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インプットしたものをアウトプットできない方がこわくなった日

以前、NPOで働いている時、同僚に学術書やビジネス書をたくさん読んでいる人がいました。「経営者の●●さんの新刊を読んだんですけど××で勉強になりました。」と毎日お話をしていて、すごいなと思い、自分ももっと勉強しなくてはと焦っていたのを覚えています。

私も少しは本は読みますが、たくさんは読んでいません。仕事に必要な本を読むくらいです。子どものころからそんなに本を読むのが好きではなかったのですが、たまたま手に取った本がおもしろく感じたら熱心に読んでいたので嫌いではなかったようです。

著名な人は本をたくさん読んでいて、そこから知見を得て実践をしています。亡くなった父もそうでした。部屋にいくとたくさんの本があって、時間があれば本を読んでいました。

自分も著名な人や父にならって本をたくさん読もうと思った時期もありましたが、好きでも嫌いでもないので長続きしません。「あぁ、自分は著名な人にはなれないな」と自意識過剰な理由で落ち込んだことも多くあります。

それでも、私の仕事上のピンチを救ってくれたのは本の知識でした。その時の自分の知識だけでは到底達成できなかったことも、その本のおかげで達成に向けて進めることができるようになったことはたくさんありました。

これは、私が、あることを「知っているか・知らないか」で達成できるかどうかが影響する技術的な問題を仕事で扱っていたことを表しています。だからたくさん本を読んで知っていることが多ければ多い方がいいと思っていました。

しかし、たくさん本を読んでいるだけでは、意味がないこともわかってきました。もちろん読んだ内容が自分の血肉になっていて無意識で役立っていることはあると思いますが、仕事で必要な場面でその本に書いてあることを思出せるかや、実践できるかなど「能力の限界」がだれしもあります。記憶力の良い方や、辞書のようにそれを瞬時に出せる人はたくさん本を読むと役立てる場面が多いですが、そうでない人は、うる覚えだし実践もできなくて役立てることが困難です。

例えば、事業の方針を決める経営者会議にマネージャーとして出席している時に、代表が言っていることがなんか違うと思ったとします。その時に、「あー、代表が言っていることは、前読んだ本によると違うんだよなー。ここでコメントしとかないとな。でも何と書いてあったかなー?んー思い出せない・・・」とボーっとしているうちに活動方針を決める会議はなんか違う代表の意見になって終わってしまいます。で、決まったなんか違うことを自分の部門で、自分の責任で実施しないといけなくなると、「なんか違うけど、自分が覚えていなくて意見が言えなかったばっかりに・・・」とモヤモヤ状態でやりきらないといけなくなります。

私は、挙げた例のようなことを繰り返しているうちに、本を読んでもきちんと役立てることができないと意味ないなと思うようになりました。

これまで役立てることができている本を振り返ってみると、具体的に仕事で困っていることに対して、本で紹介されている理論がなぜ役立つのかと、何が役立つのかが明確でした。つまり、本の全てを詳細に覚えているのではなく、具体的な問題に対して役立つ部分のみを覚えていたのです。

本全体をなんとなく読むのではなく、特定の問題解決の目的意識を持って読むと記憶に残ることがわかったので、そうした観点で本の内容をnoteでまとめていきました。それがマガジン「NPOで働く人に役立つ本紹介」です。これを読んでもらうとわかるのですが、どの記事も具体的な困ったことがあった上で、それに関連する本の内容を紹介しています。

こうしたインプットを、自分に役立てやすいようにアウトプットしておくと、必要な時に検索したり、見直すことができます。少し文章を読み返すと本全体のことは思い出せないですが、必要な部分については思い出しやすくなります。過去のこうしたアウトプットによって、今助けられることがたくさんあり、すごく役立っています。

こうした自分に役立つためのアウトプットが習慣化するようになると、今度はインプットである本を選ぶ時や読むときに「この内容はアウトプットして役立てることができるのか?」を問うことになり、インプットを厳選するようになりました。

今では、インプットしていないことを恐れに加えて、インプットしたものをアウトプットできない恐れが加わりましたが、自分の実践に役立つ場面が多くなりました。

本は、ただ読むから、役立つように読むことをおすすめします。ということで、仕事に役立つnoteを継続する方法のマガジンもありますので、もしこの記事を読んで関心を持った方はこちらもどうぞ!!

私はNPOの伴走支援やNPOで働いている人のコーチングを仕事にしていますので、このnoteを読んでいいなと感じた方や、無料相談をうけてみたいと思った方は以下のホームページのお問い合わせからご連絡ください。


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