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今日も私は、坂本真綾のライブに行く

好きなものを増やすことだけは得意で、悪く言えばミーハーであると自覚している。
それでもその好きを10年間継続させるのはなかなか偉いもんではないか。

なんて。好きの熱量だってムラがあるし、それでもそこに音楽があれば適宜最新シングルやアルバムを買って、イヤホンで何度も何度も聴くが、他にも好きなものがあるからそっちが活発になればそちらに足を向ける。
推し変がなく推し増しばかりの人生だ。
ずっと同じ熱量で追えている自信はないが、それでも細く長く、好きなアーティストに関してはライブに行き、イベントに足を運び、楽曲を聴き込み、それなりに応援してきた。つもりだ。

さて、今日、明日で行われる坂本真綾さんのライブをご存知だろうか。
彼女は15歳で歌手、声優としてデビューしているので、昨年が節目と言える25周年だったが、生憎コロナの影響で昨年はライブがなかなかできなかったこともあり、今年、25周年記念ライブを行うことになったのだ。年度末なのでセーフ。
タイトルは「約束はいらない」。彼女のデビュー曲を25周年の今、タイトルに持ってきているあたり、なんとなくのエモを感じざるを得ない。

私にとっての初めてのマーヤのライブは2010年の日本武道館で行われたGiftだった。
その頃私はまだ高校生で、1年生の時に友達になった友人から、控えめに誘われたのだ。地元の高校とはいえ、通学範囲が一気に広がり、家が正反対の場所にあった彼女とはなかなか休日遊ぶこともなく(部活が盛んな高校だったので私も彼女もそれぞれ休日も部活漬けだった)、1年生の頃しかまともな交友もなかった(クラスが離れてしまったので話す機会も激減した)彼女が私を誘ってくれたということが、なんだか嬉しかったのと同時に、よくマーヤが好きだと覚えてくれたなぁと思った記憶がある。

Giftはマーヤの30歳のバースデーライブであり、あまりライブをやらなかった彼女が久々に発表した、今までとは比べ物にならないでかい箱のライブだった。武道館の下手側の天井に近い席だった(はずだ)が、ライブが好きだったし、生歌を同じ空間で聴けるというだけで嬉しかった。30歳という節目。誕生日に彼女がファンの前でパフォーマンスしてくれるだけでも最高に特別感があったし、その空間にいられるだけで幸せだった。今でも武道館にはたくさんの思い出が詰まっているものの、このGiftとドリフェス!のラストライブAFTがあまりにも優勝していたので(急に使うオタク表現)九段下の坂を登るたび、なんだか切なくなる。

実際ライブは本当に最高で、今でも色鮮やかに記憶に焼き付いている。なんだかんだで100本以上ライブやイベントに行っているが、10年以上前の記憶がこんなに鮮明に残っていることもない、気がする。

そんなこんなで2010年3月31日に行われたGiftからもう11年経つのだ。早いものだ。
翌年に行われたYCCMツアーは震災の影響で3月末に予定されていたライブは延期になり、4月になったのもよく覚えていて、あれだけが私が空席を作ったライブだった。
関西に進学した私は寮で暮らしていたこともあり、4月中外泊が出来なかったのだ。3月だったら春休みで関東にいたので行けたのに……。という苦い思い出だ。(今思えば架空の法事でも開催して帰省すればいいのにというところだが、そういうのは次年度からガンガン使っていたので反省は生かしている(最低))
ツアーやライブがあるごとに足を運んだ記憶があるが、なんせマーヤのライブの連番相手はGiftを誘ってくれた彼女とだけなので記憶があまりにも混雑している。
セトリが最高だったSSW、FMU。あり得ないほど大泣きしてヒノキ花粉と共に息ができなくなった20周年ライブ。カウントダウンライブは一昨年と38で行って、ミツバチの時は終電の接続がダメ過ぎて彼女の最寄り駅まで途中から歩いて帰った。道が分からないまま真面目だっり価値観が合わないなぁと思う様な変な話をたくさんした。一昨年のカウントダウンライブはその思い出もあり、家に帰らず動いている山手線で秋葉原まで行き、神田明神に初詣に行ってから散歩して、動き始めた普通の電車の始発で実家まで二人で帰った。
FCイベントにも行った。マーヤはFC会員の連番なら会員でなくても参加できるという不思議な体制なので、マーヤに関してはFC会員の彼女の特権にかなり甘えさせてもらっていた。
朗読劇や舞台も観に行った。私の頭の中の消しゴムで号泣したり、ダディの初演にも行った。目の前をマーヤが通り過ぎてびっくりした思い出がある。懐かしい。
2019年の河口湖のライブはお尻が寒かった。本当に寒かったのでその時連番した彼女は風邪を拗らせてしまって、ずっと吐きそうと言いながらもなぜか翌日二人で富士急に行ってFUJIYAMAに乗った。社会人になってもうしばらく経ってるのに、こういうところはお互いずっと学生のようでアホだなと思う。


今日もまた、私は坂本真綾のライブに行く。マーヤにとって初めての横浜アリーナ。収容人数は半数になってしまったが、気持ちはそれ以上に大きく膨らんでいる。1年以上ぶりなのだ。

高校から大学、社会人となり、約束がないと集まらない私たちが、また新しい約束をして、新しい音楽に触れる。
今日もきっと、一席空いた席に座る彼女と一緒に泣くんだろうなぁ。


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