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(8/23締切)【企業からNPOに転職をしたい人にオススメ求人】コロナ困窮者の住宅確保応援プロジェクトのプロジェクトコーディネーター


2020年8月14日のプレスリリースで、米国The Coca-Cola Foundation(コカ・コーラ財団)より、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い仕事や住まいを失った人々を支援するための資金として、50万ドル(5357万3500円)が、「おうちをあなたに―コロナ困窮者の住宅確保応援プロジェクト」(略称:おうちプロジェクト)に助成されることが発表されました。

おうちプロジェクトとは、認定NPO法人ビッグイシュー基金が東京・大阪などでホームレスの人や生活困窮者を支援する市民団体(一般社団法人つくろい東京ファンド、NPO法人Homedoorなど約18団体を予定)と連携しながら事業を進め、事務局を務めているプロジェクトです。今回の助成金をつかって、新型コロナウイルスの影響により住まいや仕事を失った人、定まった住まいを持たない人(当事者200世帯を想定)に、①賃貸住宅の初期費用(最大30万円)、②生活物資・家具などの費用(最大10万円)、③またはその両方(総額30万円)を支払い、住まいを持ってもらうことを応援します。期間は、2020年8月~2021年8月の一年間です。このプロジェクトにパートタイム職で求人が出ているので今回ご紹介します。

1.おうちプロジェクトの運営をしている中心的な団体

認定NPO法人ビッグイシュー基金

2003年5月、ビッグイシュー基金の母体である有限会社ビッグイシュー日本が設立されました。同社は「ホームレスの人々の救済ではなく、仕事を提供する」ことを目的に雑誌を作成し、路上で販売してもらい、その売り上げの50%以上を彼らの収入にする、という事業に取り組む社会的企業です。

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ビッグイシューはロンドンから始まった雑誌で、1994年に国際ストリートペーパーネットワーク(International Network of Street Papers/INSP)が創設されました。今では、ビッグイシューの名前で英国に2誌、南アフリカ、オーストラリア、韓国、台湾、日本の5誌が発売されています。

その後約4年の活動を通して、ホームレスの人々の自立には、就業を含めた総合的なサポートを行うために、2007年9月に非営利団体ビッグイシュー基金が設立され、2008年4月にNPO法人の認証を受けました。2012年7月1日国税庁より認定NPO法人に認定、2017年3月27日には大阪府より認定NPO法人に認定されており、以下の活動を行っています。

ホームレスの自立応援プログラム
・当事者への情報提供と交流
 「路上脱出・生活SOSガイド」の制作と配賦、サロン、道端交流会など
・生活自立応援
 定期的な健康診断、住宅・仕事・生活・法律・福祉などの相談
・仕事、就業応援
 ビッグイシュー販売や就労を支援する団体と連携した仕事応援プログラム
・スポーツ、文化活動応援
 フットサル、野球、ダンス、歩こう会、英会話など

また、こうした具体的な活動だけでなく、社会的不利・困難を抱える若者応援ネットワークの運営や、住宅政策の提言、ステップハウスの実験的運営、ギャンブル依存症問題やダイバーシティの推進など、ホームレスになってしまう根本原因の解決や、ホームレスを包摂する社会の実現に向けても活動をしています。

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一般社団法人つくろい東京ファンド

2014年6月設立の一般社団法人です。代表理事は、過去20年間、東京・新宿を中心に路上生活者や幅広い生活困窮者の相談・支援をおこなってきた稲葉剛(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授)さんが務めており、ハウジングファーストを主眼においた路上生活者支援の活動を進めています。ハウジングファーストとは、住居を喪失した生活困窮者の支援において、「まずは安定した住まいを提供することを最優先におこなうべき」という考え方で、欧米のホームレス支援において「まずは就労を優先」や「施設で生活訓練をした上で段階的にアパートに移行」といった従来型の支援よりも有効であることが立証されつつある取組み方のことです。

すまいに関する支援を中心に活動しており、2020年3月現在、中野区、新宿区、墨田区、豊島区の4つの区で、計25部屋を確保し、シェアハウスやシェルター、東京の高家賃に悩む若者向けのシェアハウスの運営を行なっています。

