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食品安全を脅かす4つのポイント

食品安全を脅かす主な視点に「無知」「欠落」「無防備」「意図的」の4つのポイントが挙げられる。

「無知」

微生物学的な品質保証力が無く、商品の開発設計に無理がある場合などである。
まずは、食品開発に必要な微生物制御などの様々な知見を最低限身につけて、開発段階でのバリデーションと危害要因分析(Hazard Analysis)に取組むべきである。

「欠落」

普段の努力はあるものの抜けや漏れがあって、食中毒や異物混入を起こす場合などである。
PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルにより、スパイラル・アップしなければならない(個人的には、CAP-Dサイクルだと思うが)。
農畜水産物のような原料は、クロップ毎に品質のフレがあるのは当然であるし、作業者の衛生管理や教育などが重要なのは自明。

※参考
品質は、様々な因子で変動する。
特に、ヒト・設備・原材料・方法・検査測定・環境の頭文字を取った5M+1E(Man,Machine,Material,Method,Measure,Environment)といった変動因子の視点で、一般的衛生管理の要素を整理してみるとわかりやすい。
拙書「法令等でわかる 食品の一般衛生管理」に、5M+1Eの変動因子で一般的衛生管理を整理してみた。

「無防備」

フードテロと呼ばれるようなものへの防御が出来ていない場合などである。
食品防御(Food Defence)と称する対応として、モニターカメラの設置や入出時の指紋認証などハード面ばかりが目立つが、人的な因子が強いのであるから、改めてソフト面の強化に取組むべきである。
その組織への帰属意識の醸成がポイントではないか。

「意図的」

食品偽装(Food Fraud )と呼ばれる経済的な視点で食品安全を脅かすものであり、例えば産地偽装やブランド偽装などである。
経営層が意図的に偽装しようとしている時に、内部の人間が見つけ出すことはなかなか難しい。
ましてや、外部からでは尚更で、事件として露呈してからの社会的なインパクトは相当なものである。
ここ最近、HACCP手法をVulnerability(脆弱性)の視点で展開したVACCP(Vulnerability Analysis and Critical Control Point)により、組織の脆弱性を評価し、取り組みを見直すことを提唱されている。

(2017.08.28 facebook ノートから転載・改編)

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