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見えない絵本は作らない

絵本づくりをしたいと漠然に思い始めてから、なんだかピョンピョン素材となる絵や文章を米川さんが描いてくださり、また、英語訳も海の向こうの大切なお友達がふたつ返事で協力してくれることとなり。
対して私自身が調べたり校正したり製作したりの作業制作がなかなか遅々として進まずの日々なのですが
今回のタイトルは「見えない絵本は作らない」
ふむ?

耳で聴かない音楽会

このnoteを使用し、音声を公開した時、最初に公開した音声をどうやって聴けばよいかと尋ねてくださったのはおしゃべりした当人の米川正利さんでした。
そして、noteをどうやって使うのか、「音声もこのボタンを押すと聞こえます」とともに、有料マガジンも発刊についての説明も、見本として説明に紹介したのがフォローしている落合陽一さんのnoteでした。

落合さんは優秀な人のようで、夜の報道番組等でも姿を見ることができます。
また、短大の春の集中講座の際にも著書を教科書として使用させてもいただいています。
癖があり先端的な事を行い尖った青年等とかの論評などもありますが、私は彼の優しさと情報技術への姿勢が好きで、このような青年が今日をひっぱってくれる頼もしさ等ずっと特にツイッターなどではお気に入りにいれて見ています。

その落合さんが音楽家の方々で作っている「音で聴かない音楽会」。音楽会を開催するのにあたりクラウドファンディングがいつも行われているのですが、僅かばかり応援させていただき前回はCDを今回はオンラインで公演を見聞きすることができました。
そのタイトルが「耳で聴かない音楽会」
テクノロジーを聴覚障害児さん達を招待して音楽会を楽しむ取り組みで、障害の有無を問わず音楽を楽しみましょうというもの。日本フィルハーモニー交響楽団のすばらしい演奏と共に光や振動等のテクノロジーで体感するものは、情報技術の原点をいつも思いださせてくれるプロジェクトだと思っています。

私などは情報技術の畑にはおりますが、新しいテクノロジーを発明する訳でもなく、ほんのすこし長くこの世界にて仕事をしてきただけの技量です。
ただ、ずっと根底には「情報技術は多くの障害という壁を取り除くものであるべき」との思いはあります。
障害に限らず、このPCやタブレットやスマホを使えば他国翻訳から遠隔電話等からVRにしても誰もが普通に使えるものとして、システム開発やプログラミング、短大学生さんの授業からはじまり、高齢者の方々へスマートフォンの電源の入れ方からのご説明まで、どれも同じ線上としてとらえて日々過ごしてきています。

そんななかで、10年に一度程、こういう事を発信してみたいなあ、これがあったら絶対欲しい人見たい人とかいるのだろうになあ、だってこんな平々凡々の感性の私でさえ素敵だなあと思うもの、と、仕事抜きで考えることが起こるのですが、それが今回の絵本制作。
電子書籍なら街に出かけずとも閲覧でき、また紙書籍にしても自分の労力だけで出版もできる時代。
対象は絵本といっても大人が読めるものとして説明文も添えよう。実際に八ヶ岳登山を楽しんだ人たち、コロナ禍であったりご自身の高齢のため登山することができなくなった方々向けに、昔を思い出していただけるような内容にしよう。
地元の中学では集団登山があるから、面白くない辛い登山ではなく、授業もデジタル教材が地元のクラス全員程度なら配布してもよい著作権にして先生方にご利用いただこう、の目的でした。
といっても絵本という類の電子書籍は発刊も購入もしたことがなかったため、kindleのunlimitedで絵本をダウンロードし、実はかなり気楽に物事を考えながら制作をはじめてはいたのでした。

絵本作りでの問題に気づく

制作をはじめ高解像度でスキャンし、文章も入力していた頃です。
ある日米川さん宅にお邪魔した時、米川さんが県内の有志の方々とともに学校登山についての会の発足メンバーになった新聞記事を見せていただきました。
すごいですねえ、程度でお喋りをしていたのですが
米川さんが「絵本をこの子供たちに配布するということはできるかな?」と尋ねられました。
「いやぁ、全部無償で製作してすべてに配布って、、それはさすがにきついですよ~」とは答えましたが。
でも、そもそもができたら収益化したいな程度でしか考えてはおらず、この絵本で莫大な収益をあげようとは考えてもおらず、それよりも子供たちの総合自然力の向上と、何よりも教材に迷うであろう先生方の参考資料として使用していただけたらとも思ったのですが、その時にふと、大きく頭のなかで上記した落合さんの「耳で聴かない音楽会」の事が思い出されたのでした。

