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rakugaki_155「生きづらさを抱えて…」


日曜の夜ぐらいは...

2023年4月期のドラマの中で一番楽しみにしているのが、日曜よる10時からABCテレビ・テレビ朝日系列から放送の「日曜の夜ぐらいは...」です。

足の不自由な母との二人暮らしを支えるため、休みなくバイトを続ける岸田サチ(清野菜名)。
家族から縁を切られながらも、退屈な毎日に楽しみを求めてタクシー運転手を続ける野田翔子(岸井ゆきの)。
両親との縁が浅く借家暮らしを送りながら祖母とちくわぶ工場勤務を続ける樋口若葉(生見愛瑠)。
生きづらさを抱えた3人の若い女性が主役のドラマです。

離れた場所に住みお互いの存在も知らない3人は、ラジオ番組『エレキコミックのラジオ君』主催のバスツアーをきっかけに運命的な出会いを果たします。
バスツアーに参加したリスナーには親しみを持って呼びやすいようにあだ名がつけられるのですが、母が応募して代理で参加した岸田サチは「お内裏様」、タクシーの中で唯一退屈を紛らわすラジオ番組のリスナーだった野田翔子は元彼の名前である「ケンタ」、ちくわぶ工場で勤めていることから樋口若葉は「わぶちゃん」と名付けられたり名乗ることになります。
この3人がバスツアーを通して仲良くなるのですが、お内裏様は「きついだけの方が楽。何も考えなくてもいいから。一緒にいて楽しい友達とかできるときついんだよ。」と連絡先を交換せずに3人は元通りの生きづらい生活に戻っていきます。

バスツアー中にお内裏様から「キツイ時にはコンビニで一番高いアイスを食べる」ことを聞いてた他の2人も「コンビニの一番高いアイス」と、ツアー中に買って「当たったら山分け」と約束した3人が1枚づつ持っている「宝くじ」で、なんとか毎日をやり過ごします。
これが何と!お内裏様が持っている宝くじの1等3,000万円が当たり、3人はまた同ラジオ番組主催のバスツアーで再開を果たすことになります。

約束通り3,000万円を3人で山分けして「幸せになろう!」と誓い合うのですが、お金が入っても少しも生きづらさは変わりません。
お内裏様は母と自分を捨てた父からたかられ、ケンタは久しぶりに連絡が来た高校時代の同級生から美容玩具を売りつけられ、わぶちゃんは毒母から元々貯金していた通帳を奪われるという、何とも辛い展開です。

お金があっても生きづらい、その3人が三度出逢うことで宝くじで当たったお金は3人共通の夢に使うことを決めました。
それは・・・お内裏様が憧れていたおしゃれで落ち着く素敵なカフェ。
長い名前のカフェとご褒美アイスを出すお店・・・。

イマココ

視聴済みの4話までざっくりかいつまんであらすじを書きましたが、ドラマでは実に丁寧に3人の女性たちの辛い状況と心情を映し出しています。
今期は、福山雅治と大泉洋W主演の「ラストマン―全盲の捜査官―」(TBS)、木村拓哉主演の「風間公親-教場0-」(フジテレビ)など見応えのあるドラマも多いのですが、「日曜の夜ぐらいは...」ではどこにでもいそうな生活弱者の若い女性に焦点を当てた、心の奥底にジーンと響く人間味あふれるストーリーで今のところ今期イチオシです。
ぜひ3人には幸せをつかんでもらって、ハッピーエンドを迎えて欲しい!

そういえば前期イチオシだった「ブラッシュアップライフ」は、ドラマアカデミー賞で「最優秀作品賞」「主演女優賞」「助演女優賞」「監督賞」「脚本賞」の5冠を取ったそうで納得の結果で良かったです。

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