・中野区:つくろいハウス
中野区沼袋のビルのワンフロアを借り上げて運営しているシェアハウス(6部屋)。家賃は月額53,700円、共益費(水光熱費込み)6,000円。
・中野区:虹色ハウス(LGBT支援ハウス)
2018年、LGBTの当事者団体の関係者を中心に「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」が結成され、クラウドファンディングで得た資金をもとに、LGBTの生活困窮者専用のシェルターとして「虹色ハウス」(LGBT支援ハウス、中野区内に1室)が開設。
・墨田区:ハナミズキハウス
ファミリー向けの空き家物件を活用して、東京の高家賃に悩む若者向けのシェアハウス(3部屋)を運営。また、ハナミズキハウスでは月2回、「ことといこども食堂」を開催しています。全国でも珍しい「空き家を活用したシェアハウスで開催されるこども食堂」です。
・豊島区:ちはやハウス・しいなハウス等
2016年、新たに豊島区内に個室シェルター「ちはやハウス」(2部屋)、「しいなハウス」(4部屋)を開設しました。その後、他のアパートの居室も確保し、2019年11月現在、池袋地域で計9室を借り上げています。これらの住宅は、池袋地域でホームレス支援を行なっている諸団体と連携して運営しています。

認定NPO法人Homedoor

2010年4月設立の大阪の認定NPO法人。ホームレス状態の方々を支援するために以下のような6つの領域の支援活動を展開しています。

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代表的な事業が、シェアサイクルHUBchari(ハブチャリ)です。2020年2月現在、大阪府下に200ポート(ドコモ・バイクシェア社含む)を超えているシェアサイクル事業です。HUBchariで使用する自転車のメンテナンスや貸出、台数調整業務をホームレスの人の仕事にし、就労機会を提供しています。大阪の違法駐輪問題とホームレス問題の両方を解決する事業です。

2.今回の求人内容

今回のプロジェクトは1年間の期限があるので、求人も1年間となっています。東京と大阪で1名ずつです。1,300円×8時間/日×4日/週×4週/月=166,400円となります。社会保険(厚生年金・健康保険・失業保険)完備で交通費支給です。

【プロジェクトコーディネーター】
■仕事内容:協働団体、不動産事業者との連絡・調整、関連する事務作業、報告書作成、事業の広報活動など
■募集職種・人数:パートタイムスタッフ:2名(東西事務所で1名ずつ、20歳以上の方)
■手当:時給1300円・社保完備・交通費支給
■勤務日・時間:週4日程度、10時~19時(8時間)
※勤務日数・勤務日・時間応相談
■勤務地:NPO法人ビッグイシュー基金 東京事務所/大阪事務所
■勤務期間:2020年9月1日から(応相談)2021年8月末まで
■こんな人待っています!
・居住支援の経験のある方
・事務作業に支障のない程度のパソコンスキルがある方(Word、Excel)
・普通運転免許所持者歓迎
・不動産業経験者歓迎
・英語での文章作成ができる方歓迎

3.今回の求人について思うこと

企業での雇用契約では、期間の定めのない正社員がよくある形態ですが、NPOでは今回のプロジェクトのように助成金と人件費が紐づいていることが多いため、1年更新という団体が少なくありません。ですので、NPO業界で働き慣れている人にとっては1年契約で働くことはそれほど抵抗はありません。

また、2年目からどうなるかわからないのが不安だと思いますが、今回は5000万もの投資をうけて事業を拡大するわけですので、1年で終了させるのではなくなんらかの資金調達をして2年目以降を事業を継続していくことが想定されます。

そして、1年間でホームレス問題の最前線で働くことで、この問題の構造的な理解や、日本における住宅支援の最前線での経験、既存の多様な支援と住宅支援の連携、海外の資金提供者とのやりとりをすることによって、かなりの専門領域に精通する人材になります。このプロジェクトには18もの団体が加わっていますので、そのどの団体からも欲しい人材になっているはずなので、そこはそんなにシビアに考えなくても仕事はなんらかの形で継続できると思います。

最初の一歩は不安でいっぱいかもしれませんが、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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