【旅日記】朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の聖地に行ってみた(岩手県/久慈〜青森県/八戸)
「あまちゃん」というNHKでやっていた朝の連続テレビ小説を覚えている人はいるだろうか?
その舞台となった街が岩手県の久慈にある。全く行く予定はなかったのだが、思いがけず行くことになった(ファンがいたら、お前は何を言っているんだ!って怒られそう)
どうして久慈に行くことになったかというと、JR東日本の「どこかにビューーン!」というサービスがきっかけだ。このサービスは、JREポイントを6,000ポイント使うことで、オススメの4つの駅のどこかに新幹線で行けるというものだ。わかりやすく言うと、桃太郎電鉄のぶっ飛びカードのリアル版サービスと考えてもらってよい。
4つの駅はランダムに指定されるので、良い組み合わせが出るまで粘った。そして選ばれたのが「八戸」だった。仕事終わりの金曜日の夜から八戸へ向かい、日曜日に帰る予定を立てた。
土曜日はどこへ行こうかと Google Map で周辺を調べていると、JR八戸線の終点「久慈駅」を見つけた。ローカル線に乗るのが好きなので、終点まで行ってみようと思い立った。ここまでが久慈に行くことになった経緯だ。
久慈は海女さんが有名で、朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の聖地だということは後から知った。
(久慈に行った話の前に、まず八戸の朝の話が入ります。)
金曜の夜、東京駅で20:16発のはやぶさ45号に乗り、八戸についた頃には23時を過ぎていた。まず、八戸駅に降り立って、謎の人たちがあちらこちらに…。最初、本物の人間かと思ったが、まじまじと見てみると「なぁんだ、ただの人形かぁ」と気づいた。リアルすぎないか…?
他にも、方言が習字で飾ってあったりと、駅に到着するなり歓迎ムード満載だ。
金曜夜の八戸は3月にもかかわらず、みぞれ混じりの雨が降っていた。「寒っ」と体を震わせながら、予約していた駅近くのホテルに直行した。土曜は朝一番の電車に乗る予定だったので、何もせずにすぐに寝た。
翌朝、さすが東北、3月になるのに寒い。朝イチの電車にはほとんど人が乗っていなかった。その日はJR八戸線に乗り、朝一番の電車で陸奥湊駅へ向かった。館鼻岸壁朝市という日本で最も大規模な朝市が開かれる有名な街だ。朝市は翌日の日曜からなので、その日の目当ては「みなと食堂」だ。朝からヒラメ漬け丼が食べたくて訪れた。
6:20頃に到着したのだが、ほとんど人がいなかったので、余裕で入れるのでは?と考えていた。しかし、店に着いてみると、その楽観的な予想は早々に打ち砕かれた。「6時からは予約でいっぱいで、7時からの案内になります」とお店の人に言われてしまった。
予約ボードが店前にあるので、7時からの予約として起票した。「予定が狂ったなぁ」と思ったが、せっかくなので町中をぶらぶらすることにした。
朝市がやっていないときは、駅前にある「八戸市魚菜小売市場」が開かれる。時間もたっぷりあるので見て回ることにした。ここでは、市場でご飯のおかずを買い、奥にある食堂で購入した魚をさばいてもらったり、ご飯や味噌汁を合わせて購入することもできるみたいだ。つまり、自分だけの朝食を作れる、というわけだ。
市場で時間を潰したが、それでもまだ時間が余りまくっていたので、駅の構内のベンチで読書をすることにした。のほほんとした時間を過ごしていると、スマホがブルブルと震えた。店からの電話だ。「ようやく、朝ご飯にありつける!」と思い、店に直行した。
ガラガラと店の扉を開き、店内に入る。メニューが短冊でぶら下がっている、まさに町の食堂といった良い雰囲気。他にもいろいろなメニューがあって目移りしてしまうが、目当ての「ヒラメ漬け丼」と青森名物「せんべい汁」を注文した。ヒラメの刺身は初めて食べた。