「登山をした人だけでなく、これから登山を楽しみたい子供たちにむけて」の絵本づくり。
ここで根底から制作を見直す事になり、もうひとつ、電子書籍で購入した一冊の本の最初に書かれた文章を思い出しました。

耳で本を読むという選択肢

西智弘先生という方、この方もnoteで発信されていらっしゃいます。

スマホやPCの使い方のご指導をしていると、高齢の方々と接する機会が多く、また自身もこの春まで数年高齢者の方々に接するサークルに所属していた事もあり、また母自体が高齢となり家に閉じこもり状態のため、社会処方という事に興味をもち書籍購入したのですが、西先生は腫瘍内科の先生でもあり電子書籍の「がんを抱えて、自分らしく生きたい」を購入したのでした。

内容はよく覚えていないので再度読み返してみなければとは思うのですが
最初のページにある「はじめに」の文面は私にとってとても印象に残るものであり、忘れそうになっていた初心を思い出すこともできたのでした。

その見出しのなかの一行が
「耳で本を読むという選択肢」
緩和ケアの先生だからこそ気づき書かれている文章だと思うのですが
「病気で体が弱ってくると、本を読むだけでも疲れてしまい、読み続けられないという方が大勢いるからだ」
そしてiphoneの設定として画面の読み上げの操作手順やamazon Echoの事について丁寧に書かれていました。

絵本は目で見るもの、電子書籍も便利。ただ、聴覚視覚障害の子たちも自然に触れ、山の空気を思い切り吸ってほしい。高齢となり、視力の衰えも多くの方々が現実となってくる時、絵本としての刊行は読むことができない方々もいらっしゃるだろう。
対して私は固定レイアウトで、画像の一部として文字を挿入し、字間を楽しんでもらおうと考えておりましたが、もしもこの書籍を小中学校すべての子たちに読んでもらうとなると、画像は読み上げできません。

情報技術を使用することによって障害の壁をなくしていく、大きな原点をお二人の発信より自己省察できた最近の出来事でした。

ちなみに、米川さんからの質問で、noteのスピーカーボタンもなかなか初心者の方には理解しにくいという事も知りました。
加えて、このnoteは現在無料で使用させていただいておりますが、アーカイブとしたらもしこのnoteが突然終了となった時、データが消えることもあるということもずっと心にひっかかっておりました。
ので
何処か安価なサーバーをひとつ借りて、そちらにもデータ蓄積していこうと思います。
試行錯誤してPCをいじっている私ですが、、、
まぁ、他のお仕事に応用できればそれでよし。

私の仕事や生き方のスタンスとしてけして忘れてはならないこと。
自分の仕事におごりを持たず、へりくだる事もなく
常に様々な環境や状況のなかで情報機器を使う人たちがいる事を忘れず
情報技術を優しい視点でいつも使用し伝える事を心がけよう

と思います。

追伸

3月10日に米川さん宅にお寄りした際、上記のような想いをお話したところ、ご夫妻がから、そういえば昔テレビドラマを制作放映した事があったとお話をお伺いしました。

俳優さんなどには疎い自分なのでよくわからないのですが、主人公と女優のなんとかさん(共に有名な方らしいがよくわからなかった)が夫婦役で、米川さん宅から黒百合ヒュッテまで登山するというドラマだったそうです。主人公は失明されていた設定だったそうです。

当時のテレビ録画テープに録画しておいたが、何処かにいってしまったかねぇ、と私の話を聞いてから米川さんご夫妻が思い出してお話頂いたのですが、山には多くの視覚障害の方々も登山にいらっしゃっているそうです。

今は様々な情報技術や機器がでてきています。これからも進化し続けます。
情報技術が、誰もが当たり前と思うように使える時代になればよいですね。

ところで、、、VHSって、、、若い人達には知らない世界です。
これまた時代の流れ。保存方法もしっかり考え続けなければなりませんね。

、、、大変だ(笑)

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