってた」

桜井 美咲(さくらい みさき)とその友人の中村 結衣(なかむら ゆい)が体育館でバスケットボールの授業中に話をしている。
桜井はサラサラの黒髪ボブヘアー。大きな瞳に丸メガネ。むちむちしたスポーティーな体付き。人懐っこくて友達も多い。

「みさき〜。何かいいことあった?いいことあった時の顔してるよぉ〜」

「ふふふ。わかる〜?ちょっとね〜。面白いもの見ちゃったんだ〜」

「面白いものってなにさね〜?」

「ふふふ。おっしえなぁ〜い」

「みさきぃ〜・・・いつもそれだぁ〜」

・・・でも、何で佐藤くんはアミの髪の毛を切ってたんだろう?

あんな事してバレたら、佐藤くんもいっかんの終りじゃない。
どう考えたってリスクがありすぎる・・・。
まずは佐藤くんにこのネタを直接聞いてみるかしらぁ〜。
っと、いたいた。佐藤くん。

「佐藤くん〜」

「桜井さん?どうしたの?」

「ふふふ。佐藤くんさぁ〜。

見ちゃったよぉ〜。さっきの授業中のアレぇ〜。どうゆうことかしらぁ〜?」
佐藤の目が分かりやすく泳いでいる。

「え?・・・何のこと?」
佐藤は分かりやすくとぼけた。
しかし、桜井は容赦なくつっこむ。

「とぼけても無駄だよぉ〜」
桜井が佐藤の耳元に顔を近づけて呟いた。

「アミの髪の毛、切ったよね?」
「・・・あの・・・その・・・」
佐藤は分かりやすく動揺している。しかし、桜井は間髪入れずに更に呟く。

「ねぇ・・・何でアミの髪の毛・・・切ったの?」
「・・・」
再び距離を取り、今度は普通に話しかける。

「どうして?どうしてやったのぉ〜?気になる。気になるんだよぉ〜」
「・・・桜井さんごめん!黙っててもらえないかな?
特に白石さんには・・・その、こんな事してしまって何だけど、知られたくないんだ。
白石さんの髪の毛を切った理由・・・理由を言うから。お願いします」

「流石にそれはぁ〜。都合が良すぎるんじゃないかしらぁ〜?
アミは僕の友達だし〜、アミが傷つけられているのなら〜、僕ぁ〜だまっちゃ〜いられないよぉ〜?」

「白石さんを傷つけるつもりはないんだ。
ただ・・・僕は白井さんの髪の毛が切たかったんだ!」

「へ・・・?」
桜井は思っても見なかった回答に意表をつかれた。

「だから・・・ただ切りたかっただけなんだ。自分でもどうしてなのか分からない。
だけどね、どうしても女性の髪の毛を切ってみたかったんだ。
いけないことなのは分かってる。だけど、抑えきれなかったんだ!」

「つまり〜。佐藤くんはさぁ〜、アミの髪の毛が切りたかったというか、女性の髪の毛が切りたかったわけ?」

「うん・・・まぁ・・・そうなるね。
白石さんの髪の毛はとても綺麗だから・・・切りたく思ったっていうのはあるかもしれないけど・・・」

桜井は不思議そうな表情を浮かべながらも、納得した表情を浮かべてた。

「佐藤くんやぁ〜、理由は分かったよ。僕は優しぃ〜からねぇ〜。黙っててあげてもいいんだよ〜。うん〜。だけどね〜佐藤くん〜。わかるよね〜?こっちも黙っている分、何かほら〜、その分、得したいわけよ〜」
桜井がニヤつきながら佐藤へ迫る。

「得?・・・と、いいますと」
佐藤はキョトンとした表情を浮かべた。
桜井は眉間にシワを寄せながらう〜ん。と唸りながらに答えた。

「よし!わかった!じゃぁ〜さ、佐藤くんさね、僕の髪の毛を切ってくれないか?」
ハテ?といった表情を佐藤は浮かべながら言った。

「え!・・・いいの?」

「うんうん。僕の髪の毛もまぁ長くはないし、アミにはまけるけどさ〜、サラサラできれいな方だと思うよ〜。どうだい、切たいかい?ほれほれぇ〜」
桜井が自分の髪の毛を掴んで佐藤の顔に押し付けている。

「うん!切たい!」
はっきりとした表情を浮かべながら佐藤はそう言い放った。

「よぉ〜っし決まり!
ふふふ〜。これで僕のカット代が浮くわけだ〜。WinWinってやつだよね〜。WinWin。
じゃ〜。約束ね!」

「うん」

ひょんな事から僕は桜井さんの髪の毛を切ってもいい権利を得た。
思っても見ない幸運がまた訪れたのだった。


・・・つづく

あとがき

授業中に断髪の第3話になります。

なんか第一話って一番書きやすくて、話が進むにつれてだんだん書きにくくなってく。
なんでだろう?
セリフと地の文の割合とか考えると、セリフが多めになりがちなんですよね。
なんか、セリフは沸くけど地の文はうまく表現できない時が多い気がしてます。
まぁでもとにかく始めたばかりだし、毎週の様に書いていれば慣れるかな?
一応毎週金曜日は執筆する日にしているので、週1くらいではおそらく?ネタが尽きたり浮かばなかった場合はべつだけど、続くと思います。
この話どれくらいの規模になるかわからないし、別の話書きたくなったら別の話も書くと思う。
けど、何かしら最低でも週1で1本Noteを更新できたらいいとは思ってます。
あ、一応この小説は生成AIは使ってないです。名前決めとか参考程度にはつかうことはあるけど、基本1から書いてます。
てな感じで、今後もつづけていくので、フォロー、いいね、マガジン登録よろしくお願いします!

今後有料版も書くと思います。
有料版って思うだけで、ある程度気合が入るし、文字数も多めになると思うので、よかったら見てみてください。

あと、この話とは別でイメチェン小説をkindleで販売しているので、こちらもよかったら是非読んでみてください。kindle unlimited加入中の方なら無料で読めます。

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