腹ごしらえができたところで、いよいよ久慈行きの電車に乗る。途中、蕪嶋神社といううみねこで有名な神社が見えてきた。たくさんのうみねこが飛び交っていた(JR八戸線が、別名うみねこレールと呼ばれるゆえんである)。周りは、うみねこの糞が積み重なって白くなっている。
さらに先へ行くと、海沿いの遊歩道の天然芝生が美しい種差海岸が見えてくる。「650種を超える植物が自生し、多種多様な植物を観賞できる日本でも珍しい場所」と青森県の観光案内サイトには書いてある。車窓からの眺めは最高で、夢中になってカメラのシャッターを切っていた。時間があれば、帰りがけにウォーキングで立ち寄りたい場所だ。
海沿いを電車が走っていくので、外を眺めているだけであっという間に時間が過ぎていった。そうこうしているうちに、目的地である久慈に到着した。
駅に降り立ってまず目に飛び込んできたのは「駅前デパート」の廃ビルだ。あまちゃんのロケ地の1つらしい。私が行った日は人通りがほとんどなく、閑散としていた。駅横には、久慈市情報交流センターがあり、館内はあまちゃんの展示でいっぱいだ。漫画がズラリと並んでおり、あまちゃんのことがよくわからなくても漫画を見ているだけで時間を潰せるし、どんな内容のドラマだったのか気になってくる。
通りを歩いていても、あまちゃん推しがすごい。シャッターにあまちゃんのイラストが並んでおり、歩いているだけで楽しめる。あまちゃんブームだった頃は、さぞ人で賑わっていたんだろうなぁと当時の様子を妄想する。こうして、いつも歩いている地元の街とは違う別の街を、ただ目的もなくぶらぶら歩くのも悪くない。
何か観光案内所で情報を得られるかもしれないと思い、とりあえず、「道の駅くじ」に向かってみた。館内では立派な山車が展示してあり、お祭りのシーズンはさぞかし賑やかになるのだろう。ただ、今日は地元の人たちが休憩しているくらいで、閑散とした感じだった。
お昼に行ってみたいラーメン屋があったので、それまで町中を散策することにした。近くに、立派なお寺があることを発見し訪れてみた。入口が荘厳な感じで、立派な曹洞宗の禅寺だった。そよ風だけが聞こえるとても穏やかな空間だった。
その後、また街中をぶらぶらしていると、子久慈焼を販売しているお店を発見した。焼き物には目がないので「これは!」と思い、誰もお客がいなくてちょっとドキドキしたがお店に入ってみることにした。
どれにするのかかなり悩んで30分くらいたっただろうか、湯呑み茶碗を1つ購入した。これでお茶が飲みたいと思ったが、急須を持っていないのでお茶が飲めない。同じ店で購入しようか悩んだが、気に入ったものを見つけられなかったので、別のところで買おうと思った(翌月、常滑に行くことになるのだが、それはまだ別の話)
お昼にはまだ時間があったので、カフェでお茶することにした。プリンとカフェラテを注文。久慈に似つかわしくなく(と言ったら失礼だが…)カフェ自体がオシャレな作りで、プリンがのってきた金属製のお皿もオシャレだ。ここで読書をして時間を潰すことにした。
お昼時になり、「らーめんの千草」でご飯にした。昔ながらの鶏ガラスープの醤油ラーメンといった感じで、老若男女問わず好まれる優しい味がした。麺が十分にほぐれていないためダマになっていたのは、ちょっと残念だった。店内は地元の人たちが多かった。
そんなこんなで、なんだかんだ久慈を堪能した後、八戸に戻ることにした。途中、種差海岸に寄ろうと考えていたのだが、強風が吹いており寒かったことと、杉の木から花粉がブワァーと出ている様子から、ギリギリまで途中下車するかどうか悩んだが諦めた。
暖かくなってきたら、また来ればいい。また八戸に来る理由ができてしまったな。
旅日記#3(2024/03/16)
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