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防火・防災管理者ってなに?という方に読んでほしいnote

こんにちは!IVRyコーポレートの今西です。

先日のプレスリリースの通り、IVRyは7月にオフィス移転を行いました!

いきなり余談ですが、今後の事業成長のための狙いが充満したオフィスとなっておりますので、弊社代表・奥西による記事ボルダリング好きメンバーの興奮記事もよろしければご覧ください。

ボルダリングウォールの前で記念撮影

はじめに:背景と目的

閑話休題。
この記事は「消防関係で聞く『防火・防災管理者』とは何か?必要な手続きは何か?」を説明するものとなります。背景・目的・想定読者としては以下の通りとなります。

背景

  • 新オフィスに移る数ヶ月前、登記を含む役所・銀行等への提出書類の整理をしていた折に、新オフィスに入る際には消防関係の手続きが必要であることを知った

  • 加えて、書類の提出のみならず「防火・防災管理者」という資格を取得しないといけないらしいこともわかった

  • しかし、やるべきことの概要はいくつも出てくるが、具体的に何をするのかの情報が乏しくて難儀した

目的

  • 僕の体験談を共有することによって、実際にオフィス移転を控える方がご自身のアクションを想像できること

こんな人に読んでほしい

  • オフィス移転を少しでも考えている

    • スタートアップの経営者

    • 総務を含むコーポレート機能の担当者

持ち帰っていただきたいこと

  • 頭の片隅に入れておいてほしいこと

    • ビル・テナントの規模・種類によって防災関係の担当者の選任が必要

    • しかも、その担当者は国家資格の保有者である必要あり

  • アクションとしてオススメすること

    • 移転先が決まったら、消防署に以下の相談に行く

      • 防火・防災管理者の設置の要否

      • 要設置の場合の種別(甲種or乙種)

      • 講習会の日程予約

    • 相談に行く時期はできれば移転日の2ヶ月以上前

1. 防火・防災管理者って何なの?

それでは詳細に入っていきます。最初、少しお勉強的な内容になりますが、「防火・防災管理者はなぜ必要で、何をする人か?」についてお話します。

まず「防火・防災管理」についてですが、多数の人が出入りする建物に関して、火災や地震等の災害が発生した場合の被害を最小限に留めるため、必要な対策を立案・実行しましょうという制度・思想です。

防火・防災管理に責任を持つのは、最終的には「管理権原者」("権限"のタイポではないです、念の為!)として位置付けられる建物の所有者や賃借人となります。一般的には社長やCEOが当たります。

建物の収容人数や面積によって変わるのですが、条件を満たすと「防火・防災管理者」の選任が法的に義務付けらます。しない場合は、管理権原者に罰則を問われる場合もあります。

では、防火・防災管理者が何者かと言うと、実際に安全管理を推進・担保する担当者となります。対策の計画を立て、定期的に避難訓練等も実施しながら、社員らと協力して社内の安全の維持・推進に継続的に努めていく形になります。

2. 防火・防災管理者に誰がなれるの?

防火・防災管理者は消防法に定める国家資格を保有する者である必要があります

また、資格を有した上で「当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるもの」である必要はあります。したがって、例えば時間があるからといった理由で新入社員にその役割を任すのは不適切となります。

3. 防火・防災管理者って何をするの?:資格取得まで

特定の条件(一級建築士など)によって充足されるケースもあるにはありますが、資格取得のためには基本的には「防火・防災管理講習」という講習を受ける必要があります。逆に言うと、その講習さえ受ければ誰でも資格を取得できます。ただ、そこに至るまでに幾つか注意すべきポイントがあります。

A. 自分が受けるべき講習を把握する

防火・防災管理者と一言で呼んできましたが、実は分類としては甲種と乙種の2種類あります。どう違うかと言うと、甲種がベースとして存在しつつ、その簡易版として乙種が用意されているイメージです。

その判別は自分たちが入居するビル及びオフィスの種類と収容人数を参照して、以下フローチャートの流れで行います。

甲種or乙種の判別フローチャート
(フローチャート自体は、春日・大野城・那珂川消防組合消防本部のHPより引用)

と言っても、知識のない状態で資格取得の要否やその種別(甲種or乙種)の判別を行うことは難しいはずなので、①ビルオーナーにビルの防火・防災上の区分を確認する + ②その情報も持って最寄りの消防署に行って分類を相談するのが現実的には早いと思います。

