【日本一周】4日目 三重県 伊勢志摩
〜ガラケー時代に公共交通機関で旅をした24歳の記録〜
2006年4月21日(金)
伊勢(三重県)→志摩→伊勢
漫画喫茶では1時間半くらい寝ただろうか。名古屋駅発6時半の電車で、伊勢市へ向かった。電車の中で聞こえてくる話し声が関西弁に変わり、(三重県から関西なんだ!)と一人でテンションを上げる朝の車内。
今日は、かの有名な伊勢神宮を参拝する。少し調べたところ、外宮→内宮の順で訪れるのが習わしのようなので、駅を降りて真っ直ぐに外宮へ向かった。
外宮に着くと、めちゃめちゃ晴れ出した。
元々信仰心はなく、この時も参拝するというより「観光地に行く」という認識だった私。神様が〜とか、ご利益が〜といった考えは一切持たずに鳥居をくぐり、よくわからないまま境内を歩いた。
木々が生い茂る境内は空気が澄んでいて、キラキラと輝いて見えた。静けさ、木漏れ日、新緑の眩しさ、全てが心地よい。純粋に、この雰囲気が好きだなと感じた。
ぐるりと歩いたら、お次は内宮へ。外宮からは徒歩で1時間…のはずなのに、方向音痴の私は住宅街で道に迷い、1時間半ほどかけてなんとか到着。
着いたとたんに現れる大きな木造の橋。見事な庭園。白い玉砂利の広すぎる参道。見たことも想像したこともない規模感に圧倒され、(これはとんでもない額のお金が動いている…!)と少し怖くなってしまった。今考えれば皇室の氏神を祀っているのだから当然なんだけれど。
神馬まで。作り物かと思ったら本物の馬でびっくりした。
他の参拝客が進む方向について行くと、撮影禁止の看板が立つ場所にやってきた。どうやらここでお参りをするらしい。石段下までは撮影OKとのことなので遠慮がちに一枚撮り、緊張しながらお参りをした。
よし、あとは食べ歩きを楽しもう。
初めて食べる伊勢うどんは、タレの色も味も麺の柔らかさも自分の辞書にはなく、頭の中が???に。
伊勢海老コロッケと松阪牛串は、やはり小さすぎて味がよくわからなかった。がっつり食べてみたいものだ。
午後は近鉄で志摩へ。
公共交通機関を使う旅は、行き先がかなり限られてくる。その中で選んだのは、志摩横山駅から2.5kmの場所にある横山展望台。
道路を歩いている時に、展望台へ向かう1台のマイクロバスが私を抜かしていった。駐車場から展望台への遊歩道では、そのマイクロバスに乗っていた人たちを私が抜かした。その時に(ふふん)と勝った気分になったのは、車で抜かされた時に負けた気分になったから。まだ幼いな。
肝心の展望台からの景色は素晴らしいものだった。モコモコとした半島と島々がなんだか可愛らしく、ずっと見ていられる。頑張って歩いてきたから喜びもひとしおだ。
満足してまた電車に乗り、今宵の宿がある二見浦駅へ。途中の乗り換え駅の鳥羽駅では、徒歩5分の日和山展望台にも行き港を眺めた。
予約したのは、お寺がやっているユースホステル。宿主が19時にならないと帰ってこないそうなので、それまで二見浦海岸で時間を潰すことにした。
19時になりお寺へ行ったが、境内は真っ暗でどこへ行ったらいいのかわからない。ぼんやりとした明るい光が見えたのでその方向へ進むと、目の前に現れたのは墓、墓、お墓。灯りがないのに明るく見えたのは…人魂…?
うわわわわわと一目散に別の方向へ逃げると、すぐに玄関が見つかった。そろそろと扉を開け、すみませーーんと何回か声を掛けるとおばちゃんが出てきて、ようやく一安心。長い一日だった…。