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米川さんproofreading(校正中)

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八ヶ岳山小屋黒百合ヒュッテ山番時代を米川正利さんが描いた絵を形にできればいいねマガジン。黒百合ヒュッテhttp://www.kuroyurihyutte.com/   問い合わせ…
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#絵本

33.キツツキ 34.シジュウカラ(米川さんの絵本)

33 キツツキこつ、こつ、こつ 長く続く。 キツツキかも,周りの幹を探したら。 幹に穴掘りして居る。 キツツキは枯れた木の中の虫を食べるんだ。 解説米川正利: 森を歩くと聞こえる。 木を見てみるとせわしなくつついている。 森のなかの建物などもおかまいなしにつつく。 頭の赤いアカゲラやアオゲラ、灰色に白斑点のコゲラなど忙しそうに音を立てる。 ときどき建物の屋根と壁の間とかにもつつく。 穴が開いたところに蜂の巣ができたりして大変。 34 シジュウカラおおーい 早くおいでよ。

26.薪だし 27.薪割り(米川さんの絵本)

はじめに「薪」についてのお話です。2つに分けて書いてくださいました。 このnoteではまとめてご紹介します。 なお「薪」は訓読みでは「たきぎ」、音読みでは「しん」です。「まき」の読み方としては常用外漢字となります。類語検索大辞典では「燃料」のなかに「ガス」「炭」などと共に「薪」があり、そのなかに「薪(まき)」「薪(たきぎ)」「薪(かまぎ)」がルビでふられています。 子供向けの制作と考えると、今回は漢字を使用しましたが常用外漢字はやはり平仮名にすべきでしょうか? 今回は漢字を使

25.うさぎ(米川さんの絵本)

春先に登山道を歩いて居ると 野ウサギがうずくまっていた。 足に怪我をして動けない。 そっと懐に入れ小屋に帰る。 怪我を手当てしてキャベツの軟らかいところをあげる。 なかなか食べない。噛んであげると食べるようになった。 何日キャベツやホウレン草をあげると 何時の間にかうさぎがついて回るようになった。 何年もウサギと友達だった。 解説 ウサギ、ニホンノウサギと友達になりました。野ウサギとも呼びます。 ウサギは赤色の大きな目、長い二つの耳を立てて前足で餌を口に運んでポリポリと食べ

24.積乱雲(せきらんうん)(米川さんの絵本)

どんどん大きくなったら怖いよー。 雷、かみなり、かみなり。 解説前回の積雲とは対照的に怖い雲、積乱雲についてもお話します。 せきらんうんと読みます。この雲は危険な雲です。 前回のお話の積雲がどんどん成長していきます。もくもくしているから入道雲とも呼ばれます。 強い上昇気流の影響で鉛直方向に発達し、雲頂が時には成層圏下部にも達することがあるような巨大な雲です。 鉛直方向とは、空からおもりを糸に垂らした時の方向、空から地面に対して垂直のことですね。 積乱雲の鉛直方向の大きさは雲

23.積雲(せきうん)(米川さんの絵本)

乗って見たいなー 何処まで行くんだろうー 解説代表的な雲を2つご紹介します。 今回は積雲です。せきうんと読みます。 晴れた日に良く発生する、綿のような型をした雲です。 綿雲とも呼ばれ、形状は綿菓子にもたとえられます。 上部はモコモコしていて形がよく変わります。 雲底は平たくて、上に向かって成長し、下や横にはほとんど成長しません。 地上や空気中の熱で暖められた水滴が上昇して細かい氷となりそれが集まって綿雲になります。 山で寝転ぶとふわふわとすぐ近くに浮かんでいます。 まるで綿

22.雲を見た (米川さんの絵本)

何時間も何時間も見ていた。 いぬ、ぞう、いろんな動物だったり、 人の顔、大きなお饅頭、ケーキだったり、 次に現れる雲を思い出しているうちに いつのまにか寝てしまった。 解説 雲は季節、時刻、天候によって異なります。 登山をする際には、必ず雲の形や流れを見て気象も判断できます。 でも、難しいことばかり考えて見上げているばかりではないです。 難しいことより空想できる楽しい青い空のキャンパスに、いろいろな物が現れます。 日差しがぽかぽかして気持ち良い日、寝っ転がって草のなかとか温

21.忘れえぬ人(米川さんの絵本)

はじめに21回目は米川正利さんにとって大切な山仲間だった方のお話です。 20回目の遭難、そして21回目の忘れえぬ人、登山では起きてはならない事故についての米川さんのお話をあえて絵本に収める予定です。 加えて、米川さんとの20・21回からのお話から、だからこそ山を知り、山を楽しんでほしいという山好きな方々への米川さんからのメッセージも掲載します。 ぜひご一読していただき、そして皆様が笑顔で楽しむ事のできる登山となるガイド記事のひとつともなれば幸いです。 忘れえぬ人天気の

