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【書評】福岡伸一: 新版動的平衡〜生命はなぜそこに宿るのか〜

□紹介する本

新版動的平衡〜生命はなぜそこに宿るのか〜,2017/5/31
著:福岡伸一

□目的

人間とはどのような生き物であるか、その性質を学び、
自分の生活をよりよくするヒントにする。
生活のバランス、即ち、睡眠、食事、勉強や研究といったことへのバランスの取り方がわかればいいが。

□キーワード

・年が経つのが年齢とともに早くなる理由
→新陳代謝の時間スケールが年齢とともに遅くなる。
→年が経つのが早く感じる

・学ぶ理由
→私たちを規定する生物学的制約から自由になるために私たちは学ぶ。
→つまり、人間が進化の過程で身につけた空目から解放されるために学ぶのだ。

・必須アミノ酸
・非必須アミノ酸
必須アミノ酸以外は体内で製造可能なので、
グルタミン酸ソーダやコラーゲン(非必須)を取っても、
その効果(グルタミン酸→ニューロン間の結合に寄与)
(コラーゲン→骨同士の繋がりや、肌などに寄与)
が得られるわけではない。
非必須アミノ酸は、体内で必要に応じて製造されている。

・生物を理解するにはペニーガム的な、線形思考はやめねばならない。
我々は食事とともに、我々自身をも食べているのである。
(消化されたものと、消化酵素はどちらもアミノ酸まで分解されるため。)

・脳は線形関係以外の関係を理解するのが苦手。
→自然界の仕組みの多くはシグモイドカーブである。
→つまり、その日、その時間の許容量をちょっと越えると、一気にその影響を体は受けるが、許容量を超えないうちは、その影響は弱く済む。
→したがって、チビチビ食いは、(シグモイドカーブにより)
ブドウ糖の過剰摂取によるブドウ糖の脂肪への変換を
より抑えることができるため、賢い食べ方なのである。

・基本的には全ての栄養素はエネルギー源として燃やされる時、
ブドウ糖になる。(体内に生じるブドウ糖の起源)

・我々は進化の過程で長く飢餓状態に晒されてきたため、
空腹感に対して、満腹感は非常に鈍感なのである。

・グリセミックインデックス:GI値
食べたものがブドウ糖となって、
血液中の血糖値を上げる割合のこと。
100はブドウ糖をそのまま摂取した場合の値。
(低いほど、食物をブドウ糖へするのに時間がかかる、
つまり、消化に時間がかかるということ。)

□読んでて考えたこと

・植物の分類や、食物連鎖による分類を、
炭素や、窒素の同位体の含有量によって分類することができるということを知って、自然界の見え方がまたひとつ変わった。
→新しいことを学ぶほど、世界の見え方が変わって、
自分なりの世界を構築できている気がするので、
研究、勉強をどんどんしたくなってくる。

・人が食べ物を食べるのがエネルギーを得るというより、
タンパク質からアミノ酸という情報を得るためであるなら、
情報はエネルギーを持っていることになるのでは?
→つまり、物理学でのエネルギーというのは、
全てその系の持つ情報量を意味している?
(統計力学?ボルツマンの原理?情報熱力学?この辺が関係してくる?)

・年齢が上がるほど、新陳代謝が遅くなること+
ブドウ糖が各細胞に灌漑されること
(ブドウ糖が脂肪に変換される)

年寄りが血糖値が高くなる理由がこれである。
(ブドウ糖の細胞での消費が遅くなるため、
これまで通りに食物を取っていると、
次第に血糖値は上がってしまう。)

年齢が上がるほど、新陳代謝が遅くなる
+ブドウ糖が各細胞に灌漑される
+血糖値が下がると眠くなる

年をとるほど、血糖値が上がり、
睡眠時間は一般的には短くなるのではないか?
(これは自分の推測なので事実とは限らない。)

#読了日
18/08/20


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