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第23話 謎の占いおばさん

2回目の結婚相手、モラ男の産みの親は、モラ男が小さい頃に亡くなったようで、モラ男はおばあちゃんに育てられた。

モラ男との短い結婚生活の中で、私はおばあちゃんに片手で数えれるくらいしか会ったことがないけれど、最初は怖そうだったおばあちゃんは、何度か会ううちに私に優しくなり、モラ男のいないところで「あの子は小さい頃に母親を亡くして、少し難しいところがあるけどよろしくね」と、そういって私に小さい封筒を渡してきた。中には一万円入ってた。

モラ男の父親は、何をしてたのか知らない。ばあちゃんの家に近いアパートにモラ男を育てたわけではない義理の母と住んでた。


義理の母は、父親に気を遣ってる感じだったし、モラ男に対してはさらに気を遣ってた。

ばあちゃんが亡くなった頃、モラ男との生活は最悪で、けど、険悪なのはまだ親にはバレてなかった。モラ男が『親には余計なことは言うな』と、『何もなかったようにしてろ』と私に強く言っていたからだ。


ばあちゃんが亡くなったとき、モラ男は仕事ですぐに来れなかった。私が先に行って手伝いをした。


小学5年で、自分のじいちゃんの葬式にお茶出しなどテキパキ働いて親戚中に褒められてた私だ、何をしていいのかくらいわかってる。しっかり手伝いというか、やりすぎた。


お義母さんは褒めてくれた。そりゃそうだろう、一番働いたんだから。そして、モラ男が遅れてきた時、お義母さんは、私がよく働いてくれたと、モラ男に伝えた。


旦那がいない間、嫁がしっかり働いたんだ、『ありがとう』くらいあってもいいだろう。しかし、そこはモラ男だ、考えが違う。


ものすごい不機嫌になった。


ばあちゃんの通夜、葬式だと忙しくなるのに、夫婦仲は恐ろしく最悪になっていった。


結婚してまもないし、親戚もほとんど知らないし、モラ男には放置され、私は葬式会場で孤独だった。しかも、機嫌の悪いままのモラ男は『通夜にも葬式にも出なくていいから帰れ』と私に怒鳴るのだ。


それまで、親の前では仲良くしろとか言ってたのに、親戚がたくさんいる中で、モラ男が私に怒鳴り散らしたので、お義父さんも、お義母さんも、親戚の知らない人達も、みんな私の味方になってくれた。


それが余計モラ男に火をつけて、とにかく出て行けとすごかった。


私は耐えられなくて、泣きながら自分の車に戻った。そこでちょうど、昔働いてた時のスナックのママから電話がきて、今現在の状態を話しした。


「お葬式というものは、自分の気持ちだから、誰がなんと言っても、自分がどうしたいかで行動しなさい」と言われた。


私は、真っ赤に腫れまくった目で、とりあえず会場に戻った。


お義母さんと、親戚の人が「帰らなくてよかったよかった」と言って私を呼んでくれた。お義母さんは「あんな酷い言い方しかできない人、ほっといて、こっちで、ね、ね」って、みんなの中に案内してくれた。


それを見ていたモラ男はどこかに行ってしまい、その後の夕食は、私は知らない親戚たちと食べたり飲んだりした。


夜中、ロウソク番っていうのか、モラ男のいとこたちと一緒にいた私は、モラ男の昔の話とか聞いた。まあまあヤンチャな事をしていたような話は聞いていたが、いとこからしても、怖かったらしい。


普通に考えたら、その場にいるべきなのはモラ男だったと思うのに、モラ男はいなかった。


最悪な葬式だった。


けど、モラ男がみんなの前で私に怒鳴ってくれたおかげで、我が家の状態を知ることになったお義父さんとお義母さんは、私の味方になってくれて、その後、何度か助けに来てくれた。


ある時、お義母さんが、自分の姉だと言ってたと思うけど、その人の家に行こうと誘ってきた。


お義母さんは、そのお姉さんが占うことを何から何まで信じていて『お姉さんのいうことは絶対だから、安心だから』みたいな感じだった。


そのおばさんは私に何を喋ってきたかは全然覚えてないが、関わりたくないタイプの人間だったのは覚えてる。なんだかすごい、めんどくさいなぁ〜と思ったし、また遊びにおいでと言われたけど、部屋のインテリアの感じとか苦手だったし、もう来ることはないなと思った。


その後、少しして、お義母さんから電話がきた。


「あのね、お姉さんがいうには、全部あなたが悪いっていうのよ」


私は耳がイマイチよくないから、よく聞き間違いするが、その時も、ん?って思った。


悪いのは私じゃなくて、モラ男だろ?と思ったが、違った。


『お姉さんがいうには、あなたには悪魔が付いてて、あなたと一緒にいると、うちのNちゃん(モラ男)が不幸になるって言うのよ』


納得いかないが、「はぁ、なるほど。。。。」って言って電話切った。


モラ男はおばあちゃん子だったから、おばあちゃんが亡くなってから、さらにモラ度がひどくなっていった気がするし、謎の占いおばさんのせいで、お義母さんも、お義父さんも、私が悪いってなっていったし、そこからの戦いは凄かった。


今思えば、あの謎の占いおばさんって・・・もしかして・・・

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