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ベトナムの中の中国・スピンオフ企画:ハノイに残る華人社会の面影を「食べて」みる

さて以前に以下note記事で紹介したハノイに残る華人社会、と題した「ハノイ中華街跡」巡り。読んで頂いた方からは「歩いてみたい」との声も頂き、とても嬉しく思っています。

今回はその本編を更に楽しく読む、見るためのスピンオフ企画。「ハノイに残る華人社会の面影を「食べて」みる」と題しまして、かつて中華街があったと思われる地域の美味などを(再度)探訪してまいりました。皆さんの食べたいものは見つかるかな?

1.まずはワンタン麺から

まずはスタート地点。ハノイ・タンロン城の現存する数少ない城門である「ô quan chưởng:東河門」に朝から集合です。

漢字からも「ハノイ(河内)の東」との位置づけ感じられる立派な門

ここに多く見られるのは、今回中華街面影巡りで最も印象的な発見とも言えるワンタン麺です。「中華街」という視点をもって歩いているからということもあるでしょうが、かなり数があるように思えます。これは名残があったと想像して良いはず。実際、その内一軒の方にお話を聞くと「オーナーは華人(người Hoa)だよ、今はココには住んでいないけど」と話がありました。

2.広東焼味

そして当時の華人社会の中心地と思われ、広東会館(粤東会館)や関帝廟、白馬祠などがあるHàng Buồm通りには幾つかの「広東焼味」と言われるチャーシューなどを売る店が見られます(主に持ち帰り)。粤東会館もあるこのHàng Buồm通り、加えてそれとクロスするHàng Ngang通りは「広東省を「粤東」と呼んだため、ヴィエッドン(粤東)通りと呼ばれたこともあり、また1945年以前は、Rue des Cantonnais(広東人通り)と呼ばれてい」たそう。その意味では、このエリアに広東焼味があった、そして今もあるのは歴史の必然かもしれません。

3.Bánh rán(揚げ団子)

また、このエリアには美味しいBánh rán(揚げ団子)の店が数多くあります。甘党グルメとしては欠かせない、が華人社会との関連は不明。中国にも類似のお菓子はありますが、その歴史考証は簡単ではなさそうです。ともあれ、甘く、美味しい(笑)。

こちらのお店は「一日に一万個を売り上げる老舗!」として、現地紙にも取り上げられることがある有名店です。砂糖をまぶしたもの、はちみつでコーティングしたもの、どちらも美味、でも食べ過ぎには注意の高カロリーが予想されます(笑)。

4.面白いカフェもいっぱい

さらに面白いカフェも発見したのでご紹介。上記ツイートで揚げ饅頭食べたバルコニーカフェも素敵ですが、こちら「Cà phê "Lính"」はそのインテリアに濃い特徴あり。"Lính"が兵士を意味することから、恐らくミリタリーグッズが好きなんでしょうねえ。コーヒーはブラックなら2万ドンからと超お手頃価格、上記揚げ饅頭の持ち込みも可です。

5.少し歩けば中華系デザート

実はこのエリアは夜が賑やかな、旧市街屈指の繁華街でもあり、多くのハノイ在住の方にはこのTạ Hiện通りが有名ではないでしょうか?でも飲めない私はそこをすり抜け、スイーツエリアへと向かいます。

@imajunworld

TikTok始めてみました。撮影こそ少し前ですが、ハノイの今はこんな感じです。色々多言語使って動画あげてみたいですね♬よろしくお願いします☺️#CapCut #hanoi #tiktokdebut #日本語 #ベトナム語 #ハノイ #vietnam

♬ オリジナル楽曲 - Imajunworld - Imajunworld

飲み屋街を超えていくと「Chè の名店」と紹介されるChè Hương Hải(93 Hàng Bạc)に様々なデザートChèが。いわゆるベトナムならではのChèが沢山ある中、名前からしてBánh trôi tàuなど「tàu」(船、という原義から発展し、船でやってきた場合が多い「中国人」を指す言葉)が付いているメニューはベトナム人自身も自他ともに中国との関連を意識したメニューと言えるでしょう。(ただ暑い時期に不向きな、熱いメニューも多し)

見て学んで楽しむ、そして食べて楽しむ中華街の面影。皆さんも是非、食べがてら、飲みがてら、旧市街の街を歩いてみては如何でしょうか?

11年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)に滞在。ハノイ在住の目線から、時に中国との比較も加えながら、ベトナムの今を、過去を、そして未来を伝えていきたいと思います。