20.遭難(米川さんの絵本)

悲しい出来事がはじまった。 急がなければ。 知り合いの男性が雪崩に巻き込まれた。 解説昨夜泊まった知人が天狗岳に向かったが雪庇(せっぴ)を踏み外して雪崩(なだれ)に巻き込まれた。 雪庇とは、風下側に形成される吹き溜まり。稜線上の風下側に雪が大きく張り出す事。 雪崩とは、斜面に積もった雪が重力の作用により斜面を早い速度で移動する現象。 冬のその日は、夜になると風雪は強くなるばかりだった。 一時間立つか立たないうちに入口の戸を激しく叩かれ、雪の塊のように真っ白になった人が飛

19.古い小屋の古いランプ(米川さんの絵本)

ランプに火を灯すと 温かい光が部屋を明るくする。 淡いオレンジ色の光。 心をほっとさせる。 解説小屋を建てた頃は古いランプしかありませんでした。 この光で食事をし、読書し、お客さんと話をし、夜更けまで山の歌を歌ったり。 小屋を建てた頃は、灯りはローソクかランプだけでした。そのうちランプの宿として有名になって。 かなりランプを使っていました。 ランプはランプで風情あったのですが、手間がかかりました。 灯油そそいで、ススが付くから毎日全部のランプのお掃除。そのうち宿泊客がだん

18.オコジョ(米川さんの絵本)

毎日 有難う。 今日は何の話をする。 美味い肉料理の話にしようか? 大事にしていたハムちょっとあげる。 夜の炬燵での食事もいいね。 何時も食事の時出てくるオコジョ。 解説ネコ目イタチ科に属する動物。別名ヤマイタチ、くだきつね、エゾイタチ。 大きくても30cmもしません。 保護色で、夏は茶色ですが冬には真っ白に色変わりする特別天然記念物です。 私達は白狐(びゃっこ)とも言って、山の人はオコジョを見ると人をバカにするような仕草なので嫌がっていたんです。 山で仕事する人達は白狐見

17.コマクサ(米川さんの絵本)

高山植物の女王。 品のある美人。 子宝の花。 解説他の高山植物が根付かない風の強い荒涼とした砂礫地に長い根を下ろしピンク色な花を咲かせます。 花の由来は花を横から見るとちょうど馬の顔に似ているから。 古くから薬用として有名で乱採取されています。 砂や小石などとなっている土地のことを登山用語で砂礫地(されきち)と言いますが、そのような条件の砂礫地に生息し、何百、何千かの種子をまき散らす事でも知られています。 高山植物の女王であり生命力あり子宝に恵まれるようにと、結婚式にお呼ば

16.ダイモンジソウ(米川さんの絵本)

大文字草。 大きな花かと思ったら 小さいんだね。 解説和名が大文字草と書いてダイモンジソウと読みます。 名前の由来は5枚の花弁のうち下の2枚が特に長く、大の字を思わせることからと言われています。岩場に生える多年草でユキノシタ科。白い花をつけます。 さて次回はいよいよ高山植物の女王を紹介します。 お楽しみに。 おはなし絵:Yonekawa Masatoshi 共著:Yonekawa Keiko , Saitou ※この記事は米川さんの絵本proofreadマガジンに掲載

15.マイヅルソウ(米川さんの絵本)

すぐにでも飛べそう。 舞ったら楽しいのに。 解説舞鶴草と書きます。 2枚の葉っぱと白い花。 ハート型の葉の脈が湾曲していて、鶴が羽根を広げて舞っている形に見立てたものです。 この優雅な名前でも分かるように古くから知られている花です。 マイヅルソウ属のユリ科です。丈は10cm~20cmくらい、北海道から九州まで咲いています。 鶴が舞っているような姿、せっかくなので皆さんネットで検索してみてください。 さて、八ヶ岳の私の気になるお花シリーズ、あと2つ程度にしましょう。 八ヶ岳

14.オニク(米川さんの絵本)

変な名前 長生きの植物だって 解説ハマウツボ科の寄生植物です。学名がBoschniakia rossicaです。 ミヤマハンノキというハンノキ属科の木の根元に寄生する多年草です。 一回結実性という一世代に一回だけ開花して実がつく植物です。 花が咲いても結実するとオニクの個体は枯れて死んでしまいます。 葉緑素がなく、花は暗柴色です。実をつけると松ぼっくりを長くしたような形です。 昔から中国では不老長寿の薬と言われ貴重がられましたが、それはホンオニクで、同じハマウツボ科の植物で