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人生で大事なことは、すべて小さな畑が教えてくれた

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リモートワークの傍ら、自宅近くに小さな畑を借りて、無農薬・有機栽培の野菜づくりを始めた。その学びの記録です。
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#野菜

農園から学んだ、ワンオペのこと

自宅近くの農園の一角を借りて、有機・無農薬で野菜を育て始めてから、ちょうど1年が経った。とても小さな区画だけれど、それでも1人では消費できない量が採れるから、1年目は友人と3人でシェアすることにした。 農園は、私の自宅近くだったので、管理人的に足しげく通った。普通の仕事なら、数週間後でも数ヵ月後でも、予定を入れて、きっちり時間通りに事を進めることができるけれど、畑仕事は違う。 初めてのことで、いつ何がどう展開するのかわからないことに加えて、天候にも左右されるし、何より相手

畑で育てた野菜を料理したら、人を生かすことを学んだ

はじめての夏野菜の収穫期を迎えた。 秋冬野菜のじっくりと育っていく感じとは打って変わって、数日見ないうちに様変わりするほどの成長スピードに驚かされている。そして、色の鮮やかに元気をもらっている。 種や苗の頃から成長を見つづけた野菜には愛着が湧くので、採れたものはできるだけ美味しくいただこう、と思う。それが自分にできるせめてものことだと。 そんなことを考えていると、料理の考え方も少し変わってきた。 「素材を生かそう」と思うと、まずは「あまり手を加えない」ことを思い浮かべ

無農薬・有機栽培だからって、自然に優しいだけではないかもしれない

都内の自宅から、歩いて10分少しのところに小さな畑を借りて野菜づくりを始めた。無農薬・有機栽培ということで「自然と共生している」気分でいたけれど、必ずしもそうではないのかもしれないと、始まってすぐに思うことがあった。 畑を始めたのは8月終わりで、そこから土を作って、秋冬野菜のキャベツやブロッコリー、大根、ハクサイ、ナバナなどを植え付けた。植え付けが終わるとすぐに、防虫ネットを張らなければならない。 なぜかというと、これらアブラナ科の植物は、アオムシなどの虫の餌になるから。