B. 講習を予約する

申込の方法と日程確保における注意点の2点をご説明します。前者は簡単なのですが、後者が少し厄介です。

  1. 申込の方法
    こちらはシンプルで、防火・防災管理者講習は各自治体にて行われるので、消防署へ申し込みの手続きに行くのみです。それによって受講場所と日時が決まります。先述した受けるべき講習の相談と合わせて、申込まで済ましてしまいましょう。

  2. 日程確保
    甲種の資格を新規で取ろうとする場合、9:00-17:00を2日連続で受講する必要があります

    その予約、自治体によって異なるかと思いますが、少なくとも2ヶ月は余裕を見た上で事前に申込を行っておくのが良いと考えます。なぜなら、コロナの影響もあるのか、「今日申込に行って来週に受ける」みたいなスピード感で受講できるほどの空き枠はなかったからです

    東京の場合、空席状況が公開されていて、執筆時点(2022年8月17日)では、新規で甲種の防火・防災講習を受けられるタイミングは最短で10月1日となります。

C. 実際に受講する

ここでは講義内容と服装の注意点を説明します。

  1. 講義内容
    座学を基本としつつ、途中で消火器の使い方やスプリンクラーの実例を見学するツアーを挟みます。最後に「効果測定」と呼ばれる10問のテストが実施されます。

    テストの出題箇所は座学中に教えてくれます。また、講習中、ランダムに出席確認が行われます。出席要件と「効果測定」要件の両方を満たすと資格取得となります。

  2. 服装の注意点
    クールビズ・ウォームビズの決まりをしっかり守る必要があるのか、夏場の室内温度は28度設定厳守だそうでした。200人程度が集まるので人によっては結構暑く感じるかもです。温度調整のしやすい服装で臨んでください

4. 防火・防災管理者って何をするの?:資格取得後

ざっくり言うと、書類提出(原則一回きりの手続き)と継続的な活動の二つがあります。ここは先述の講習を受けるとわかることなので簡単に書きます。

A. 書類提出

以下の2書類を管轄の消防署へ提出する必要があります。その際、前述の講習でも習いますが、提出用と社内控え用の各2部を持参してください。

『防火・防災管理者選任届』
『消防計画』

消防計画については、まっさらな状態から作るのは時間と手間がかかってしまいます。テナントとして入居する場合は、そのオーナーにテナント用消防計画の雛形の有無を問い合わせましょう

と言うのも、オーナーはビル全体の管理を行う責任を持つので、テナント側の管理体制も把握し、ビル全体の管理体制とアラインさせる必要があります。なので、テナント用の雛形を準備しているケースが多いそうです。

したがって、テナント側としては、その雛形を元に必要な箇所に名前や個数を埋めていきましょう。それだけでテナント側の計画は大方完成するので、最後に改めて統括管理者に内容を確認してもらい、修正点などがないことを双方で確認します。それが終われば、書類を消防署へ提出しましょう。

B. 継続的な管理・予防・対策

ここからは私もまだやり始めたばかりの領域なので特段のノウハウはないのですが、日常的に執務環境を観察しながら、以下のような消防上リスクとなる事象の有無を確認し、ある場合はそれを取り除くことになります。

  • 防火扉の前に荷物が置かれていないか

  • 避難路にモノが置かれていないか

  • 消火器はわかりやすい場所に設置されているか

  • 地震の際に倒れてきそうな家具はないか

加えて、年に一度や二度、定期的な訓練や確認も行います。確認の中には、消火器や消化ホースに異常がないかであったり備蓄の正味賞味期限に問題がないかなどがあるそうです。

結論

以上、オフィス移転を機に消防関係の決まりを知り、防火・防災管理者という資格を取るまでの経緯を主にまとめさせていただきました。

書いてみて改めて思いますが、ニッチで読み映えしない内容だな〜とは思いますが、同じような経験をする人の時間的・心理的な手間をこの記事が少しでも軽減してくれることを願って止みません。

また、ボルダリングの壁をオフィスに作るなど奇抜なこともしている弊社ではありますが、安心安全に働けるような環境整備は当然行っております。

そんなIVRyに興味を持っていただけた方、ぜひ一度お話しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考:各種リンク

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