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【本紹介】クレア キップス:ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯, 2015/1/5

□紹介する本

ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯
クレア キップス (著), Clare Kipps (原名), 梨木 香歩 (翻訳), 2015/1/5
文藝春秋

□メモ

素晴らしいストーリーで、泣ける話だった。
ノンフィクションである。

信じられないことに、この障害を負って生まれたスズメは親から見捨てられたが、12年もの日々を1人の女性との出会いで過ごすことができた。

その日々の中で、スズメは歌い、遊び、そして芸を披露した。
野生行動の代替的な行動が特出的な芸当となって、本書では描かれる。
加えて、スズメのような小さな鳥であっても、生きることへの執着、感情、そして、何より他者との協調、思いやりを持っていることは驚くべきことであった。

中でも、巣に戻っただけで喜びの歌を披露する、つまり、スズメの子孫繁栄のための囀りの範疇ではない、感情表現を行う姿には心を打たれた。
つまり、鳥であってもただ生きていられるだけ、家に帰れるだけでも大変な喜びを感じているのだ。

この本は鳥類学者と言った鳥の研究者だけでなく、感動的な物語として一般の読者にとっても、とても面白いものだった。

ぜひ皆さんも一度手に取って読んでみてほしい。

#読了日
23/02/08

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